障害者の観戦・観劇環境整備への取り組み 〜MUFGスタジアムにおける車椅子席リーグ統一運用ガイドラインの試験運用〜
2026年05月26日 バリアフリー

DPIでは、Jリーグのクラブが主催するMUFGスタジアム(国立競技場)での試合において、車いす席を適切に運用するように働きかけを行っております。
MUFGスタジアムは東京オリパラのメイン会場として2019年に建設されたもので、DPIも構成員として加わったユニバーサルデザインワークショップ(UD/WS)が実施され、多様な障害当事者の意見反映が行われました。世界最高水準のバリアフリー整備が実現し、車いす席も500席あります。
しかし、主催者によっては車いす席を一部しか販売しない、様々な制約を設けるなどの不適切な対応がありました。建物は十分なバリアフリー整備されているのに、主催者が適切に運用できていないという非常に残念な状況でした。
そこで、Jリーグに働きかけを行い、どのような問題が起きているか、どういう運用をしてほしいかということを継続して話し合ってきました。Jリーグは「MUFGスタジアムにおける車椅子席リーグ統一運用ガイドライン」を策定し、今年の2月から試験運用を始めてくださいました。具体的な内容は以下の通りです。
- 1層目の車椅子席はすべてのエリアで観戦可能なチケットを販売します
対象エリア:メインスタンド、バックスタンド、ホームゴール裏、ビジターゴール裏 - 車椅子席はゾーン指定の自由席にて販売・運営します
メインスタンド、バックスタンド、ホームゴール裏、ビジターゴール裏の4つのゾーン区分を設け、その中で当日先着順にてお好きな席を選べる運用とします - 2名以上の介添・同伴者と並んで観戦可能となるよう車椅子席のチケットを販売・運営します
これまで介添・同伴者は車椅子席利用者1名に対し1名のみ認められるケースが多い運用でしたが車椅子席エリアでもご家族やご友人など複数名でご観戦いただきやすくなります(※)
※介添・同伴者の上限人数は主管(ホームクラブもしくはJリーグ)によって異なります
▽MUFGスタジアムにおける車椅子席リーグ統一運用ガイドラインの試験運用を開始(外部リンク:Jリーグ)
DPIでは、昨年11月9日と今年の5月24日に、Jリーグの担当者の方と一緒にMUGFスタジアムでのJリーグの試合を視察し、運用状況をチェックいたしました。ガイドラインを策定していただいことで、1層目の車いす席はすべて販売され、さらにエリアを選んで購入できるようになりました。
また、同伴者も従来は1名のみだったものが、複数名と一緒に観戦できるようになりました。運用状況は細かい問題は多少ありますが、概ね良好です。
今回策定していただいたガイドラインはMUGFスタジアムでの試合に限定されたものですが、将来的にはこれをベースに全国のクラブの試合で適切な運用がされるように働きかけていきたいと思います。
また、各地でスタジアムの建築・改修計画がありますので、地元団体とともにスタジアムのバリアフリー整備にも働きかけを行っていきます。
さらに、サッカーに限らず、全てのスポーツや演劇・コンサート等でも、様々な障害者が健常者と一緒に観戦・観劇を楽しめるように、これからも働きかけを続けていきたいと思います。
報告:佐藤 聡(事務局長)
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