公園のバリアフリー整備ガイドラインが見直されます！（第1回都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン改訂委員会報告）

2021年11月11日バリアフリー

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青空と緑の公園

「都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン」は、2008年に策定され、2012年の改訂以降見直されておりませんでしたが、今年度中に改訂することになりました。公園の義務基準は「都市公園移動等円滑化基準」で、今回改定するガイドラインはその下に位置するもので、義務の基準ではありませんが、具体的な整備基準を定めた重要なものです。

９～10月に障害者団体・地方公共団体へのヒアリングが実施され、11月５日（金）には第１回の改訂委員会が開かれました。構成員は学識経験者７名、障害者団体11名、地方公共団体２名です。第１回委員会での主な内容を報告します。

都市公園のバリアフリー化の状況

都市公園のバリアフリーの整備は、①園路及び広場、②駐車場、③便所の３つでデータが取られています。現状は便所（バリアフリートイレ）の設置率が37％と低く、園路も59％しか整備されていません。2025年度までの目標は概ね60-70％となっています。

	2019年度	2025年度（目標）
①園路及び広場	59%	70%
②駐車場	50%	60%
③便所	37%	70%

主な検討課題

以下の４点が掲げられました。東京オリパラで進展した当事者参画と、DPIが改善を求めている公園入り口のバリカー（車止め）の改善も課題に挙がっています。

改正バリアフリー法への対応
当事者参加の推進への対応
「多機能トイレ」の利用集中、多様な利用者特性への対応
車止めにより車椅子使用者等が通行できない出入口の改善

アンケート結果

地方公共団体のアンケートでは、都市公園のバリアフリー化の課題として、予算が一番多く、次にバリアフリー化の知識・ノウハウの不足、担当部署の人手不足でした。また、当事者参画を実施したことがある公園（小規模公園）は、新設で３、改修で４しかありませんでした（総数93）。

主な改定方針

１．改正バリアフリー法への対応

（１）適正利用推進のための広報・啓発の努力義務化

第３章（都市公園の情報提供・利用支援に関するガイドライン）に追記

２．計画・設計段階からの当事者参画の推進

計画・設計段階からの高齢者・障害者等への意見聴取の重要性を追記

３．（１）バリアフリートイレの機能分散の推進

多機能便房が担ってきた機能を便所全体で分散して果たすことを明記。
男女トイレそれぞれにおむつ交換台を設置、異性介助者の利用、性的マイノリティの利用への配慮、大型ベッドの設置。
一般便房等を高齢者・障害者等が使用することを念頭に、「便所全般の基準」の記載を充実

４．車椅子使用者等が円滑に移動できる出入り口の改善

車椅子使用者等の円滑な通行の確保のため、車止めの形状・配置に関する記述を見直し

５．ガイドラインの読みやすさの向上

現行の「○標準的な整備内容」「◇望ましい整備内容」に加え、法律や移動等円滑化基準に関する事項について「◎移動等円滑化基準に基づく整備内容」の区分を設けて記載

６．その他（第２回委員会で検討）

（１）車いす使用者用駐車施設の見直し

車椅子使用者用駐車施設の適正利用を推進するため、ゼブラゾーン込みの有効幅の記載を見直し
「車椅子用リフト付き福祉車両」の乗り降りに配慮した記載を充実

（２）高齢者・障害者等の困りごとを踏まえた標識の見直し

標識を配置する場所、表示方法、表示する情報内容の記載を充実

DPIの意見

DPIからは以下の５点を発言しました。

公園全体のバリアフリー整備が必要。一部しか行けないのではなく、基本的に全てのところに行けるようにしてほしい。バリアフリールートの複数化が必要。
出入り口に様々なタイプのバリカーが設置されているが、車いすで入れないものがあり、改善が必要。
バリアフリートイレは複数設置が必要。
屋外劇場、屋外音楽堂、テニス、野球、陸上競技場等が併設されている場合は、観覧席の車椅子席の基準が必要。最低基準を設けて、複数設置を。
当事者参画でモデルとなる公園を作って欲しい。新国立競技場は多様な障害当事者を構成員としたユニバーサルデザインワークショップ（UD/WS)を実施し、整備を進めた。このように、公園も当事者参画でUD/WSを実施し、モデルとなる公園を作って欲しい。（これに関しては複数の委員から賛同する意見が出ました）