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「分けない教育」の実現へ。豊中市の共生共学の実践から群馬の未来を考えました!(「2025 タウンミーティング in ぐんま」開催報告)

2026年03月06日 イベントインクルーシブ教育

集合写真

2026年2月21日(土)本タウンミーティングを、2022年に国連障害者権利委員会から日本政府に出された総括所見(インクルーシブ教育の強い要請)を受け、地域でどのような「分けない教育」が可能かを共に考えることを目的に開催しました。

当日は、長年「共生共学」を実践している大阪府豊中市から講師を招いた講演や、行政報告、シンポジウムが行われました。

冒頭、共催した群馬県の山本一太知事と、後援いただいた高崎市の石原正人福祉部長からご挨拶をいただきました。

山本一太知事 高崎市福祉部部長 石原正人さん
写真左:群馬県の山本一太知事、写真右:高崎市福祉部部長 石原正人さん

また、来賓として国連障害者の権利条約推進議員連盟事務局長である笹川博義衆議院議員、助成財団である公益財団法人キリン福祉財団から大島宏之参与/事業部長からご挨拶をいただきました。

衆議院議員議員、国連障害者の権利条約推進議員連盟事務局長 笹川博義さん 公益財団法人キリン福祉財団参与事業部長 大島宏之さん
写真左:衆議院議員議員、国連障害者の権利条約推進議員連盟事務局長 笹川博義さん、写真右:公益財団法人キリン福祉財団参与事業部長 大島宏之さん

DPI日本会議からは、白井誠一朗事務局次長がご挨拶し、地元団体のインクルーシブぐんまの顧問である松本基志群馬県議会議員からもご挨拶をいただきました。その他、群馬県議会議員、群馬県内の市議会議員の方々にも数多くご列席いただきました。

群馬県議会議員、インクルーシブぐんま顧問 松本基志さん
写真:群馬県議会議員、インクルーシブぐんま顧問 松本基志さん

行政報告:障害者差別解消法の推進と「つなぐ窓口」

内閣府政策統括官(共生・共助担当)付参事官(障害施策担当)古屋勝史さん
写真:内閣府政策統括官(共生・共助担当)付参事官(障害施策担当)古屋勝史さん

内閣府から政策統括官付参事官の内閣府古屋勝史さんをお招きし、障害者差別解消法の根幹である「障害の社会モデル」の考え方と、最新の施策について報告いただきました。

障害は個人の側にあるのではなく、社会のバリア(障壁)によって生じるという考えに基づき、2024年4月から事業者による「合理的配慮の提供」が義務化されました。社会モデルの重要性を改めて考える機会となりました。

また、相談先が分からない場合や、法の解釈に迷った際の「司令塔」として、令和5年10月より「つなぐ窓口」の試行運用が始まっているとのことでした。電話、メール、ウェブフォームに加え、ビデオ通話による手話通訳にも対応し、誰もが相談しやすい体制を整えているそうです。

講演:大阪府豊中市克明小学校の共生共学の実践

克明小学校校長 吉川有美子さん、指導教諭 山田祐佳子さん
写真:克明小学校校長 吉川有美子さん、指導教諭 山田祐佳子さん

豊中市立克明小学校から吉川有美子校長、山田祐佳子指導教諭をお招きし、豊中市で約50年前から続く「ともに学び、ともに育つ」教育の最前線について、具体的な実践報告をいただきました。

吉川校長は、障害のある子もない子も同じ教室で過ごすことで、「そのままの自分でいいんだ」と認め合える集団づくりの大切さを語り、保護者との対話を重ね、「できるところ、できることから」進める姿勢を強調されていました。

現場を支えるのは、教職員同士の密な連携です。克明小学校では「チーム先生」として、校務支援システムを活用した情報共有や、週に数回のコア会議、ミニ会議を積み重ね、一人の担任に抱え込ませない組織体制を構築しているとのことでした。

教室と廊下の段差をなくすために設置された、3方向になだらかなスロープなど、障害のある子だけでなく「誰もがつまずかない」ための環境整備の事例が紹介されました。

シンポジウム「インクルーシブ教育をぐんまで盛り上げるぞ Part2」

シンポジウムの様子
写真:シンポジウムの様子

後半のプログラムでは、前半にご登壇いただいた内閣府の古屋さん、豊中市立克明小学校の吉川校長、山田指導教諭に加え、多彩な背景を持つ以下の4名の方々をお招きし、パネルディスカッションを行いました。

髙木沙祐里さん (インクルーシブぐんま)は、10歳で筋ジストロフィーと診断された後も、群馬県内の地域の小・中・高校(普通学校)で学ばれた当事者としての貴重な経験や、地域で共に過ごすことの意義についてお話しいただきました。
鈴木敦子さん(群馬県議会議員/インクルーシブぐんま顧問)は、県議会の一般質問でも注力されている、群馬県初のインクルーシブ教育推進モデル校「玉村町立上陽小学校」の取り組みを報告してくださいました。あわせて、群馬県における最新の推進状況や今後の展望について解説いただきました。

鍛冶克哉さん(自立生活センター メインストリーム協会 スタッフ)は、脳性まひと診断されながらも、生まれ育った大阪府豊中市の普通学校で学んだ経験をもとに、子ども時代に障害の有無に関わらず「共に学ぶ」ことの重要性について語ってくださいました。

森和宏さん(東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター特任助教)は、インクルーシブ教育を専門とする研究者の立場から、各報告に対する学術的な知見や、インクルーシブ教育推進に向けた本質的な視点をご提供いただきました。

パネルディスカッションの後半では、会場の参加者からも群馬県内での実践的な取り組みやリアルな経験談が次々と共有されました。登壇者と会場が一体となって意見を交わし、今後の群馬県におけるインクルーシブ教育のさらなる発展に向けて、非常に熱気あふれる有意義な議論が展開されました。

会場の様子①
写真:会場の様子①

会場の様子②
写真:会場の様子②

今回のタウンミーティングを通じて、インクルーシブ教育は単なる「制度」ではなく、日々の「出会い」と「工夫」の積み重ねであることを再確認しました。ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。今回の学びを、群馬県内での具体的な実践へとつなげていければと感じました。

報告:生井祐介(つくば自立生活センター)

【参加者感想】

今年の「タウンミーティングinぐんま」では、私も以前から関心を持っていた豊中市の「分けない教育」についてお聞きすることができました。

大阪は昔、部落差別が根深かった反省から、同和教育に力を入れてきたと、以前にも聞いたことがありましたが、同和教育から始まった人権教育が、障害児もともに学ぶ教育に繋がったと、今回お聞きし、「人権教育は、障害児だけでなく、他のマイノリティの子どもの教育にも通じるものなんだな」と改めて思いました。

私は昨年、茨城から地元の群馬に引っ越し、自立生活をやり直し始めました。地元の普通学校で育ったからこそ、今、再び群馬で人間関係が広がっています。「共にあり続けることが、共生社会をつくっていく」と、実感する毎日です。

感想:川端舞(CIL上州プロジェクト)


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