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今注目されてるMaaSとは?期待できる事と課題
(第3回ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策についての研究会報告)

2021年02月18日 バリアフリー

街とネットワークのイメージ

 2月17日、第3回ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策についての研究会がオンライン形式で行われました。

 「MaaS(Mobility as a Service)」とは、ICT を活用して、マイカー以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐというものです。本検討会では先進的な取り組みを進めている民間事業者と障害当事者団体が参加し、障害者等の移動が困難な交通サービスの利用者に対して、一人一人のニーズに対応するためのMaaSのあり方について検討しています。

▽参考:ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策についての研究会を始動!~バリアフリーの視点からMaaSの利便性向上を検討します~(外部リンク:国交省HP)

▽第1回会議の報告はこちら

▽第2回会議の報告はこちら

 今回は障害者からヒアリングを通じて得られた困りごと等を、MaaSの特性である「①情報の連携」、「②予約・決済の連携」、「③サービスの連携」の3つの分類に類型化し、各項目について検討を行いました。

情報の連携

 まず、①情報の連携についてはMaaSを活用することによって下記のことが期待できます。

■旅程・行動計画検討時

 目的地までのルート・経路検索時に、駅やバス停、ターミナル、港等の経由地点における関連する情報(バリアフリー設備の情報や、人的支援に関わる情報)を一覧で閲覧することができる。

 目的地までのルート・経路検索時に、坂道やエレベーター、工事等を考慮した移動ルートや、ノンステップバスやUDタクシー等を利用した経路を検索・表示できる。

■移動中

 坂道やエレベーター、工事等を考慮した移動ルートでルート案内を行うことができる。

 運転見合わせや欠航等が発生した場合にも、坂道やエレベーター、工事等を考慮した代替ルートでルート案内を改めて行うことができる。

 災害発生時の坂道やエレベーター、工事等を考慮した避難ルート等の案内を行うことができる。

■課題点

Ⅰ.データの連携及びその連携方法

 各事業者において情報及びデータの整備は一定程度進んでいるが、MaaSでの対応に向けてはそれらの連携を事業者同士でどのように行うか。

Ⅱ.公開するデータの範囲等に関わる関係者間の調整

 提供したデータは、誰でも利用可能な状態にするか/データの利用者に応じて判断を行うか。
⇒ 事業者間で連携すべき情報・データの種類及びその提供方法を示すことが必要。

Ⅲ.データの更新及びその更新方法

 バリアフリー設備や人的支援等の有無及び利用可否については、重要な情報であることから、その情報の更新等をどのように行うか。
⇒ 現時点では事業者によって、情報・データの整備状況等が異なる状況にあることから、連携を優先して行う地域・エリア等を示すことも必要。また、連携すべき関係者が多いことから、更新する方法も含めて検討が必要。

 これらについて出席した委員からは、「データ化することで課題点か可視化できることは良いが、データ化が困難な事業者への対応も検討が必要」との意見が出ていました。

予約・決済の連携

②予約・決済の連携については、下記が期待されています。

・MaaSで利用されているキャッシュレス決済等を用いて、各交通モードを利用することが出来る。
・MaaSにおける予約・決済時に、障害者割引がスムーズに適用される。

■課題

Ⅰ.障害者割引適用に必要な障害者情報の登録・確認手段

予約時及び改札等における決済時に、障害者割引をスムーズに適用するために、障害者情報をどのように登録するか。登録した情報をどのように確認・認証するか。

Ⅱ.複数の交通手段が関係する乗車券等における障害者割引のMaaSへの導入

MaaS等で提供される乗車券等において、どのように障害者割引を導入するか。
⇒ 上記のような課題を解決するためには、事業者間における障害者割引運賃制度の連携のほか、マイナポータルの自己情報取得 API等の活用や、それによる利用者情報の連携等に関する進捗を見守る必要。

「スルッとKANSAIが出来ていることを他の地域で出来ないのはなぜか。技術面の課題もあると思うが、工夫や努力をして進めていって欲しい。」との意見もありました。

サービスの連携

③サービスの連携については、乗降時・乗換時等に特段連絡なく、事業者間で円滑かつ適切に情報が共有され、必要な支援等が受けられる等、自由でスムーズな移動を行えることが期待されています。

■課題

Ⅰ.利用者情報の登録・確認手段/授受及び連携方法

障害者情報をどのように登録するか。登録した情報をどのように確認・認証するか。
事業者間で利用者情報を連携するための仕組みをどのように構築するか。新たな仕組みが必要となるのか。

Ⅱ.利用者情報の連携に係る個人情報保護

 事業者間でやり取りされる利用者情報の個人情報をどのように保護・担保するか。また、利用者情報を事業者間でどのように連携するか。
⇒ 上記のような課題を解決するためには、マイナポータルの自己情報取得 API等の活用や、利用者情報の連携等に関する技術進展、個人情報保護を含む連携のための仕組みの構築等が必要。

 委員からは、「顔認証システムは車いす使用者の高さにも対応できる位置を検討が必要」、「視覚障害者が配車サービスを利用した際等に到着を音で知らせるような配慮が必要」との意見が出ていました。

その他にも、

等の意見が出ていました。

 次回の検討会は3月23日(火)で、本研究会での議論を踏まえ、MaaS関連データの連携に関するガイドラインに必要な項目等について反映・見直しを行う予定となっています。

傍聴した感想

 「MaaS」という言葉は一般的な生活を送っている私たちには聞き慣れない言葉でとても難しいイメージがありますが、実際には生活のあらゆる情報と密接に関わっており、普段私たちが「こうなったら良いな」と感じていることを実現するための重要な情報システムなのだとわかりました。

 出席した委員の発言で、「MaaSは健常者だけのためのものではなく全ての人が使えるユニバーサルなものであるべき」という言葉が印象的でした。私も「全ての人が使えるかどうか」を意識しながら取り組んでいきたいと感じました。

報告:工藤登志子(バリアフリー部会)

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