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「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2022年3月号)

2022年03月01日 イベント

今月はここに注目!

現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2022年3月号」をお届けします。

今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これをみれば一目瞭然!

凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て

クリックすると各分野に移動します


バリアフリー

◎大注目!
移動等円滑化評価会議(日程未定)

<ワンポイント解説>
2020年のバリアフリー法改正で設置された委員会で、障害当事者が施設整備等を評価する委員会で、年に2回開かれています。前回9月の会議では、国交省から新たな評価手法の策定が提案されました。今回は具体的な案が示されると思われます。

▽移動等円滑化評価会議(外部リンク:国交省)


◎大注目!
東海道新幹線「車椅子スペース6席のN700S」定期運行へ。3月12日ダイヤ改正からスタート!1日18本へ

(以前の記事)

東海道新幹線「車椅子スペース6席のN700S」が定期運行されます。2022年3月12日ダイヤ改正からスタート!1日18本へ

<ワンポイント解説>
東海道新幹線では、昨年4月から車いすスペース6席の新型N700Sの運行が始まっています。これまでは当日の朝5時にならないと、どの列車が新型かわからなかったのですが、3月12日のダイヤ改正から、固定されて定期運行されることになります。上り、下りともに9本、合計18本となります。ぜひ、みなさん乗ってみて、広いスペースを体験してみてください。


◎大注目!
JR東日本 3月12日から一部路線で乗務員のスロープ介助スタート!(外部リンク:JR東日本)

試行対象駅:左沢駅(左沢線) 女川駅(石巻線) 東名駅・野蒜駅(仙石線※1) 郡山富田駅・磐梯熱海駅(磐越西線※2) 北中込駅・臼田駅・八千穂駅・馬流駅・松原湖駅・佐久海ノ口駅・甲斐小泉駅(小海線)

<ワンポイント解説>
2020年秋から国交省で「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関する障害当事者団体・鉄道事業者・国土交通省の意見交換会」が開かれていますが、このなかで車いす使用者に対し、乗務員がスロープ介助を行うことを提案してきました。JR九州では2月1日から香椎線で実施され、JR東日本では3月12日から一部路線ですが、実施されることになりました。車両にスロープを積んで乗務員が車いすの乗降介助を行うこの仕組なら、始発から終電まで事前連絡なく、待つこともなく乗降できるようになります。さらに全国の事業者に広がることを願って大注目です。

乗務員による車いす利用者のスロープ乗降介助!JR九州とJR東日本の一部駅でスタート!


注目!
第2回高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関するフォローアップ会議(日程未定)

<ワンポイント解説>
昨年、小規模店舗のバリアフリーガイドライン(建築設計標準)が策定されましたが、それを受けてフォローアップ会議が立ち上がりました。昨年10月に第1回が開催されましたが、今月、第2回が開催される見込みです。日本は建物のバリアフリー化が遅れておりますが、今後、促進していくために非常に重要な会議となります。

▽高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関するフォローアップ会議(外部リンク:国交省)


○注目!
パブリックコメントまとめ

1)3/2(水)まで!特急車両の車いすスペース基準改正へ

「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備並びに旅客施設及び車両等を使用した役務の提供の方法に関する基準を定める省令の一部を改正する省令案について」(外部リンク:e-gov)

<ワンポイント解説>

1月開かれた最終の検討会で「特急車両における新たなバリアフリー対策について」がまとまりました。これまでの基準は、車椅子席は2席(小さい車両は1席)でしたが、新幹線と同じ基準で、総席数 500席未満→3席以上、500席以上→4席以上、1001席以上→6席以上となります。

議論になったのは、100席未満と2両編成以下の車椅子席数です。特急車両は現在日本で1,040編成ありますが、100席未満は71編成 (6.8%)で、編成数で見ると、2両編成以下は、133編成(12.8%)あります。これらの車両はスペースが少ないため、車椅子席は2席も認めてほしいという意見があり、基本的には3席以上だが、2席も認めるということになりました。

このブリックコメントを経て、今春から新造される全国の特急車両は、この新しい基準が義務化されます。なお、現在運行されている車両については、新基準への適合が努力義務となります。

2)3/2(水)まで! 道路のガイドライン改訂へ

「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」の案に関する意見の募集について(外部リンク:e-gov)

<ワンポイント解説>

道路のガイドラインも見直されます。ポイントは、「旅客特定車両停留施設(バスタ)」と「ほこみち」の基準の策定です。バスタ新宿はターミナル駅に直結した新しい形のバスターミナルで、これまで基準がなく、2020年のバリアフリー法改正で旅客特定車両停留施設という新しい分類が出来ました。バスタは今後、全国10カ所程度で設けられる予定ですので、その基準を策定しました。トイレやエレベーターといったものの他に、UDタクシーの乗降場所、待合室での車椅子スペースの確保等が盛り込まれます。

「ほこみち」とは2020年に道路法が改正され、新たに創設された歩行者利便増進道路のことです。車道を減らすなどして歩道を広くし、そこにカフェやベンチを置いてゆっくり滞在できる空間をつくるというものです。こちらも障害者が利用できるように新基準が策定されました。

