障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

【報告】差別解消法の改正を考える集い ここを改正しよう!障害者差別解消法!

2020年04月03日 地域生活イベント権利擁護

去る3月18日(水)、参議院議員会館において、「差別解消法の改正を考える集い ここを改正しよう!障害者差別解消法!」を、全国手をつなぐ育成連合会、全国地域生活支援ネットワーク、DPI日本会議の3団体で開催いたしました。

当日はコロナウイルス対策として、①会場内の消毒、②入口への消毒液の設置、③参加者全員へのマスク配布、④会議中の部屋の十分な換気を行いました。

写真:会場を消毒している様子

◆主催者挨拶

まずは、主催者を代表して辻直哉(DPI日本会議事務局次長)の挨拶。

2016年4月の施行から4年。合理的配慮など、当時としては画期的な法律であった。それにより差別事例が表面化してきたのは良いことだが、なかなか解決に結びついていない。今回の法改正において必要なことは何か。

内閣府審議会である障害者政策委員会のメンバーがどれだけ発言しても、それがなかなか取りまとめに反映されないのはなぜか。国会議員の方々もみえているので、みなさんと一緒に議論をして、国会でもこの問題を大きく取り上げていただきたい、と開会しました。

来賓の方々

駆けつけてくださったのは、次の国会議員、秘書の方々です(順不同)


写真:自民党 古川康衆議院議員

写真:公明党 山本博参議院議員

写真:立憲民主党 早稲田ゆき衆議院議員

写真:自民党 滝波宏文参議院議員

写真:国民民主党 横沢高徳参議院議員

写真:国民民主党 小宮山泰子衆議院議員

写真:自民党 宮路拓馬衆議院議員

写真:金子恵美衆議院議員

写真:立憲民主党 黒岩宇洋衆議院議員

写真:立憲民主党 道下大樹衆議院議員

自民党衛藤晟一参議院議員政策秘書の北村様も駆けつけてくださいました。

いただいたメッセージをいくつかご紹介します。

古川康衆議院議員(自民党、元佐賀県知事、障害者特別調査会事務局長):

何かあったときに、どこに相談したらいいかわからないという状態にならないよう、国にもワンストップ相談窓口が必要。地方にできて国にできないはずはない。その結果として、最終的には差別のない社会を実現していこう。

早稲田ゆき衆議院議員(立憲民主党、障がい者・難病に関するプロジェクトチーム事務局長):

政策委員会には当事者の方も入って議論したが、なかなか厳しい内容であった。残念。政策委員会の8名の方から連名で意見案を出してもらったので、国会はそれをしっかりと受け止め、とくに声をあげにくい知的・精神障害の方などからも意見を伺いながら、良い改正になるように超党派で取り組みたい。

▽政策委員8名連名の意見案はこちら(ワード)

小宮山泰子衆議院議員(国民民主党、障害者難病政策推進議員連盟事務局長):

なによりも障害者差別解消法であり、また障害者の権利条約。ここからすべては端を発している。障害となっている制度があるなら、それは私たちが直していく。個性を認めあえる本当の意味でゆたかな日本を作りたい。

障害者差別解消法改正の議論の経緯、意見案の報告

その後、「障害者差別解消法見直しの状況」と題して、政策委員会委員でDPI日本会議事務局長の佐藤聡より、政策委員会における議論(取りまとめ事務局から出された4つの論点)とその問題点などを解説。日本は障害者権利条約を批准し、その効力は生じている。まずはそれを踏まえて取りまとめを!と訴えました。

▽資料 「障害者差別解消法見直しの状況」(PPT)

1. 差別の定義・概念

現行の障害者差別解消法では「差別」とは何かが明記されていない。差別の定義・概念をより明確化することについて、どう考えるか。

2. 事業者による合理的配慮

事業者による合理的配慮の提供は努力義務とされているが、事業者の取り組みを促すための方策について、どう考えるか。

3. 相談・紛争解決体制

個別事例の把握に資するとともに、障害を理由とする差別の解消を効果的に推進するための相談・紛争解決体制の在り方について、どう考えるか。

4. 障害者差別解消支援地域協議会

障害者差別解消支援地域協議会の設置を促進するとともに、活性化を図るための方策について、どう考えるか。

鼎談「ここを改正しよう!障害者差別解消法!」

そしてプログラムは、メインの「ここを改正しよう!障害者差別解消法!」へ。

障害者政策委員会委員より久保厚子さん(全国手をつなぐ育成会連合会会長)と北岡賢剛(けんごう)さん(全国地域生活支援ネットワーク顧問)のお二人と、内閣府障害者施策アドバイザーでDPI日本会議副議長の尾上浩二が鼎談しました。

