自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟報告
2026年07月07日 バリアフリー

2026年7月2日(木)に自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟の総会が開かれ、12の障害者団体等が出席し、中央省庁から2025年度の障害関連予算の説明がありました。中央省庁の主な取り組みと、障害者団体からの発言を報告します。
石破議員
1.中央省庁の主な2025年度取り組み
- 内閣府:障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」は、2026年度においても引き続き運用する。
- 警察庁:歩行空間のバリアフリー化の整備(視覚障害者用付加装置、高齢者等感応、歩車分離式信号機、エスコートゾーン)。
- 消費者庁:高齢者等の消費者被害防止のための見守り活動の充実。
- こども家庭庁:良質な障害児支援の確保、地域における障害児支援体制の強化とインクルージョンの推進、専門的支援が必要な障害児への支援の強化。
- デジタル庁:政府情報システムに係る調達における対応(「情報アクセシビリティ自己評価様式」の書式に基づいてアクセシビリティへの対応状況等の記載を求める)。
- 復興庁:被災者支援総合交付金(55億)。
- 総務省:字幕番組制作費等の助成、アクセシブルなICT機器等の総合的な開発の普及推進、高齢者等に向けたデジタル活用支援の推進、テレワークの推進、電子投票機の技術的条件の適合確認等、政見放送での手話通訳の促進。
- 法務省:人権侵害による被害者救済活動の実施、人権擁護委員活動の実施、全国的視点に立った人権啓発活動の実施、人権関係情報提供活動等の委託等、地域人権問題に対する人権啓発活動の委託。
- 外務省:政府開発援助を通じて開発途上国のニーズを踏まえた障害者支援を継続、スポーツを活用した外交の推進、障害者の文化芸術活動を含む日本文化・芸術の海外発信の推進。
- 文部科学省:公立学校施設整備、インクルーシブな学校運営モデル事業、ICTを活用した障害のある児童生徒等に対する指導の充実、切れ目のない支援体制整備充実事業、教科書デジタルデータを活用した拡大教科書、音声教材等普及促進プロジェクト、障害学生学習支援、障害者等による文化芸術活動推進事業等。学校における看護師配置、医療的ケアの体制整備。
- 厚生労働省:良質な障害福祉サービス等の確保、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、意思疎通支援者の確保・養成・質の向上等、情報取得・社会参加等に資する機器等の開発・普及の促進等、身体障害者補助犬による社会参加への支援、心のバリアフリーを広めるための取り組み、共生社会の実現を推進するための認知症基本法等に基づく施策の推進。
- 農林水産省:農副連携の推進、農林水産業・農山漁村におけるバリアフリー化の推進。
- 経済産業省:介護テクノロジー社会実装のためのエビデンス構築事業、介護テクノロジー利用の重点分野及び開発・導入促進体制。
- 国土交通省:持続可能な地域公共交通ネットワークの実現、地下鉄・鉄軌道駅のバリアフリー化の推進、ホームドア整備の推進、旅客船ターミナル・空港のバリアフリー化の推進、公共交通機関におけるインバウンド対応の推進、都市のバリアフリー化の推進、道路・河川空間・官庁施設・公的賃貸住宅等のバリアフリー化の推進、宿泊施設等におけるユニバーサルツーリズムの推進等。
- 環境省:国立公園満喫プロジェクト等推進事業の一部(主要な利用施設のUD化等)
2.障害者団体からの主な意見
- 地方の路線バス廃止、みどりの窓口減少、駅の無人化。代替手段がほしい。自家用車が使えない視覚障害者にとっては、公共交通機関が命綱。
- 飲食店、販売店はセルフレジが普及しており、タッチパネルで視覚障害者は使えない。デジタル機器の開発段階から視覚障害者を入れて検討してほしい。
- 政見放送の全てに字幕、手話を義務化してほしい。
- 災害時の視覚障害者用業法受信装置の設置が急務。
- 手話通訳者は選挙運動員ではない。聞こえない人には情報を全て得られるようにするためには手話が必要。改正してほしい。
- 聴覚障害者は電話をかけることができないので、商品のお客様センターにかけられない。些細なことであっても、日頃から意識してほしい。
- 車椅子駐車施設の不適切利用は、罰則がないからモラルに頼っている。罰則を検討してもよいのでは。
- 放課後等デイサービスなどの単価値下げ、存続の危機。伴走型トータルコーディネートの実施、障害福祉サービス事業所の維持支援をしてほしい。個別避難計画。今後起きる災害で、障害者を含むあらゆる人が取り残されないように、ユニバーサルな対応をお願いしたい。
- 発達障害の中には聞こえすぎ、見えすぎ、過敏で動けなくなる人がいる。災害時の警報、警音、光で逆に動けなくなる。熊本でも東日本でも逃げられずに亡くなる事例があった。逃げられないことを前提とした対応をしてほしい。
- 発達障害の持続可能な勤務を支援してほしい。
- 精神障害では救急車の利用ができない。日頃から包括的に支援できる体制整備に尽力を。
- 舞台芸術におけるアクセシビリティのガイドラインについて、当事者と共に設計を。
3.DPI意見
(1)小規模店舗のバリアフリー義務基準の策定を
- ある牛丼チェーン店は、日本では固定の椅子だけで車椅子では入れないのだが、アメリカに出店したら全ての店舗がバリアフリーになっていた。アメリカではADAという法律で障害者が入れないと差別に当たるので、事業者はあらかじめバリアフリーにしている。
- 韓国では1階のお店に車椅子で入れないのは差別だという「みんなの一階」という国家賠償裁判があり、2024年に国が負けた。
- このように世界では店舗のバリアフリー化は当たり前になっている中で、日本では店舗内のバリアフリー義務基準がない。そのため、の新しいお店でもバリアフリーになっていない。新規出店時に最低限のバリアフリー整備の義務基準の策定をしてほしい。
- 新規出店時であれば、段差解消など、ユニバーサルデザイン化しても、コストは増えない。事業者の負担を増やすことなく、バリアフリー化された店舗を増やすことができる。小規模店舗も段差解消、作動式椅子、ドア幅80センチ以上の義務化を強く要望する。
(2)史跡や歴史的建造物のバリアフリー基準の策定
- 日本には、史跡や歴史的建造物のバリアフリー整備について、国の基準はない。バリアフリー化するか否か、自治体の判断に委ねられている。
- 熊本城は、地震被害を期にエレベーターが新設。広島城は建て替えだが、エレベーターを設置する方針。
- 名古屋城の木造天守復元計画では、新築ではあるがエレベーターを設置しない方針。バリアフリー法の対象に史跡や歴史的建造物も加えて促進するか、文化庁としてバリアフリー整備基準を新たに策定するなど、国としてのバリアフリー整備基準を策定してほしい。
4.盛山正仁会長代行
盛山議員
「某牛丼チェーン店にて、アメリカでは入れるが日本では入れないと話があった。それは、基準があるか否か。今回いただいたご要望で直接関係のない省庁の方も、意識して、ご尽力いただきたい。」
報告:能松七海(バリアフリー部会・CILふちゅう)
















