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8月11日(水)「優生保護法違憲国賠訴訟・神戸地裁判決(8月3日)を受けての院内集会」報告

2021年08月13日 イベント権利擁護

会場の様子

優生保護法被害兵庫弁護団、全国優生保護法被害弁護団、優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会の主催により、2021年8月11日(水)15:00~16:30に 「優生保護法違憲国賠訴訟・神戸地裁判決(8月3日)を受けての院内集会~優生保護法問題の早期かつ全面的な解決に向けて~」が開催されました。

当日は、コロナ感染拡大の影響を受け、兵庫や各地の原告、支援者、一般参加者はオンライン参加となりましたが、ZOOM参加者は185名、会場参加は約40名、総勢約225名の参加がありました。

兵庫弁護団の津田弁護士の進行で、初めに全国優生保護法弁護団共同代表の新里弁護士のあいさつ、そしてこの集会の開催趣旨を兵庫弁護団長の藤原弁護士から説明されました。

その後、自身も障害のある女性である参議院議員の木村英子さんが挨拶しました。友人の一人は施設に入る前に強制不妊手術を受けさせられたこと、その後に施設を地域で暮らし好きな人ができて子どもが欲しいと思ったときに子どもを授かることができない身体となってしまったことに苦しんだと話されました。

またご自身も施設にいた時に月経の介助を受ける際、「子どもも産めないのに、生理だけは一人前」と言われ、人に迷惑をかけるくらいなら、生理なんてなければいいと、地域に出て暮らすまでずっと思っていたと話されました。今も心身の苦痛を追っている人の傷を和らげ、介助が必要人も安心して子どもを産み育てられる社会にしていきたいと熱く述べられました。

神戸地裁判決を受けての兵庫訴訟原告の訴え

兵庫原告の小林喜美子さんからは、「身体を元に戻してほしい。悪いことしたのだから謝ってほしい。」と、また夫の寶二さんからは、裁判長が理由も述べずに立ち去ったことについて、「聴こえないからか?裁判長は障害者と付き合ったこともないのだろう。わかってほしい。20年経ったから、と言われても、法律のこと知らなかった。時間は関係ない。ろうあ者に対する差別だ」と強い憤りを手話で訴えられました。

12歳の時に子宮摘出をされたとされる鈴木由美さんからは、「学校にも行けず、親に黙って手術された。20年以上寝たきりになって、何のために生まれてきたのか?とベッドの上で過ごしてきた。人間扱いされてこなかった。冷たい視線にさらされた。人として扱う制度を作ってほしい」と悔しい思いが語られました。

また原告の高尾奈美恵さん(仮名)は、緊張で話がうまくできなかったようですが、支援者の大矢さんから、「聴こえない人たちで勉強会してきた。夫の故・高尾辰さん(仮名)が『国に謝ってほしい、差別で虐げられてきた人たちも勇気を出して声を挙げてほしい。人生をかけて闘う』と言われていた」と亡くなられた辰さんの遺志が伝えられ、「これからも原告たちと一緒に歩みたい」と大矢さんの言葉も手話で語られました。

国会議員宛要請書の議連議員への交付

東京原告の北三郎さん(仮名)、新里弁護士、藤原弁護士より、超党派議連事務局長の福島みづほ議員と阿部知子議員に要請書を手渡しました。要請書についての説明は、兵庫弁護団の吉山弁護士が行いました。

要請の様子

要請は以下の内容でした。

・小林さんは手術されたことも知らなかったし、高尾さん鈴木さんは手術はわかっていたが、国の法律で行われたとは知らなかった
・それなのに、妥当な結論を裁判所ができないのだから、立法化するしかない。
・そして一時金支給法に関して、早急に立法化したことは評価できるが、法文に謝罪をいれるべき。・前文の「われわれ」という表現に関して「係争中」という理由で曖昧にしてきたが、すでに判決がでてきている。多くの裁判所が違憲だとしており、今回の神戸地裁判決では国会の責任にも言及されている。違憲であったことは明白、放置したことも法文に加えるべき。
・人生被害に対して賠償額としては少額過ぎる。また対象者に、神戸地裁判決に沿って配偶者も加えるべき。
・さらに、施行後2年半経っても、認定者が1,000件にも満たないので、請求期限撤廃し、情報保障をしっかり行うこと。
・偏見差別の解消に向けた法律を、既存の法律の中あるいは、別に総合救済法と位置づけた法律を作るべきだ

打越さく良議員からは、原告の話に心を痛め、やまゆり園事件にも触れて、思想の転換をしていくためにしっかり取り組んでいくと決意が語られました。

各地原告、支援者からの訴え

続いて各地の原告からの発言では、東京の北さんから「住所わかっているはずなのに、なぜ謝りにこないのか?同じ判決繰り返さないでほしい、泣き寝入りできない。裁判を続ける」と訴えがあり、また宮城の飯塚淳子さん(仮名)、東三郎さん、佐藤由美さん(仮名)の義理の姉の路子さん(仮名)からも早急の解決を求める発言がありました。