知的障害をもつ息子さんを授かったことをきっかけに、知的障害児者の人としての幸せと自立を求める活動を続けてこられた久保厚子さんからは、家族やきょうだいも強い差別を受けている。その課題も記述すべきなど、当事者以外の関係者に対する差別についても問題提起がありました。国は共生社会を目指そうといっている。

障害者だけではなく、お年寄りも子どもたちも、生活に苦しい人、困り事をもった人もみんな、社会で助け合いながらその人らしく生活する社会をつくりましょうというのが謳い文句になっている。

であるとすれば、そこに国はお金を投入するべきだし、ひとりひとりが知恵を出し合い、力を出し合い、時間を出し合い、支え合いながらそういう社会を作ることが大事です、と。

知的障害のある人の入所施設で長く仕事をしていたという北岡賢剛さん。Ⅰ型糖尿病(難病)を発症し、その合併症で視覚障害者となった、ある女性との出会いからお話は始まりました。目が見えなくなった後に妊娠したところ、親からも医者からも、「あなたは母親にはなれないから(障害があって育てられるのか?)」と中絶を勧められた——、女性のそれまでの人生について長い時間をかけて話してくださったそうです。

そんな話を聞きながら、ご自身のそれまでの施設での仕事を振り返って、強烈に反省したといいます。すごく恥ずかしいことだけど、障害のある人は結婚しないほうが良いと、実は僕は思っていたのではないか。

施設内の恋愛を上手に回避するということも仕事の一つとしてやってきた。とくに知的に障害を持つ人たちが結婚するということは、育児も大変だし、無理なんだろうなと。そして、女性であり障害があるということの複合差別。障害のある女性が子どもを産み育てることを支える施策の必要性を、強く訴えていらっしゃいました。

障害者自立支援法のときから10数年、意見の対立などもありながら議論を続けて乗りこえてきた。この3団体で共催できたことは嬉しいと、感慨深そうに語っておられました。そして、何かを糾弾するのではなく、障害にまつわる人たちの差別解消のために一緒に頑張っていこうという運動論であり続けたいと。

最後に、アドバイザーとして、発言したいのをこらえてジリジリ見ているという尾上浩二。障害者差別解消法ができるきっかけとなったのは、実は、2013年2月のアメニティーフォーラム(in 滋賀)の深夜セッションでした。

そこで「差別解消法をつくろう!」と意気投合し、自民党、公明党、民主党のヒアリングを経て、わずか4ヵ月後の6月には障害者差別解消法が成立! なんてスピーディーな展開! この2月の3党合意がなければ、未だに差別解消法を作れ作れ、と騒いでいた可能性が大いにあったとの話。タイミングというのはとても大事ですね。

パワーポイントを用いて、差別解消法の見直しと課題とその背景についても詳細に解説致しました。また、政策委員会事務局によって出されたとりまとめ案に対する意見案は資料として配付しました。以下をご参照ください。

▽差別解消法の3年後見直しと課題(PPT)

▽政策委員8名連名の意見案はこちら(ワード)

指定者発言

つづいて指定発言者として、障害当事者の弁護士の立場から野村茂樹さん。「だからどうするねん」というところがないと、とりわけ国による地方への丸投げの問題があげられました。

紛争解決の権限が法律で明確化されていないことにより、地方公共団体の条例で設置している相談窓口では「聞いておきますね」で終わらされてしまうという現状がある。まずは独立した人権機関をつくることが不可欠と強調されました。

次に同じく黒岩海映弁護士からは、日弁連では2001年より障害者差別禁止法の成立を目指して活動していること、今回の差別解消法の見直しに向けての意見書も出していることなどが紹介されました。

▽日本弁護士連合会の障害者差別禁止法制の見直しを求める意見書はこちら(外部リンク)

◆質疑応答

最後にわずかな時間となってしまいましたが、会場の皆さんからもご質問、ご意見をいただきました。

「お金(財源)のことが気になっている。諸々の施策を推し進めるだけのものを国がもっているのか疑問」「差別解消法の合理的配慮提供の義務化は大事だが、どういうことが人権侵害にあたり、それをすると何が起きるのかなど、まだまだ知らない人が多い」

「JR東日本では、関東の都市部にある83駅で、合理化により駅員不在の時間が設けられた。乗降に介助が必要な車いす利用者は前日に連絡をしなくてはならなくなった」など、幅広い視点からのご意見をいただきました。ありがとうございました。

DPI差別解消ピアサポート 金子なおか

DPIへご寄付をお願いします!

賛助会員募集中です!

LINEで送る
Pocket

現在位置:ホーム > 新着情報 > 【報告】差別解消法の改正を考える集い ここを改正しよう!障害者差別解消法!

ページトップへ