この道路のガイドラインも、2月にパブリックコメントが実施され、春から新基準に改訂される見込みです。

3)3/6(日)まで!住宅のバリアフリー基準の見直し

「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針の一部を改正する告示案に関する意見の募集について」(外部リンク:e-gov)

<ワンポイント解説>

住宅のバリアフリー整備基準は、この高齢者の法律に基づいた指針しかありませんでした。2009年に策定されたもので、立てる高齢者を想定しているようで、お風呂の段差も認めるなど不十分なものでした。2020年のバリアフリー法改正で附帯決議に検討すべきと盛り込まれ、このたび見直されることになりました。

1/27には第1回の検討会が開かれ、高齢者の指針の見直しとともに、障害者の住宅ガイドラインを策定することも決まりました。こちらはこれから年度をまたいで議論されます。

4)3/8(火)まで! 劇場等の車椅子席等基準を建築物特定施設に加える

「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則の一部を改正する省令案等に関する意見募集について」(外部リンク:e-gov)

<ワンポイント解説>

これまでは劇場等(コンサートホール、映画館、スタジアム等)のバリアフリー整備基準は、通路等の共有部分だけで、観客席の基準はありませんでした。今回の改正は国レベルでは新たな基準を設けるものではなく、変化はないのですが、自治体が条例で上乗せ基準を設けられるようにする改正です。みなさんの地元の条例で、国レベルを上回る基準の策定が可能となります。

5)3/18(金)まで! 役務等のガイドライン見直し

「公共交通機関の旅客施設・車両等・役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン」の改訂案に対する意見の募集について(外部リンク:e-gov)

<ワンポイント解説>

「共生社会の新しいモデルに関するガイドライン改訂案」と「特急車両におけるバリアフリー対策等に関するガイドライン改訂案」の2つがあります。前出の1)にも特急車両がありますが、あちらは基準の改正に対するパブコメで、こちらはガイドラインの文案に対するパブコメです。

6)3/17(木)まで!都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン改訂へ

「都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン【改訂第2版】」(案)に関する意見募集について」(外部リンク:e-gov)

<ワンポイント解説>

都市公園は全国に11万ヶ所ありますが、このバリアフリーガイドラインが13年ぶりに改訂されることになりました。トイレ、駐車場、野外劇場等の基準が見直されます。特に、出入り口に設置されている車やバイク等の侵入を止める車止め(バリカー)によって、大きな車椅子は入れないという問題がありました。こちらは、「有効幅を車止めの最上部まで90cm以上を確保したものとする」というように改められます。こちらも2月にパブリックコメントが実施され、春から新基準に改訂される見込みです。

権利擁護

◎大注目!
内閣府障害者政策委員会「障害者の権利に関する条約の実施状況に係る障害者政策委員会の見解」提出へ

※次回:3月4日(金)9:00~、3月24日(木)午後

<ワンポイント解説>
1月31日(月)に第61回が開かれ、障害者の権利に関する条約の実施状況に係る障害者政策委員会の見解を議論しました。これは8月に予定されている障害者権利条約の第一回対日審査に向けて、国内監視機関である内閣府障害者政策委員会が条約の実施状況の意見をまとめたものです。3月は1回だけの予定でしたが、多数の委員からの要請で、3月4日(金)の午前中に設定されました。権利委員会への意見提出とともに、障害者差別解消法基本方針の見直し、第5次障害者基本計画の策定の議論が始まる見込みです。

▽内閣府障害者政策委員会(外部リンク:内閣府)

教育

◎大注目!
3月5日(土)第6回DPIインクルーシブ教育推進フォーラム「世界のインクルーシブ教育の流れを地域へ!―現状と課題を考える―」

<ワンポイント解説>
国連障害者権利委員会による日本政府との建設的対話(審査)が、今年8月・9月の会期に予定されています。そして日本政府に対して総括所見が作成されようとしています。
そうした歴史的な節目を迎えるこの時期に、改めてインクルーシブ教育を実現するために何が課題なのかを考える集会を行います。
また学校バリアフリーに関するレポート、首都圏の障害当事者が参加するパネルディスカッションと、多彩な内容で行います。皆さんご参加お願いいたします!

▽お申し込みはDPIホームページからどうぞ

3月5日(土)第6回DPIインクルーシブ教育推進フォーラム「世界のインクルーシブ教育の流れを地域へ!―現状と課題を考えるー」

国際協力

◎大注目!
JICA国別障害関連情報が更新されました。(外部リンク:JICA)

<ワンポイント解説>
JICAが障害分野で関わった国を中心に、基礎指標、障害関連政策(行政制度、法律、施策、CBR/IL、マラケシュ条約、コロナの影響)、障害当事者団体、障害者支援団体にわけて情報をまとめています。DPI日本会議からの情報提供もありましたし、作成には元事務局メンバーの堀場さんを中心にコンサルタント会社が協力しました。


