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「バリアフリー障害当事者ステップアップ研修 -私たちが地域を変えていく-」始まりました!

2020年11月05日 バリアフリー

STEPUPと書かれた画像

 去る10月29日(木)より2020年度「バリアフリー障害当事者ステップアップ研修」が始まりました。それぞれの地域で運動のリーダーや講師を担う障害当事者の育成を目指して毎年度各地で開催されている障害当事者リーダー育成研修はコロナウイルスの影響で、今回は初のオンラインでの開催となりました。

 加えて、これまでのリーダー養成研修修了者を主な対象とした「ステップアップ研修」とこれからの活躍を期待される若手の当事者を対象とした「とっかかり研修」という2段階のプログラムを用意しました。

 初めての試みづくしとなり緊張の面持ちで当日を迎えた事務局メンバーと、かたや熱意と気迫に満ちた15名の受講生の顔がPC画面上に一堂に揃いました。

はじめに

 3日間に渡るプログラムの最初の講義として、毎回研修の共催団体としてご協力いただいている交通エコロジー・モビリティ財団の吉田部長、澤田課長より「小中学生向けのバリアフリー教材の学校での使用例」というテーマで、自社で展開する交通バリアフリー学習プログラムの概要、またそれに伴い開発された各教材が実際に学校の授業の中で活用されている様子が紹介されました。

 小学生向けのフレッシュコースと中学生向けのジュニアコースという2通りの教材が現在用意されていますが、学校によって確保される授業の時間数や対象となる学年も異なるため、主に公共交通や移動の場面における幅広いトピックの収められた教材をもとに〈①出かける②話を聞く③話し合う④まとめる⑤発表する⑥実践する〉というステップを基本としながらフレキシブルなカリキュラム構成を毎回組み立てて多様なニーズに対応しています。

 一貫して目標としているのは、単に知識として障害やバリアフリーを学ぶのではなく、これからの共生社会を生きる一員としての自覚や感性を身につけてもらうこと。そのためにまちあるきや障害当事者講師とのコミュニケーションを交えながら、身の回りのバリアへの気づき、そしてそれを克服するためのアイデアを子どもたち柔らかな頭で自ら考えてもらうためのアプローチを積み重ねています。

 澤田課長からは教材は全てオンライン上に掲載しているため、学生相手の講義を行う際にはぜひ活用してほしい。また、交通サポートマネージャー研修等当事者講師として経験を積む場に積極的に参画してほしいとの心強いメッセージがありました。

バリアフリー化 大きく改善したところ、今後の課題

 続いて行われた講義は、DPI日本会議事務局長の佐藤聡より「バリアフリー法改正と行政への働きかけ」。12年ぶりにようやく行われた2018年バリアフリー法改正においては当事者による運動が大きな後押しとなりましたが、同時に小規模店舗、ホテル客室のバリアフリー(UD)化など取り残された課題も多くありました。

 そのときの教訓をもとに、今年再び巡ってきたバリアフリー法改正の機会でどう動き、そしてどのように法の中身が動いたかについての経緯が語られました。今回の法改正では附帯決議の文言も含め、インクルーシブ教育の実現や障害当事者が排除されない避難所の運営には欠かせない公立小中学校のバリアフリー義務化など多くの改善、進展が見られました。

 なかでも、新幹線のバリアフリー化をめぐっては非常にダイナミックな動きがありました。前回の法改正時の取り組みの最中に得た〈相手を敬うこと〉〈指摘すると同時にしっかり褒めること〉〈大臣に直接会って話すこと〉という教訓をひとつひとつのいかなる場面においてもしっかりと心掛けて向き合っていった結果、多くの人がともに動いてくれるようになり今回の新幹線のバリアフリー化につながったという肌感覚の実感を述べられていました。

 初日最後のプログラムでは、移動円滑化評価会議における全国各ブロック分科会の委員の方々より現状と課題についての報告がありました。改正バリアフリー法において設置が求められた評価会議ですが、各ブロックの委員より共通して述べられたのはそもそもの会議が開かれる回数が少ない、委員一人当たりの発言時間が短い、参加できる当事者の人員が限られてしまうために真に効果的な意見集約、移動に関する諸問題の解決を進展させるための場になり得ていないという根本の構造的な問題意識でした。

 関東ブロックの工藤登志子委員からは都心部とそれ以外の地域では同じ関東でも状況が大きく異なるため、検討の枠組みを分ける必要があるということ、近畿ブロックの六條友聡・鈴木千春委員からは年に少なくとも2回以上の分科会の開催及びテーマ別のオンラインを通じたグループ会議を交えることでより充実した分科会に形を変えていくための提案がなされています。

 国の評価会議に参加している今村登委員からは何をどのように評価し、どこにフィードバックするかがはっきり明確化されていないことが課題であり、評価会議としてやるべきことをまずは明確化しなければならない。

 その上で交通に携わる事業者側と障害当事者側がともに連携して取り組むワーキンググループ等の枠組みが必要であり、より率直で密な意見交換を行われる関係性ができることでより意味のある評価会議が実現できるのではないかという希望が述べられました。

最後に

 国や行政との交渉の場に立つことができる人間は限られています。今回はそういった立場にいる方々から大変真に迫ったヒリヒリワクワクするような話が聞くことができた貴重な機会になったと思います。

 「ステップアップ研修」はあと2日。次回からは、もし自分がそのような立場となったときに何を目標に?どういうつながりを探って?どのように行動していくか?といったテーマを受講生同士で語り合い、考えていきます。

自立生活センター 自立の魂 ~略して じりたま!~ 岩切 玄太

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