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【報告】「北海道における地域生活の現状と私たちの描く未来」北海道タウンミーティング(キリン福祉財団助成事業)

2023年07月10日 障害者権利条約の完全実施

佐藤の講演

去る6月24日(土)にオンラインにて、キリン福祉財団助成金事業として「北海道における地域生活の現状と私たちの描く未来」と題して、タウンミーティングを開催しました。オンラインによる開催のため、57の接続があり、1つの接続から複数の参加をいただきました。

講演
『総括所見を活用し、国内法のバージョンアップを進めよう!』

前半の講演は、DPI日本会議事務局長の佐藤聡より『総括所見を活用し、国内法のバージョンアップを進めよう!』と題し、大きく4つのことをお話しました。一つは障害者権利条約について、日本が批准するにあたり取り組んできたことや批准した国に課せられている審査に向けての報告、および市民団体からのパラレルポート等について話しました。

二つ目はJDFの取組みとして、パラレルポート作成過程や審査に向けたロビーイング活動等が紹介されました。

三つ目に総括所見の内容、懸念93、勧告92、留意1、奨励1が出され、他国より最も多い総括所見の数であり、早急に取り組まなければならない分野が、「脱施設・地域移行」及び「インクルーシブ教育」であることが示されました。

その他、勧告では5条平等及び無差別、6条障害のある女子、9条施設及びサービス等の利用の容易さ、12条法律の前にひとしく認められる権利、14条身体の自由及び安全、17条個人をそのままの状態で保護すること(旧優生保護法)、19条自立した生活及び地域生活の包容、24条教育、33条国内における実施及び監視もあったことが紹介されました。

最後に今後について、次回の我が国の審査の2028年に向けてDPI行動計画の策定、地域フォーラムの開催、各省庁への働きかけ、選択議定書の批准と国内人権機関の創設、そして国内法のバージョンアップへの展望が示されました。

パネルディスカッション

後半のパネルディスカッションでは、「北海道における地域生活の現状と私たちの描く未来」のテーマに基づき、障害当事者、家族、支援者、行政の各々の立場から報告を頂戴しました。

身体障害者の立場から、DPI北海道ブロック会議副議長の紺野より4~38歳まで入所施設と養護学校での暮らしであり、集団生活では自己決定・自己選択ができない状態だったこと、自立生活へのきっかけはロールモデルがおり、「目から鱗が落ちた」思いだったことが話されました。

DPI北海道の紺野順子

 

また、現在の自立生活の課題は、脱施設と言われているがヘルパー不足により、施設を選ばざるを得ない現状と北海道は広域なことから地域間格差があることも話されました。

次に知的障害者の立場から、一般社団法人旭川手をつなぐ育成会本人副会長兼青年部ひばりサークル会長の菅原さんより小中学校では特別支援学級で過ごし、高等養護学校を卒業後に、クリーニング屋で働いたがハラスメントにあった経験が話されました。

菅原さん

しかし現在は別のところで働いており、職場での人間関係や将来の夢についても話されました。

家族の立場から、北海道重症心身障害児(者)を守る会在宅部会会報編集委員の大内さんより「北海道重症心身障害児(者)を守る会」で行った成人後の暮らしのアンケート結果について、家族介護が基本となっている現状での親亡き後の本人の暮らしの場がないこと等が語られました。

大内さん

一方で「住み慣れた地域で」と思うが、医療的ケアがあり、大型の車イスを使用する本人を受入れるグループホームがないこと、意思決定支援の仕組みがないこと、重度訪問介護を利用してのシェアハウスも考えるが、親だけでは難しい現状であることも話されました。医療型の入所施設を選ばざるを得ない、切実な思いが語られました。

支援者の立場から、医療法人薪水浦河ひがし町診療所副院長/ソーシャルワーカーの高田さんより精神障害者の支援における「浦河べてるの家」の取組みについて、話されました。

高田さん

かつては、浦河日赤十字病院精神科病棟が130床ありましたが、過疎化による医療スタッフの不足により、一般の診療科や救急医療の維持の課題、空きベッドと病院経営の問題等があったことが話されました。その後2014年に精神科病棟を閉鎖し、精神障害の当事者は浦河町に地域移行し、デイケアに通っていたが現在は、仕事をしたり、生活介護を利用し、当事者の力を地域に還元しており再入院した事例がないことも話されました。また、支援する側の意識改革も重要であることも語られました。

行政の立場から、北海道保健福祉部福祉局障がい者保健福祉課長の徳田さんより北海道における地域移行の取組み、北海道障害者条例での地域づくりコーディネーターによる支援体制、地域生活拠点の整備、グループホームの整備などが話されました。

徳田さん

課題として、障害支援区分が低い人から地域移行が進んでおり、障害支援区分が高い人の地域移行が進まないこと、北海道という広域による社会資源の偏在や過疎化による人材不足等も話されました。今後については、障害福祉計画等での評価や次期計画の策定についても話されました。

最後に、今回の総括所見では医療的ケアに関することの指摘がないこと、また、永岡文科大臣から特別支援教育は中止する気はない旨の発言と、加藤厚労大臣から総括所見に触れての発言で、前置きして法的な拘束力ない旨の発言があったことも話されました。これらを踏まえて、今後、日本国憲法第98条に「条約の尊守」があり、他の条約での勧告も守っていないことの指摘等、国会議員等を巻き込んでの運動が必要であることが示されました。

報告:山崎 恵(DPI北海道ブロック会議)


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