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【たくさんの事例ありがとうございました】医療行為の告示についてのご報告

2021年05月07日 地域生活

障害当事者のイメージ写真

3月下旬に「厚労省告示89号:厚生労働大臣が定める医療行為は、次に掲げるものとする。」ということで、次の12項目が挙げられました。

①気管切開の管理
②鼻咽頭エアウェイの管理
③酸素療法
④ネブライザーの管理
⑤経管栄養(経鼻胃管、胃瘻、経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻又は食道瘻によるも のに限る。)
⑥中心静脈カテーテルの管理
⑦皮下注射
⑧血糖測定
⑨継続的な透析
⑩導尿
⑪排便管理(消化管ストーマの管理又は摘便、洗腸若しくは浣腸(医療行為に 該当しないものとして別に定める場合を除く。)の実施に限る。)
⑫痙攣時における座薬挿入、吸引、酸素投与又は迷走神経刺激装置の作動等の処置

これら(法制化した吸引と経管栄養を除く)は国の法制度ができる前から在宅の障害者は介助者が行ってきたもので、介護保険、支援費制度、障害者自立支援法、障害者総合支援法と色々と法制度が作られていく中で、厚労省との話し合いでグレーゾーン(医師法第17条の医行為に該当するかどうかは曖昧にしておいたもの)として、訪問系サービスで行ってきた経緯があるので、今回急にこのような告示が出されたことに驚き、JIL、DPI等では緊急時例募集を行いました。

たくさんの事例をお送りいただき、ありがとうございました!

【緊急事例募集のお願い!】「厚生労働大臣が定める医療行為」により、重度障害者の在宅ケア(医療的ケア)がピンチに⁈

同時進行で各団体が働きかけていただいた結果、厚労省(障害福祉課)は「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.2 (令和3年4月8日)」(P16)で「同告示は、従来より看護職員加配加算等の算定の対象となってきた「医療的ケア」について、障害児通所支援における医療的ケア児に係る基本報酬等の算定対象とする上で、改めてお示ししたものであるが、「医療行為」の範囲について新たな解釈をお示しするものではない。」と、グレーゾーンの存続を意味するQ&Aを出してくれました。

▽令和3年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.2(PDF)

さて、この告示が出された背景は2つあったようです。一つは医療的ケア児支援法案の定義、もう1つの背景は、児童発達支援事業及び放課後等デイサービスにおける看護師の行う医行為の判定スコアができたので、そのための通知ということのようです。

「医療的ケア児」への支援を行う施設への加算のために「医療的ケアの判定スコア」を作る→スコアにともなう行為の範囲を作る必要性→今回の告示という流れです。

医療的ケア児支援法案を中心になって進めてきた与党議員も、厚労省も在宅でのグレーゾーンを狭める意図はなかったようで、私たちの指摘を受け、告示89号が在宅の障害者のグレーゾーンに影響しないように協力してくださるとのことです。

これでまずは大きな混乱は抑えられたのですが、今後、国も自治体の担当者も経緯を知らない人に変わっていくうちに、先々影響が出てくる危険性はあるとの危惧は残っています。

根本的解決をするにはさらなる対策が必要なのですが、ここは気をつけないとかえって規制が強化されかねないので、厚労省と丁寧な話し合いと確認を行っていきたいと思います。

今村 登(DPI日本会議事務局次長、JIL副代表)

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