支援者からの発言として、明石市の泉市長から、自治体としてできる精一杯の取り組みを紹介し、今後も支援すること、そして立法化を強く訴えました。市長はSDGsのポスターを背に兵庫県の原告と一緒の会場からオンラインで集会参加していることが伺われました。

また、裁判では参考人として証言もされた藤井克徳さん(JD代表)からは、「私たちから一番遠いところは南極でも北極でもなく、裁判所」と原告・支援者の心が届かなかった無念、「どうして、憲法違反の上に除斥期間がおかれているのか?」と問いが述べられ、一時金支給法で終わりということではない、認定件数から見ても、法律が機能していないのだから、根本的解決すること、そして当事者を入れての総括をすることが求められました。

次に藤原からも発言の機会が与えられました。私からは障害のある女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康・権利)がずっと否定されてきたこと、それは現在でも根強くあって、今でも子宮摘出をされたり、促されたりする障害女性がいること。

そして、新しく開発されてくる医療技術によって、優生保護法という法律がなくても障害児が生まれなくすることができること。その技術の商業化によって、ネット上では障害者へのネガティブキャンペーンとなってしまっているので、国としてそれを打ち消すような法律を作っていってもらいたい、と話しました。

登壇した藤原久美子

ハンセン病訴訟に長く関わってこられた徳田弁護士からは、この判決は国会議員に対する警告である。ハンセンの東京判決では、今回の神戸判決同様、国会議員の責任を問うものであったため、その後国会では補償法の改正を行った。今回も速やかに行うべきと話しました。

さらに仙台の学生ボランティアの2人からは、今回兵庫で支援に参加している学生との交流があったこと、優生保護法という法律がなくなってから生まれた自分たちが今この問題を知り憤りを感じている、国が裁判を続けていること自体が差別し続けているということで特定の能力によって生きる価値が決められるこの社会に対しての問題を感じていると発言があり、この10月に提出予定の署名への参加を呼びかけました。

▽署名活動への参加はこちら(外部リンク:強制不妊訴訟 不当判決にともに立ち向かうプロジェクト)

阿部知子議員からは、未来につながっていく差別として、生殖補助医療法の問題をあげ、「心身共に健やかに生まれる」という言葉が、多くの母親を脅し、障害児を否定してきたこと、それがいい法律として賛成多数で可決したことに、差別が未来につながっていく危機感。当事者の声を聴かないで、巧妙に生まれてこないようにされてしまうことに軽傷を鳴らしました。

川田龍平議員からは20年前に参加した調査を振り返り、障害のある当事者の一人として被害者が声を上げていくことが重要との訴えが寄せられました。

国会はコロナのことで他の議論ができていないが、明石市のように行政がしっかり取り組んでいる。みなさん、一緒に取り組んでいきましょう、と呼びかけました。

また前日の大雨の被災地である地元青森に急遽入られた高橋千鶴子議員からは、一時金支給法を成立させた国会の意思が歪められて裁判に使われている、とのメッセージが寄せられました。

最後に福島みずほ議員から、優生保護法が、参議院で初めての議員立法で国会の作為で作られ、そしてそれを改めるための法律は作っておらず、不作為だったこと、重い責任が国会にあることが述べられました。さらに、裁判に至るまでにも長い過程があり、被害者の飯塚さんや飯塚さんを支援してきた人たちと一緒に「ずっと働きかけてきた中で、いろんな被害者の生の声を聴いてきたが、今回初めて兵庫の原告の声が聴けてよかった」と思いを語られました。

また、本当に国会は優生思想を克服しているのか?排除の社会作っていないか?との国会議員としての反省も込めて今後に取り組む決意を語られました。

今回の兵庫地裁判決は、全国六例目の不当判決となったものの、この院内集会で原告や支援者たちのあきらめない強い思いや、国会責任を改めてより強く具体的に国会議員に伝えることができました。最後に全国優生弁護団共同代表である西村武彦弁護士からのあいさつで閉会しました。

▽優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会ホームぺージ(外部リンク)

▽参考資料『国から子どもをつくってはいけないと言われた人たち ~優生保護法の歴史と罪~』
発行元:優生保護法被害者兵庫弁護団・優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会
販売価格1,000円(税込)+送料

▽旧優生保護法下の強制不妊「国は謝って」神戸地裁判決受け原告ら集会(外部リンク:神戸新聞NEXT)

報告:藤原 久美子(DPI日本会議常任委員、優生保護法における被害者とともに歩む兵庫の会共同代表)


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