障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

[報告]12月5日(木)JDF全国フォーラム「障害者権利条約の完全実施をめざして~2020年の審査・勧告でどう変わる、私たちの暮らし~」

2019年12月05日 イベント障害者権利条約の完全実施

会場の様子

本日、JDF全国フォーラム「障害者権利条約の完全実施をめざして~2020年の審査・勧告でどう変わる、私たちの暮らし~」が開催されました。
(プログラムの詳細は、一番下に記載しています)

午前中の基調講演では、「The CRPD Committee and how to work with it(障害者権利委員会と、障害者権利委員会との協働の方法)」というテーマで、前 国連・障害者権利委員会委員長のテレジア・デゲナーさんが報告されました。

テレジアデゲナーさん
障害のある法律専門家として、ヨーロッパ障害フォーラムなどの当事者組織や、ドイツ議会、国連人権高等弁務官事務所、欧州委員会などで活躍。国連障害者権利条約特別委員会(2002-2006)ではドイツ政府代表団の一員として参加されました。

テゲナーさんはサリドマイドで両腕欠損という障害をもち、報告の際は足を器用に使われて、障害者権利委員長としての経験・苦労。市民社会組織の役割。医療モデル・社会モデル・権利モデルへの移り変わりと共に、人権モデルと国内政策への影響。総括所見を受けた後の締約国の取り組みの好事例など報告されました。

また今年7月に障害者権利委員会へ提出した、JDFのパラレルレポートは、大変よく準備されていたと言われました。来年の建設的対話では、なるべく完結にわかりやすく、ポイントを絞って権利委員へアピールすることが大切だとおっしゃっていました。

会場からの質問では、日本から東南アジアの発展途上国への支援の方法。日本は精神障害者病院が多く長期入院をしており、精神障害者への支援について。パリ原則における独立人権機関についてのドイツの取り組みなどについて、質問がありました。

途上国への支援は同じ過ちは繰り返さないことが大切、障害者権利条約の理念と異なる支援、施設や隔離につながる政策、特別支援学校設立に繋がるような支援はやめる。権利条約の理念に基づいた支援を行うこと。
精神病院の長期入院の問題については、医者だけではなく、精神障害当事者または経験者のピアでのサポートが重要。
パリ原則における独立人権機関についてのドイツの取り組みでは、パリ原則では申し立ては受け付けていない。ドイツでは他の組織が行っている。個人が利回復を行う場合、法廷に行き裁判を行う。国立の機関で独立監視の仕組みはある。ドイツは2008年に障害者権利条約が発効、ドイツの人権法の基礎になっていて、ドイツの法廷では理解をされているので、判決では障害者権利条約への理解もあるが、個別ケースではまだまだ問題が多く、やるべきことが多いとのことでした。

午後は「JDF障害者権利条約『パラレルレポート』の作成と『建設的対話』に向けた取り組み」として、事務局長の佐藤聡から、「JDFパラレルレポート作成の取り組み」について、①建設的対話と事前質問事項、②パラレルレポート作成の意義、③JDFの取り組み、④建設的対話に向けての4つのトピックについて報告しました。

報告をする佐藤聡

その後のパネルディスカッション「各分野の取り組み・試み ~私たちの暮らしを変えるために」では、議長の平野みどりがコーディネーターを務めました。

パネリストの方々

印象的だったのは、テレシア・デゲナーさんのお話の中で、2008年のイギリスでの財政危機のときに、障害者の予算がカットされて、地域で暮らす障害者がたくさん施設へ入れられて、自殺する人もいた。障害者の権利は言葉だけではなく、予算やインフラなどの環境整備が必要、実態的に障害者の権利がきちんと守られるようにしていかなくてはいけないというお話でした。国の経済状況で、障害を持つ人の命が脅かされないようにしていかなければいけないと強く感じました。

DPI日本会議は、来年8月から9月に、スイスのジュネーブで行われる第24回期障害者権利委員会で行われる建設的対話に向けて、JDFの一員として、パラレルレポート第2弾の作成、政府との意見交換など、取り組みを続けてまいります。

報告:笠柳大輔(事務局員)


■プログラム(敬称略)

10:00 主催者挨拶、
来賓挨拶 南 慎二(外務省総合外交政策局人権人道課長)
衣笠 秀一(内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(障害者施策担当))

10:10 基調講演
テレジア・デゲナー 前 国連・障害者権利委員会委員長

12:00 イエローリボンのご紹介
服部 芳明 JDF企画委員会

12:10 昼休み

13:10 JDF障害者権利条約「パラレルレポート」の作成と「建設的対話」に向けた取り組み
竹下 義樹 日本障害フォーラム副代表
佐藤 聡  JDFパラレルレポート特別委員会事務局長

13:40 国連・障害者権利委員会の最新動向
石川 准  障害者権利委員会副委員長/障害者政策委員会委員長

14:10 パネルディスカッション
各分野の取り組み・試み ~私たちの暮らしを変えるために

パネリスト:(順不同)
野村 茂樹 日本弁護士連合会
早尻 友梨 滋賀県健康医療福祉部障害福祉課主査
太田 健  キリン福祉財団常務理事/前・キリン株式会社CSV本部CSV推進部主幹
中西久美子 全日本ろうあ連盟理事
岡田久実子 全国精神保健福祉会連合会副理事長

コーディネーター:
平野みどり DPI日本会議議長

16:40 閉会

以上

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