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【報告】草の根技術協力プロジェクト第三期の開始に向けた南アフリカ訪問

2022年08月16日 国際協力/海外活動

2022年5月23日に「南アフリカにおける障害者の自立生活推進」に向けた現地と日本の協力に関するオンライン・セミナーを行いました。

このセミナーの中で、新型コロナ禍の中で不安定となっていた現地の自立生活センターの運営が改善されたこと、そして、ハウテン州政府の障害者施策が新型コロナ後に向けて動き出したことが報告されています。

▽オンライン・セミナーの報告記事はこちら

5月23日(月)オンライン・セミナー「障害者の権利実現に向けたハウテン州と日本の協力に関する対話」報告

この南アフリカでの状況改善の報告を受けて、DPI日本会議から2名が7月17日から24日まで現地を訪問し、JICA草の根技術協力事業のもとで2013年から進めてきた南アでの自立生活推進のプロジェクトの第三期(フェーズ3)となる「障害者自立生活センターの拡大と持続的発展」の開始に向けた話し合いを次の関係機関と行いました。

まず自立生活センターですが、7月18、19日にソウェトILCとレメロスILCの2か所を訪問しています。ソウェトILCではスタッフ・理事の8名と、ハウテン州社会開発局の地域担当者5名と会っています。ソウェトILCでは新型コロナ禍の下での運営に問題が生じていましたが、6月末に特別監査が完了し問題解決となりました。

運営問題の解決にハウテン州社会開発局が尽力するとともに、昨年10月に就任したセンターのマネージャーが力を発揮して運営の安定化に導いています。フェーズ3においてもハウテン州全域での自立生活の推進に向けて協力していくことを確認しました。

続いてレメロスILCですが、今年4月に理事長のピート・デ・ウィット氏が亡くなりましたが、現在はノーマン・ライト氏が暫定理事長としてピア・カウンセラーと介助コーディネータを束ねて、継続してセンターの運営とサービス提供を行っています。8月中に新理事長が選出されますが、レメロスのIL事業が全員の協力のもとで安定的に行われていることから、プロジェクトの第三期においてもカウンターパート団体として連携していくことで合意しました。

またこれ以外にセルフ・ヘルプ・センター「シャングリラ」も訪問しています。シャングリラはセボケンILCの名前で、家庭訪問やサポートグループといった活動を地域で行っています。また介助者1人分の助成金をハウテン州から得て、数名の利用者に派遣しています。フェーズ3では活動での協力が期待されます。

政府側については、7月21日にハウテン州各部局の障害主流化担当課長の四半期ミーティングに参加し、自立生活プロジェクトの経緯とともにフェーズ3の構想について報告しました。この会議の内容は州の閣議で報告されるので、DPIによる報告も正式な記録として州のトップと共有されます。

またこのミーティング中にハウテン州知事室のゼイン・ブルブリア課長を中心とした州の「ILチーム」とフェーズ3の実施に向けた協議を行っています。プロジェクトの実施において、ハウテン州とは緊密に連絡を取り合いながら活動を進めて行くことが確認されています。また協議のなかで9月の州社会開発局次官訪日視察の受け入れと、11月末のハウテン州障害者月間イベントへのDPIからの参加及びブース出展を要請されています。

またフェーズ3の開始に向けてはDPI日本会議、レメロスILC、ハウテン州社会開発局、そして中央政府の社会開発省によるM/M(合意書)への署名が必要ですが、現在社会開発省は別の障害関連プロジェクトを実施しているため、フェーズ3との関係性を明確にする必要がありました。7月22日にマンティピ・モラムウ障害課長と話し合いをもち、フェーズ3はハウテン州のプロジェクトとして行い、中央政府はそこからのフィードバックを受けて省のプロジェクトの参考にしていくという関係で合意しました。M/Mの取り付けについても迅速に取り組んでいくとのことでした。

以上のように、今回の訪問ではフェーズ3の開始に向けて懸案となっていた自立生活センターの運営状況、州・中央政府の障害者施策の動向、合意書の取り付けといった事項の進展を確認することができました。南アフリカでは新型コロナに関する社会的な制限がほぼ撤廃され、コロナによるダメージから回復していこうという雰囲気が高まっています。フェーズ3についてもこの流れの中で一日も早い開始を目指して、南アフリカ側と緊密に連絡を取りながら作業を進めて行きます。

降幡博亮(国際担当執行委員)


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