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南アフリカ・ハウテン州行政官が来日視察:障害者の自立生活・バリアフリーの理解等を深める6日間の研修を実施しました

2025年06月04日 地域生活バリアフリー国際/海外活動

記念撮影

2024年2月よりDPI日本会議は南アフリカ共和国ハウテン州でJICA草の根協力事業「障害者自立生活センターの拡大と持続的発展」(パートナー型)を実施しています。この事業では現地での障害当事者による自立生活の推進とともに、障害者施策を担う行政側との連携が重要なポイントとなっています。

今回5月20日から25日の期間、ハウテン州行政官の自立生活およびバリアフリーへの理解を深め、本事業へのサポートを強化してもらうことを目的として、州大臣2名を含む8名の訪問団を日本に招き、視察研修を行いました。

今回の訪問団には行政側のトップであるフェイス・マジブコ州大臣(社会開発担当)とセイラ・ピータース州大臣(環境、障害等改革担当)の2人とともに、実務を担うゼイン・ブルブリア知事室課長およびカニシレ・マテブラ社会開発局課長が参加しています。行政側トップの理解が深まることで、今後の本事業のスムーズな実施と将来的な制度化に向けた取り組みが進むことが期待されます。

視察研修では次のプログラムを行ないました

5月21日(水)
DPI日本会議による日本の障害者運動と施策についてのブリーフィング

5月22日(木)
AM:エコミラ江東訪問
環境・就労・教育の接点の場として、江東区にあるエコミラ江東を訪問しました。プラスチックトレイのリサイクル工場で当事者が働く様子と、NPOと行政の連携を見学しました。

PM:ヒューマンケア協会訪問
八王子市にある日本で最初の自立生活センターであるヒューマンケア協会への視察では、センターの活動についての説明を受けるとともに、当事者職員や介助コーディネータの配置などセンター内の様子を見てもらいました。また今年3月26日に亡くなったDPI役員でヒューマンケア協会の代表であった中西正司さんが本事業で中心的な役割を果たしてきたことから、訪問団による中西由起子DPI副議長へのあいさつもこの場で行われています。

5月23日(金)
AM:東京都福祉局訪問
福祉局では東京都障害者・障害児施策推進計画、東京都福祉のまちづくり推進計画を中心に、都の取り組みについての説明を受けました。訪問団からは、東京都とハウテン州の関係を継続していきたいという声が出ていました。
都庁からJICA東京への移動には、UDタクシーを使い、タクシーのバリアフリー化の取り組みについてみてもらいました。

PM:JICA東京訪問
JICA東京の訪問は2部形式で行いました。第一部では現在ハウテン州で実施している草の根技術協力事業についての協議を、訪問団とDPIそしてJICA東京の担当者と行いました。第二部ではJICAへの表敬を行い、訪問団から今回の研修についての報告がありました。またJICAからは、障害と開発についての取り組みや南アフリカで行っているレスパイトケアに関する技術協力プロジェクトの紹介をしていただきました。

5月24日(土)
浅草と秋葉原のバリアフリー視察
東京の史蹟と鉄道のバリアフリーの取り組みを見てもらう目的から、浅草と秋葉原を訪れています。まず浅草寺内部に入るために設置されたエレベーターについて、同行したSTEP江戸川の当事者リーダーによる説明を受けました。その後、堂内や境内を散策し、段差が解消された様子を実際に体験してもらいました。

浅草の様子

浅草から秋葉原までの移動にはつくばエキスプレスを使い、駅員の車いすへの対応、情報のバリアフリー化、多機能トイレ、優先席などを見てもらっています。秋葉原では駅の周辺を車いすの当事者が案内しました。

まとめ

5泊6日という短い研修でしたが、政策形成における障害者運動と政府の関係、エコミラ江東やヒューマンケア協会のNPOの活動、東京都における部局間の連携など、訪問団からは「非常に参考になった」「州の政策に取り入れたい」という声が寄せられました。

6月に本事業のプロジェクトマネージャーである降幡と宮本専門家がハウテン州を訪問しますが、今回日本に来た行政官とも話し合いを持ち、今後の効果的な事業の進め方と連携について明確にしていきたいと考えています。

報告:降幡博亮(常任委員)


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主催

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