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移動をもっと自由に楽しく――第2回ユニバーサル社会における「MaaS」の活用方策についての研究会

2020年12月09日 バリアフリー

 

 12月1日、第2回ユニバーサル社会における「MaaS」の活用方策についての研究会がオンライン形式で行われました。

 「MaaS(Mobility as a Service)」とは、ICT を活用して、マイカー以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとしてシームレスにつなぐというものです。本検討会では先進的な取り組みを進めている民間事業者と障害当事者団体が参加し、障害者等の移動が困難な交通サービスの利用者に対して、一人一人のニーズに対応するためのMaaSのあり方について検討しています。

▽参考:ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策についての研究会を始動!~バリアフリーの視点からMaaSの利便性向上を検討します~(外部リンク:国交省HP)

今回は、出席した民間事業者から取り組みが紹介されました。

〇日本航空株式会社、WHILL株式会社「羽田空港における自動運転車いす導入」

 “すべての人の移動を楽しくスマートにする”というコンセプトのもと、株式会社WHILLが開発・製造した自動運転車いすを羽田空港内で導入しています。高齢者や足腰が不自由な人が空港内で移動するためだけでなく、海外からの来訪者が言葉の壁なく使える等、必要とする全ての人の利用を対象としている点が新しいと感じました。

今後の課題は

で、利用者の声を集めながらプロジェクトを進めていきたいとのことでした。

〇株式会社ゼンリン

 地図データベースの管理、提供を行っている株式会社ゼンリンでは、MaaSに最適化した交通ネットワークの開発に取り組んでいます。現時点でMobility based Networkの全国整備を完了し、バス・タクシー乗場等の交通結節点の整備対応中とのことです。

 これにより、利用者はスマートフォン等を使ってバリアフリー情報を得られるだけでなく、交通事業者との直接のやり取りも可能となり、利用者・交通事業者双方向によるバリアサービスの実現が期待されています。

〇東京地下鉄株式会社 「東京メトロが取り組む大都市型MaaS「my! 東京MaaS」について」

 東京メトロでは、“MaaSを通じて東京をもっと移動しやすく”、“多様なパートナーとの連携を通じて、もっと「わたしだけ!」を目指す”を基本コンセプトに一人ひとりの移動・ビジネス・生活を支え、都市の安心と活力を高める取り組みを行っています。

〇東日本旅客鉄道株式会社 「お客さま乗降連絡アプリ」

 車いすユーザーが鉄道を利用する際の課題として、駅同士の情報連携ミス等により降りたい駅で降りられなかったり、自力で降車しようとして怪我をしてしまったり、といったケースがあります。これまでメモを書いて伝達したのですが、書き間違いなどが結構あったそうです。

 タブレット端末を利用することによって、駅員や乗務員での情報共有ができ、スムーズでスマートな情報伝達が行えるようになると期待されています。最初に南武線で導入され、2020年は京葉線に導入、今後は山手線にも導入予定で、2021年以降は首都圏主要線区へ順次拡大を検討しています。

〇株式会社ミライロ

 障害者手帳を電子化し、スマートフォンで表示、更新が可能となるプロジェクトを進めています。また、ミライロIDでは所有する障害者手帳の登録、使用する福祉機器等の登録、障害特性に応じた情報の取得が行えるようになるとのことです。これにより障害者割引の手続きがスマートになる他、不正利用も防ぐことができます。

 出席した委員からは、これら全ての取り組みがつながると素晴らしい、事業者同士で共有して欲しい等の意見が出ていました。

 DPIの佐藤事務局長からは、国交省が作成した「MaaS関連データの連携に関するガイドライン」で示された項目について、駅の段差・隙間の解消情報を追加して欲しいと伝えました。

 今後は「MaaS関連データの連携に関するガイドライン」に盛り込むべき項目について意見を募集し、今年度中に行われる次回検討会でまとめるとしています。

感想

 今回の検討会を傍聴してみて、各民間事業者が進めている取り組みはこれまで障害当事者が要望してきた声を反映してくださっているように感じました。今後もお互いに連携しながら開発を進めて頂きたいと思います。そして全ての人にとって使いやすいサービスとなることを期待しています。

▽参考:第1回ユニバーサル社会における「MaaS」の活用方策についての研究会

バリアフリー部会 工藤登志子

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