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3月5日(土)第6回DPIインクルーシブ教育推進フォーラム「世界のインクルーシブ教育の流れを地域へ!~現状と課題を考える~」を開催しました

2022年04月21日 イベントインクルーシブ教育

多様性を表現したブロック

報告が大変遅くなりましたが、去る3月5日(土)にウェビナーで第6回DPIインクルーシブ教育推進フォーラム「世界のインクルーシブ教育の流れを地域へ!~現状と課題を考える~」というテーマで開催し、200名もの方々が参加されました。

前半は、基調講演と報告でした。

基調講演では、(株)LITARICO(リタリコ)の元文科省「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」の委員もなさっていた野口晃菜さんに、「アメリカのインクルーシブ教育の現状と課題~就学前に焦点をあてて~」というテーマでご講演をして頂きました。

LITALICO野口さん

アメリカのインクルーシブ教育は原則、障害がない子どもと一緒に学ぶためにRTI(Response to Intervention)という科学的な手法によって、支援の仕組みを構築しています。

一方で課題もあり、通常教育における改革の必要性や学力のみで学校が評価されることにより、学力が上がらない子どもへの排除につながること及び学力のみをもって「教育の成果」として良いのかということがあります。

その後、当団体の特別常任委員でもあり、ピアサポートみえ理事長でもある杉田宏さんからの報告「学校のバリアフリー義務化へのとりくみと課題」として、一昨年、文科省から出された「学校のバリアフリー化」の通知に基づき、三重県内の全ての教育委員会に「インクルーシブ教育ならびにインクルーシブ社会の実現に向けた学校施設の計画的な整備を進めることを求める要望書」を提出したことについての報告をして頂きました。

杉田さん

この要望書に対する文章回答があったのは三重県教育委員会を含め7の自治体であり、意見交換を行ったのは12市町であったとのことです。

この意見交換では、①市によって、学校だけではなく市役所や教育委員会の建物にもエレベーターがない、②バリアフリー化のための具体的な計画を作りたいという担当者、③階段昇降機は危険であるという問題について、④スクールバスには車イスは乗れない、⑤エレベーターはあるが各学校の判断で全ての人が利用できない等が分かりました。

また課題として、①具体的な整備計画を策定しているというところがない、②多くの教育委員会では「学校施設長寿命化計画」によって、長寿命化改修と一緒にバリアフリーを進める、③エレベーターがない学校では移動に困難がある子どもの移動の自由が確保されていない等がありました。

休憩中に表示した海老原さん追悼のスライド
写真:休憩中に表示した海老原さん追悼のスライド

後半は、昨年12月に逝去された当団体の常任委員でもあり、東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP)代表でもあった海老原宏美さんを追悼する思いも込めて、シンポジウム「インクルーシブ教育、現状と課題~今回は東京首都圏からお届けします~」と題し、3名のシンポジストからお話をして頂きました。

はじめに、つくば自立生活センターほにゃらと東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP)運営委員会の川端舞さんから、普通学校で教育を受けていた頃に感じていたことや海老原さんに出会って、インクルーシブ教育は権利だと気づいたこと等の思いをお話頂きました。

2人目は東京都内の小学校に通う坪田さん親子から、保育園から地域の小学校を選んだ思いや小学校での様子をお話頂きました。

3人目は今春、東京都立の高校を卒業された関さんの保護者から、これまでの学校での状況やご本人から高校の様子等をお話頂きました。シンポジウムの最後に指定発言として、小学校教員をしている佐谷修さんから、地域の普通学校にいるために何故、条件をつけるのか等のお話がありました。

最後に年度末のお忙しいところ、ご登壇頂いた皆様、視聴して下さった参加者の皆様、手話通訳を含めて情報保障をして下さった皆様に感謝を申し上げて、報告とさせて頂きます。ありがとうございました。

報告:山崎 恵(DPI特別常任委員、教育部会)


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