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立憲民主党「つながるフェスティバル2019」へブース出展、政策要望書を提出しました

2019年12月03日 地域生活要望・声明防災・被災障害者支援

本日、立憲民主党の「つながるフェスティバル2019」にDPI日本会議の活動紹介ブースを出展させて頂きました!
受付  会場の様子

受付にこられた枝野代表

第一部「障がい当事者の視点から見たインクルーシブ防災」では、熊本出身の平野みどり議長から、2016年に起きた熊本地震の障害者の当時の状況の報告をしました。

登壇する平野

新聞

第二部の各団体のリレートーク「私たちが政治に求めること」では尾上浩二副議長から、障害者基本法、障害者差別解消法、障害者虐待防止法の改正の必要性、また、インクルーシブ教育、インクルーシブ防災をより進めていく必要があることについて、強くアピールをいたしました。

尾上

またDPI日本会議から政策要望書を出させていただきました。
昨年に引き続き、このような貴重な機会を頂き、御礼申し上げます。
以下、政策要望書全文になります。

2019年12月3日

立憲民主党つながる本部【障がい者PT&災害対策局】
つながるフェスティバル2019政策要望書

認定特定非営利活動法人DPI日本会議
議長 平野みどり

0.障害者権利条約と障害者権利委員会の動きを注視してください。

2019年9月、国連の障害者権利委員会(障害者権利条約の実施を監視するモニタリング機関)より、来年の日本政府への審査(建設的対話)に向けた事前質問事項が出されました。政府はこれに回答する義務を有しており、回答を作成する作業を行う予定です。障害者の権利を規定し、障害に基づく差別を禁止する障害者権利条約を国内に広げるための重要なモニタリングのプロセスの一環です。当然、批准国である日本は障害者権利条約を実施する国際法上の義務があります。貴党のすべての議員、関係者が障害者権利条約の動きに大きな関心を持っていただくことを最初にお願いいたします。

1.障害者差別解消法の改正

障害者差別解消法は施行後3年を経過し、見直しの時期を迎えています。障害者権利条約の理念を踏まえた改正をお願いします。2019年10月に国連障害者権利委員会より日本政府に対し事前質問事項が出され、5条「平等及び無差別」では下記の回答が求められております。

「障害者差別解消法が,直接差別,間接差別,複合差別及び交差差別であれ, 障害のある女子に対するものを含め,生活のあらゆる分野において,障害に基づくあらゆる差別を禁止しているかどうかを本委員会に対しお知らせ願いたい。また,かかる法律が合理的配慮の否定を私的及び公共の場所における障害に基づく差別の形態として認めているかにつき,明確に説明願いたい。」

上記等もを踏まえ、特に下記5点を法改正に盛り込んでいただけますようお願い申し上げます。

(1)差別の定義に関連差別、間接差別、ハラスメントを明記する

(2)民間も合理的配慮の提供を義務化する

(3)分野別に合理的配慮提供等をより詳しく明記するために各則を設ける

(4)紛争解決の仕組みを創設する

(5)環境整備(第5条) :環境整備が進まないと実質的な利用が確保できません。障害者差別解消法5条では、社会的障壁を除去するために環境整備を求めています。これを実現するために、国や地方公共団体、事業主の責務として、環境整備を推し進めてください

2.障害者基本法・障害者虐待防止法の改正

障害者基本法、障害者虐待防止法は2011年の改正・策定から8年が経過しました。この間、社会状況が変化し、様々な問題が噴出しています。また、2014年には障害者権利条約を批准しており、条約との整合性を図ることが必要です。運用実態を検証し、障害者権利条約との整合性を踏まえた法改正をお願いします。

(1)障害者基本法については以下のポイントを法改正に盛り込んでいただけますようお願い申し上げます。

①「可能な限り」を削除し、「地域生活支援」「原則インクルーシブ教育制度」を明確に

②「関連、間接差別」「合理的配慮」とは、なにかを規定

③「虐待」「ハラスメント」の禁止を明確に

④「障害者」の定義を幅広く(周期的、断続的な障害も条文に明記)

