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「鉄道車両における車椅子対応トイレ・コンセント位置等に関する実証試験」参加報告

2021年12月21日 バリアフリー

多目的トイレ

12月2日(木)、TOTOテクニカルセンターにて鉄道車両における車椅子対応トイレ・コンセント位置等に関する実証試験が行われ、バリアフリー部会の山嵜副部会長、土屋、工藤が参加してきました。

実証実験の目的

国交省では、「特急車両におけるバリアフリー対策に関する意見交換会」が行われていますが、このなかで車両のバリアフリートイレも現状のままでいのかテストが必要ではないかという意見が出たため、実証実験を行いました。

実証実験1:便器へのアプローチ

鉄道車両における車椅子対応トイレ(便房)の輪郭(2パターン)と便座の向き(レール方向、まくらぎ方向の2パターン)の組み合わせ4パターンによる便器へのアプローチの難易度の確認を行う。

トイレのドア幅を確認。 壁や柱、床には目盛りが表示されてあり、床には車両の寸法に合わせて赤や青のテープが貼られていました。

実証実験2:コンセント・テーブル位置

車椅子スペースにおける操作性の良い電源コンセントの取付位置(高さ)及び利用しやすいテーブル位置の確認を行う。

テーブルの高さの他にテーブルの板の大きさ(奥行き)、コンセントの高さの確認も行いました。

当日はTOTOさんのショールーム内に車両と同じ寸法のテープを貼り、実物をイメージした形で行われました。DPI以外の団体からも手動、簡易電動、電動、ハンドル型といった全ての車いすタイプのユーザー十数名が集まり、国土交通省の担当者立会いのもとでそれぞれの動線、動作を確認しました。

床の赤いテープは狭めの寸法、青のテープは一回り広い寸法を表している。 コンパクトな手動車いすでも方向転換が難しい狭さでした。

私も普段使用している海外製の電動車いすで試してみたところ、トイレの個室内が非常に狭く感じました。私よりも小型な車いすに乗っている被験者たちもほとんどが動作に支障が出るレベルで狭いと感じたようでした。

コンセント・テーブルの位置に関しては、10センチ刻みで使いやすい位置、使いづらい位置を確認しました。一言で車いすと言っても多くのタイプの車いすが存在し、それぞれ高さや大きさも異なるため、1パターンに固定してしまうのではなく、ある程度の幅で調整できると良いなと感じました。

実証実験のあとには、国土交通省、JR各社、学識経験者、障害当事者で意見交換を行いました。参加者からはもっと広くしてほしいといった要望が多数上がっていました。また、介助者の抱きかかえが必要な当事者からは便座の高さや手すりの位置等、介助者の負担を軽減できる配置の工夫もしてほしい等の要望が上がっていました。

今後

今回の実証実験も踏まえて、1-2月頃に「特急車両におけるバリアフリー対策に関する意見交換会」の取りまとめが出される見込みです。鉄道事業者の皆様には、いつも当事者の声に耳を傾け、並々ならぬ努力をして頂き感謝申し上げます。

誰もが安心・快適に利用できる鉄道車両となるよう、今後も引き続き一緒に検討していって頂けると嬉しいです。

報告:工藤登志子(バリアフリー部会)


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