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5月23日(月)オンライン・セミナー「障害者の権利実現に向けたハウテン州と日本の協力に関する対話」報告

2022年06月02日 国際協力/海外活動

ジャカランダの花

DPI日本会議はJICA草の根協力事業の枠組みを用いながら、南アフリカ共和国ハウテン州での自立生活推進の支援を行ってきました。

2013年4月から2016年4月までの第一期(「ヒューマンケア協会」のプロジェクトとして実施)では2か所の自立生活センターの設立とモデルサービス事業の実施支援を、2016年7月から2020年2月までの第二期では住宅アクセスの改善およびモデル福祉運送サービス実施の支援をしています。

▽南アフリカの自立生活推進に関するこれまでの活動報告はこちら

第三期の開始に向けて

2020年中にハウテン州内での自立生活支援の拡大を目指したプロジェクト第三期の開始を計画していましたが、新型コロナの流行によりストップしてしまいました。しかし新型コロナが落ち着きを見せ始めたことから、第三期の実施に向けたやり取りが再開しています。

第三期の開始に向けた取り組みの一環として、5月23日にハウテン州と日本をつないだオンライン・セミナーを開催しました。

セミナーを通じて南アフリカと日本の協力を振り返るとともに、障害に関するハウテン州政府の動向や自立生活センターの現状を共有し、共通の理解に基づいて今後の協力の形を探る試みになっています。以下がセミナーのプログラムです。

  1. オープニング・メッセージ
  2. ハウテン州政府の障害分野における動向
  3. ハウテン州の自立生活センターによる報告
  4. 南アフリカと日本の自立生活に関する協力と今後に向けて
  5. 今後に向けた協議

このセミナーにはハウテン州から三か所の自立生活センターの代表者、障害担当の行政官が、そしてDPI日本会議、JICA東京、JICA南アフリカ事務所などから、31人が参加しました。

ほんの一月前の4月26日に現地の自立生活センター「レメロス」の代表で、第一期・第二期のプロジェクトの中心人物でもあったピート・デ・ウィット氏が亡くなったことから、自立生活センターとの調整が危ぶまれたのですが、ハウテン州社会開発局の障害担当副課長のマリスカ・ヴァン・デル・ウォルト氏の尽力により全自立生活センターから報告をしてもらうことができました。

セミナーではまずハウテン州知事室のゼイン・ブルブリア障害担当課長から新型コロナ禍での障害に関するハウテン州の動向について報告がありました。新型コロナによる活動制限でサービス提供が大きな制約を受けたこと、ハウテン州の障害関連プロジェクトが滞ったがコロナによる制限が緩和されたいま滞りの解消に尽力していることなどが話されました。

またこれまでの南アと日本の協力を振り返り、日本からの支援について感謝を述べています。

続いてマリスカ氏の司会で、レメロス、ソウェト、セボケンの三つの自立生活センターからの活動報告と、レメロスのあるエクルレニ市とソウェトのあるヨハネスブルグ市の地区担当行政官からセンターの評価報告が行われました。コロナ禍の中、運営やサービス提供での困難が生じましたが、いまは正常化に向けて動いていることが伝えられました。

ハウテン州からの報告に続き、DPIの降幡が草の根事業第一期・第二期を含む2000年以降の南アと日本の障害に関する協力を振り返るとともに、両者の協力の形について述べました。この中で草の根事業の第三期を含め可能性のある協力として

などが挙げられています。

この後は参加者間の協議となり、ハウテン州社会開発局のカニシレ・マテブラ課長から能力開発研修実施への賛意とともに、南アでの障害サービスの発展には長期的な視点で考える必要があるということ、そして自立生活センターが資金を作っていく力をつけることが重要であるというコメントが出ています。

また草の根事業第一期・第二期でプロジェクト・マネージャーを務めたディーディーコンサルティング社代表の宮本泰輔氏からは、ハウテン州との協力で得た知見の共有がありました。

ゼイン氏からは、自立生活センターからの発表がこれまでのJICA草の根事業による成果を示していること、そして第三期の実現に向けて向けて新型コロナ禍のもとで生じた滞りを解消していくとともに、各政党などによる事業の理解を得ていきたいとの発言がありました。

最後にJICA東京市民参加協力二課の諸永課長から、南アと日本の間の長期にわたる協力がJICAにとって貴重であること、そして新型コロナ禍での問題へのJICAの理解と第三期実現に向けたコミットメントなどが話されています。

7月中旬にDPIの草の根事業担当者がハウテン州を訪問し、草の根事業第三期の実現に向けた協議を行います。年内の第三期開始が期待されます。

報告:降幡博亮(DPI日本会議 国際担当執行委員)


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