○注目!
シンガポールで処刑の危険にさらされているマレーシア人の知的障害者

<ワンポイント解説>
前号でお知らせした、麻薬所持の疑いでシンガポールで処刑の危険にさらされているマレーシア人男性のナガエントラン・K・ダルマリンガムは、手続きでの合理的配慮を受け取っていなかったのに、一旦延期になっている抗告公判が3月1日に再設定されたそうです。
1996年に麻薬密売でシンガポールで絞首刑に処せられた知的障害の青年のケースもあるので、まだ予断はゆるしません。

▽関連ニュース(外部リンク:The News Lends)


△よかったら見て
令和3年度の障害者白書の英語版(外部リンク:内閣府)

<ワンポイント解説>
Annual Report on Government Measures for Persons with Disabilities (Summary) 2021として、障害者白書の英語版が出ています。日本語本文の全訳ではありませんが、日本の障害行政の全体像がわかります。次号2022版は6月に発行の予定です。

障害女性

◎大注目!
緊急!!大阪高裁判決の上告阻止運動にご協力をお願いします!

2月22日(火)大阪高裁判決は、1審判決を変更し、原告側勝訴を言い渡しました。国家賠償を認めた全国初の判決です。

▽DPIが出した声明文は以下

旧優生保護法訴訟の大阪控訴審判決に関するDPI日本会議声明

国が3月8日(火)までに最高裁判所に上告しなければ、この判決が確定します。これは大阪の原告だけでなく、各地の裁判に大きな影響を与えることとなります。

高齢の原告たちに大きな負担となっている裁判を一刻も早く終わらせ、謝罪と補償を含む全面的解決を実現させましょう。

以下のアクションにご協力をお願いします!

「優生保護法被害国家賠償請求訴訟 大阪控訴審勝訴判決を受けての緊急院内集会(仮)」

3月4日(金) 12時00分~14時00分(予定)

参議院議員会館B109号室(地下1階食堂前)

一般参加者はzoom参加でお願いします。

トピック: 3月4日緊急院内集会

時間: 2022年3月4日 12:00 AM 大阪、札幌、東京

Zoomミーティングに参加する

ご参加はこちらから

(パスワードなし)

ミーティングID: 820 9485 5435

なお、3月8日(火)までに国が最高裁判所に上告、あるいは断念を決定した場合は、内容が変更となったりします。また以下の取り組みは一旦終了となりますので、一刻も早いアクションをお願いします!

1.政府に対する個別要請

おおさか旧優生保護法を問うネットワークが、「旧優生保護法被害裁判の大阪高裁判決に対し、上告しないでください」のファックス送付用原案を作成してくださいました。

▽ダウンロードはこちらから(ワード)

▽ダウンロードはこちらから(PDF)

こちらを内閣総理大臣、厚生労働大臣、法務大臣へファックスやメールで送ってください。

文章はご自身で伝えやすいようにアレンジしてくださって構いません。

▽要請文はこちらからもダウンロードできます。

◇送り先:

内閣総理大臣 岸田 文雄 様(ファックス:03-3592-0179)

厚生労働大臣 後藤 茂之 様(ファックス:03-3595-2680)

法務大臣 古川 禎久 様(ファックス:03-3592-7393)

▽首相官邸(外部リンク)

▽内閣官房(外部リンク)

▽厚生労働省(外部リンク)

▽法務省(外部リンク)

2.オンライン署名

「強制不妊訴訟不当判決にともに立ち向かうプロジェクト」のメンバーが、緊急オンライン署名を立ち上げてくださいました。

▽【緊急署名】 #優生保護法大阪高裁判決に上告しないでください(外部リンク:Change.org)

署名はこちらから

こちらは第一次締切を2月28日としていました。3月1日(火)に弁護団が国に要請書を提出する予定なので、それまでにできるだけたくさんの署名を集めておき、アピールしたいと思います。

今回はネットでの署名のみです。初めての方もぜひチャレンジしてくださると幸いです。

こちらもぜひ拡散してください。

3.ハッシュタグ「#優生保護法大阪高裁判決に上告しないでください」の拡散

現在、このハッシュタグを拡散中です。

#優生保護法大阪高裁判決に上告しないでください

TwitterやFacebook、Instagramなどで賛同のメッセージを投稿したり、ニュースのシェアをしたりするときには、こちらのハッシュタグをつけて発信してくださるとうれしいです。

ハッシュタグ#を使って発信すると、そのハッシュタグごとに発信内容をまとめることができ、同じハッシュタグを使って発信している人の声を見ることができます。

たくさんの人が同じハッシュタグを使うことで、その意見に賛同している声がたくさんあることを可視化することができます。

ほかにも、

#いのちを分けない社会へ

#国は旧優生保護法の責任をとれ

のハッシュタグも使っています。関連の投稿には合わせてご活用ください。


◎大注目!
大阪高裁に続く、全国2例目の高裁判決となります!

3月11日(金)東京高裁判決 北三郎さん(仮名)101号大法廷

○注目!
今後の裁判日程

2022年

★情報公開請求裁判
3月15日(火)第7回期日14:30~

以上


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