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展望デッキに車椅子も上がれるリフト開発! 石垣島~西表島「いりかじ」で運用開始

2023年07月27日 バリアフリー

いりかじの写真

△エコモ財団の資料より抜粋・構成

これまで船舶のバリアフリー化は、他の交通機関に比べ大きく遅れていました。なかなか進まない理由としては、船舶は使用年数がとても長く更新の機会が少ない。これにあわせて上下移動の整備に対する要望は多いものの、既製品では費用や構造上の課題も多く、なかなか進まないのが現状でした。

そこで「国内旅客船における小型昇降装置の検討WG(交通エコロジー・モビリティ財団)」が2021年度に開かれ、バリアフリー化の一つとして要望の多かった上下移動の設備の開発を検討することになりました。既存の昇降装置に比べ、低価格、省スペースで設置可能な昇降装置の開発を目指すこととなったのです。

この小型昇降装置開発におけるコンセプトの大きなポイントとして、低価格、省スペースに加え、既存の船舶へも後付け可能ということが挙げられます。これまで船舶では、昇降装置の後付けは様々な理由から非常に困難でした。これもBF化を妨げていた大きな要因でもあるので、選択肢が増えたことにより大きく前進するのではと期待しています。

今回開発するにあたり、様々な課題があったのですが、その中でも私が一番こだわりたかったのが、耐荷重です。当初耐荷重は250kgを基本とするとされていました。しかし、昨今の電動車椅子は海外製も増え、そして多機能化していることもあり、車椅子だけで200kgに迫るものもあります。こうした現状も踏まえ、他の分野でも耐荷重300kgとする動きにもなっています。なので、何としてでも300kgにしたいと考えていました。

この300kgにこだわった理由は、250kgでは確実に乗れない人が出てくるからです。私自身も車椅子ユーザーと複数人で出かけることも少なくありません。例えば一緒に乗船して展望デッキへ行こうとした時、行ける人と行けない人が出てしまう可能性が残ってしまうのです。そんなの嫌だなと思いました。一緒に出掛けたのだから、一緒に楽しみたい。これは車椅子とか関係のない想いだと思います。

この時に開発した小型昇降装置がついに実装されたと、今月報告を受けました。沖縄県の石垣島―西表島の航路です。私はまだ乗れていませんが、耐荷重は300kgとされているようです。皆さんお出かけの際は是非乗ってみて下さい。と言うより、できれば乗りに行ってほしいと思っています。ここでの利用頻度が今後の普及への大きな影響を与えるとも思うからです。

これまで展望デッキへは行けないことが多かったです。私は、よく介助者に上に行って写真を撮って来てとお願いしていました。それが、これからは自分の目で見て楽しむことができるようになるのです。まずは石垣島の綺麗な海を、展望デッキから自分の目で眺めてみませんか。これまでなかなか見ることのできなかった景色を、ぜひ見に行きましょう。

運行:安栄観光 「いりかじ」 旅客定員198名/187トン 石垣島石垣港~西表島上原港

▽資料 小型昇降装置の実装報告について(PDF)

▽2021年度国内旅客船における小型昇降装置の検討報告書(PDF)

報告:土屋 峰和(バリアフリー部会・自立生活センターSTEPえどがわ)


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