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5回目となるインクルーシブ教育合宿を開催しました!

2022年03月18日 インクルーシブ教育

5回目となるインクルーシブ教育を担う障害者の育成研修をZOOM形式で、2月27日に開催しました。

この研修は、インクルーシブ教育について関心や問題意識を持ちながら生活している若手の障害当事者が交流し、自分たちにできることについて考えるために実施し、宮崎、熊本、茨城など全国から6名の参加がありました。

参加者からはご自身の学校生活について発表していただき、それをもとにディスカッションを行いました。

ご自身の学校生活の発表では、勉強ができなければ、みんなと同じクラスではなく特別支援学級に戻されてしまうのではないか」と不安に感じながら勉強を頑張ってきたというお話や、特別支援学校での先生と1対1での授業に衝撃を受けたという感想、ケガをしたら危ないからと同級生が車イスなどを教えてくれなくなったという学校生活での思い出が話されました。

また、小学校入学前の幼稚園に入学する段階で、6か所から入園を断られた経験も語られました。

参加者の体験談を受けてのディスカッションでは、一緒に学ぶために本来学校が行うべき合理的配慮がなされていなかったり、授業をはじめとした学校生活への参加をどうしたらできていくかという視点から、教員や介助員が本人も含めた周りの人へのアプローチが不十分であるために、結果として周囲との人間関係がしんどくなったり、周りの友だちとの距離感が掴めないなどの学校生活を送るうえでの課題に直面したのではないかというような意見が出されました。

研修の中では、DPI日本会議副議長の尾上浩二を講師に、学校バリアフリーすすめるための学習会を開催し、自身の体験も踏まえながら、2020年のバリアフリー法改正でようやく公立小中学校がバリアフリー義務化になったことの意義や、学校バリアフリーの整備目標の内容やバリアフリーに向けて実効性を持たせるための通知文の内容などについて詳しく教えていただきました。

加えて、尾上からは、インクルーシブ教育を進めていく必要性と学校教育法72条や81条が規定する、「障害による学習上・生活上の困難の克服」といった医学モデルに基づく学校教育のあり方を見直すなど、制度や意識のバリアも一緒に無くし、社会モデルにもとづく教育や教員などの研修がインクルーシブ教育をすすめるにあたっては必要不可欠であると今後私たちがめざすべきものについてのお話がありました。

最後に、インクルーシブ教育を進めるために自分たちが取り組むべきことをテーマに意見交換を行いました。参加者の方からは、自分たちの経験をたくさんの人に伝えていきたいといった意見や、障害の社会モデルを広めていくための研修を実施したいといった前向きな意見が出され、インクルーシブ教育をすすめる主体としての障害当事者の方が年々増えていることに嬉しさと力強さを感じる研修となりました。

一人ひとりの参加者の方にとっても、有意義な研修になったのではないかと思います。参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

報告:杉田 宏(DPI特別常任委員、ピアサポートみえ)


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