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小規模店舗のバリアフリーに向けて検討会が始まりました!
国土交通省「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正に関する検討会及び小規模店舗WG」報告

2020年02月03日 バリアフリー

1月31日(金)に国土交通省において「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正に関する検討会及び小規模店舗ワーキンググループ(以下、WG)(第1回)」が開催されました。

この検討会は、小規模店舗のバリアフリー化を進めるためのもので、前回の「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(以下、ガイドライン)」の改正から約2年半が経過し、ガイドラインについて改正すべき内容を検討します。検討会の下には「小規模店舗WG」が設置されています。

学識経験者、障害者・高齢者団体、事業者団体、建築関係団体等で構成されており、この分野でこれだけ多様な構成員を集めた検討会は初めてとのことです。DPIが長年求めてきた小規模店舗のバリアフリー化に向けて、ついに動き出しました。

検討会の様子。手前にDPI日本会議の佐藤事務局長と障害者団体の委員が並んでいる。向かい側の席には事業者団体の方々が数十人座っている。

検討会では、国交省からバリアフリー法の概要、住宅局におけるバリアフリーに関する取り組み、観光庁、金融庁、東京都、日本フランチャイズチェーン協会(ローソンのバリアフリーの取り組み)、日本ショッピングセンター協会、日本フードサービス協会、全国銀行協会からそれぞれの取り組み報告がありました。

国交省から「現状の課題整理と検討の方向性(たたき台)」の説明が行われ、取りまとめの方向として下記の3点が示されました。

①高齢者、障害者等の利用に配慮した小規模店舗の設計等に関する考え方・留意点の追加

②重度の障害者、介助等に配慮した建築物の設計等に関する考え方・留意点の充実

③建築物のバリアフリーに関する優良事例の追加(近年竣工した、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連施設等)

佐藤事務局長からは、自身の経験をもとに下記の3つの提案を行いました。
昨年DPI日本会議が全国の障害者を対象に行った差別事例の調査では、約500件の差別事例のうち飲食店に関するものが最多でした。日本では車いすで入れる飲食店を探すのにとても苦労する。

車いす2、3台で入れるところはほとんどない。一方、アメリカでは小さな店舗でも必ず車いすで入れ、車いすで利用できるトイレもある。都市部だけでなく小さな田舎町でも同じ。コスタリカという小さな国の田舎町でもバリアフリー整備されていた。

アメリカに行って初めて、人間とはこんなに自由なものなのか!と気づいた。アメリカやコスタリカは法律で小規模店舗でもバリアフリーにすることが義務付けられているから利用できるようになっている。日本も世界の基準に追いついて欲しい。

① 日本全体での小規模店舗の割合

障害者差別解消法では、不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供を求めているが、それを適切に行うためには環境整備が必要。まずは実態を把握するために、日本全体で小規模店舗がどのくらいの割合を占めているのか、床面積100㎡単位で調べてほしい。

② バリアフリー整備基準の考え方

一律に決めるのではなく、床面積の規模で応じて、段階的に整備基準を決めても良いのではないか。

③ 特別特定建築物は共有部分だけでなく店舗内の整備基準も必要

バリアフリー法では、床面積2,000㎡以上の特別特定建築物にバリアフリー整備義務を課しているが、店舗内は整備基準がない。そのため、せっかくバリアフリーの建物でも店舗内に段差があり、固定椅子しかなく車いすで利用できないお店が多い。

新しく出来たばかりの豊洲市場でも、車いすで利用できる店舗は30%くらいしかなかったと知人に聞いた。特別特定建築物の店舗内の整備基準も作ることが必要。

他の団体や事業者等からは、音や光等、感覚的な観点からの配慮やICT技術のバリアフリー化、ハード設備を生かすためのソフト対策の充実、人の動作や使い勝手を考えた空間づくりなどの要望があげられ、先進的な事例やアイディアがあれば共有して欲しいといった意見も出ていました。

今回の検討会に出席してみて、各省庁や東京都の取り組みが知れただけでなく、事業者とも積極的に意見交換できたことが素晴らしいと感じました。この検討会は2020年度末まで行われ、今後は、検討会は2~3回程度、WGは3~4回程度開催されるということです。

引き続き積極的に意見提起を行い、小規模店舗のバリアフリー化が一歩でも前進できるよう取り組んでいきたいと思います。

(DPIバリアフリー部会 工藤登志子)

▽「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正に関する検討会及び小規模店舗WG」(外部リンク)

1/31に開催しました、標記検討会及び小規模WGの資料が掲載されたページが国交省HPに公開されましたのでお知らせ致します。

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