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「障害者差別解消法改正法案」参議院内閣委員会で審議・可決されました!改正案の主な答弁について報告します

2021年05月28日 権利擁護

佐藤聡の写真

5月27日(木)参議院内閣委員会で障害者差別解消法の審議が行われました。その時の質疑について報告します。

質疑では、先に行われた衆議院内閣委員会での審議も踏まえ、質疑が行われました。また、立憲民主党横沢高徳議員の参考人として、DPI日本会議佐藤聡事務局長も出席し、差別相談時に省庁の相談窓口でたらい回しにあった事例、的確に対応して解決した事例、複合差別について答弁しました。

参議院での審議は、この日1日で終了し、最後に法案について採決が行われ、全会一致で可決しました。

なお、複合差別やワンストップ窓口の設置については、附帯決議に盛り込まれました。ぜひ、附帯決議も合わせてご覧ください。審議の様子は、参議院のインターネット中継でも見ることができます。

▽参議院のインターネット中継

参議院 障害者差別解消法 改正案の主な答弁

答弁:坂本内閣府特命担当大臣、三上政策統括官

●差別の定義

内閣府障害者政策委員会の取りまとめにあった基本方針に入れるべきとの意見書を踏まえて、差別の定義の明確化を図るためにどういった対応ができるか検討したい。

●見直し規定

今回の改正案には見直し規定は入れていないが、国連の障害者権利委員会からの総括所見がでた後で、内閣府障害者政策委員会の意見なども踏まえて検討する。

●法の対象範囲(障害者の家族や関係者を含めるか)

内閣府障害者政策委員会の取りまとめ意見書を踏まえて基本方針に盛り込むかどうか検討する。

●ワンストップ窓口の設置

相談のたらい回しを防ぐためにもワンストップ相談窓口は必要だと考えており、今年度、効果的な相談体制のあり方について調査・研究を行なっており、一元的な相談窓口なども含めて相談体制のあり方を検討し、適切な仕組みが整えられるように取り組んでいく。

●上記の「効果的な相談体制のあり方について調査・研究」の内容とメンバー構成

運用状況や他の法律との整合性、基本方針に盛り込む事項の検討として地方公共団体への調査、有識者へのヒヤリング、ニーズの調査、好事例の調査などの検討。メンバーは、地方公共団体の関係者、学識経験者、障害者団体の代表者(障害当事者も含める)や事業者の代表者などで検討会の設置を検討している。

●複合差別

複合差別に関する事例は現在持っていない。内閣府障害者政策委員会の議論や、地方公共団体に対する実施状況の調査・事例の収集により制度や施策のあり方を検討していきたい。

●施行期日

事業者に合理的配慮の義務化をするにあたり、事業者や障害者の意見を踏まえて基本方針を改定しなければならず、その後、ガイドラインの見直しや地方公共団体も相談体制の整備など様々な対応が必要になる。また、事業者に対して法の趣旨や合理的配慮をわかりやすく解説したポータルサイトの設置や新たなリーフレットの作成などで、より一層の普及・啓発に努めたい。そのための準備期間として3年を超えない範囲としているが、必要な措置を行なった上で、なるべく早く施行できるように努めたい。

●合理的配慮提供の財政的支援

合理的配慮は個別の事案に対して荷重な負担がない範囲でとしているので、費用面の支援は考えていない。ただ、事業者向けの情報提供の中で、各省庁が行っているバリアフリー化などの助成制度も含めるなどで取り組んでいる。自治体が行なっている助成なども後押しできるような対応を考えていきたい。

●対応要領の改定

(衆議院の審議では、対応指針の改定については言及があったが、対応要領の改定については触れられなかった。)
まず、事業者の合理的配慮の提供や支援措置について基本方針の見直しをすることになっている。他方で、現在の法律では行政機関については合理的配慮の提供は義務とされている。したがって、今回の改正では、直接の契機として対応要領の改正が必要であるとは考えていないが、基本方針の変更や法施行後5年が経っていることから、各省庁の長が必要と考えれば、対応要領の見直しもあり得ると考える。

バリアフリー関係

質問:石川ひろたか議員
答弁:国土交通省 大高総合政策次長、木村大臣官房

Q 差別解消法の改正を踏まえて国土交通省としてバリアフリー化の推進の取り組みについて

A 今後5年間のバリアフリー整備目標で、地方の旅客施設の一日の利用者数を2,000人以上に拡大するなど、バリアフリー化を促進する。

Q  Tokyo2020アクセシビリティー・ガイドラインをバリアフリー法の基準に位置付けてもらいたい。

A  Tokyo2020アクセシビリティー・ガイドラインを全国に広めるために、地方の状況も踏まえた上で、積極的に反映していくことを検討したい。

Q 駅の無人化について、駅員による乗降介助でなく、乗務員による乗降介助を進めてはどうか?

A 駅の無人化については、安全かつ円滑に利用できるように指導している。また、昨年11月には、障害者団体、鉄道事業者、国土交通省の3者による意見交換会を設置している。乗務員による乗降介助についても、実現に向けて検討を深めていく。

Q 新幹線のバリアフリー化について

A 東海道新幹線では指定席6席での運行が始まったが、今後も障害者団体との意見交換会などでの意見を踏まえて、新型車両の設計時にできる限り反映させる協議を進めていく。

学校のバリアフリー

質問者:石川ひろたか議員
答弁:鰐淵洋子文部科学大臣政務官

Q 昨年のバリアフリー法改正に伴って、公立の小中学校のバリアフリー整備が義務化され、文科省では、2025年度末までに障害のある生徒や教職員がいる全ての学校にエレベーターを設置する目標を掲げている。

しかしながら、実際には車椅子利用の生徒がいるにもかかわらず、エレベーターではない機材、例えば車椅子から座椅子型の簡易な昇降機に乗り換えるような対応を考えている学校もあると伺っている。このような対応が広がらないように、全国の教育委員会、学校にしっかりと周知徹底をしていく必要があるのではないか。

A 車椅子利用など、上下階の移動に配慮が必要な児童生徒等が円滑に移動することができるよう、文部科学省におきましては、整備目標に対応するエレベーター等には、エレベーターやバリアフリー法施行令の国土交通大臣が定める構造の昇降機を含める。

一方で、車椅子に乗ったままでは乗降できないその他の簡易的な昇降機等は含めない扱いとしておりまして、この点を学校設置者に示している。今後、エレベーター等の適切な事例につきまして、改めて全国の学校設置者等を対象とした講習会や各種会議等で広く周知を図るなど、学校設置者に対しまして適切なバリアフリー化の取組が加速化されるよう、しっかりと取り組んでまいります。

以上

報告:生井祐介(つくば自立生活センターほにゃら、DPI差別解消PTメンバー)

▽参議院の付帯決議はこちら(ワード)


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