⑤「障害のある女性」条文を新設

⑦「権利擁護」「意思 決定支援」の仕組みを充実

⑧個々の障害に合わせた情報のバリアフリー化の取り組みを、さらに強化

⑨障害者政策委員会の所掌事務の拡大強化(権利条約の実施の監視を全般的に行うことが可能な形)と、当事者参画の強化(知的障害、精神障害、発達障害当事者委員の不在)

(2)障害者虐待防止法については以下の点の改正等をお願いいたします。

①通報義務の対象に、学校や医療機関、公共機関等を含めること

②虐待防止のため、オンブズパーソンなど第三者(機関)が効果的に介入できるしくみの創設

3.インクルーシブ教育制度の確立

障害のある子どももない子どももともに学び育つインクルーシブ教育が障害者権利条約上の権利として保障されなければならない時代ですが、日本では残念ながら、原則として障害のある児童生徒が、自分が生活している地域の通常学校、通常学級で学ぶことが原則となっていません。原則としてすべての児童生徒が地域の通常学校・通常学級に通うことができ、本人や保護者が希望する場合、特別支援学校や特別支援学級を選択する原則インクルーシブ教育の制度の確立が必要です。例えば、以下の見直しが早急に必要です。

①学校教育法施行令の改正

・第5条:原則は地域の通常学級に就学し、希望者が特別支援学校、特別支援学級を選択できる制度に見直す。(すべてのこどもに対して市町村から就学通知を行うようにする)

・第72条:特別支援教育の目的が障害の克服などの医学モデルのまま。ともに学ぶための社会的障壁の除去という社会モデルの視点を踏まえた改正が必要。

②学習指導要領の改訂:現在の学習指導要領に「合理的配慮」や「インクルーシブ教育」という項目が全くないこと、学習到達度と評価の方法などを見直す。

4.障害者総合支援法関係

(1)重度訪問介護の利用制限の撤廃

現在の重度訪問介護は、通勤、通学、通年長期には利用できません。重度障害者も介助者がいれば働き、学ぶことが出来ます。介助が必要な人はどこにいても介助が必要です。既に必要な時間数を支給決定されており、職場や学校で利用できるようになっても、時間数はほとんど増えることはありません。この利用制限を撤廃することにより、多くの障害者が働き、学ぶチャンスを得ることができます。ぜひとも、重度訪問介護の「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出を除く」をという規定を撤廃し、利用目的にかかわらず重度訪問介護の利用をできるようにしてください。

5.バリアフリー施策について

(1) 小規模店舗のバリアフリー化

小規模店舗に車いすで入れないのは、日本が世界に遅れを取っている最大の欠点です。原因は、バリアフリー法では床面積2,000㎡以上の特別特定建築物しか基準適合義務がないためです。2,000㎡以上という基準は1994年のハートビル法から四半世紀以上も変わっていません。そのため、新規出店の店舗でも、入り口に段差があり、椅子が固定式のために、車いすでは入店できないものが続々とつくれられています。

国交省の「2,000㎡未満の店舗・飲食店等のバリアフリー化の実態把握に関する調査結果」(2019年8月)によると、新規出店でバリアフリー化された店舗は、300㎡未満をみると下記の通りです。残念ながら、新規出店の店舗でも、80~90%はバリアフリー化されていません。

食堂または喫茶店              9.8%

飲食店                    14%

日用品販売店舗              13.7%

百貨店・マーケット・物品販売店舗     21.7%

※2018年11月1日~2019年1月31日まで確認済証を交付した2,000㎡未満の小規模店舗

事業主の負担なくバリアフリー化するには、新規出店時にバリアフリー整備を義務化することが最良です。新規出店時であれば、段差解消などのユニバーサルデザイン化をしても、コストはほとんど増えません。規模に応じて整備基準を策定すれば、事業者の負担も増大することなく整備をすすめることができます。小規模店舗も段差の解消、椅子は可動式のものにする、ドア幅を80cm以上にするなど最低限のバリアフリー整備基準を義務化し、基本方針に整備目標を定めてください。

(2) 学校のバリアフリー化

障害者権利条約ではインクルーシブなまちづくりとともに、あらゆる年代でのインクルーシブ教育を求めています。しかし、バリアフリー法では一般の学校は特別特定建築に含まれていないためバリアフリー整備義務がありません。多くの一般の学校は災害時に避難所となります。地域の公共施設の整備としても、全ての学校を特別特定建築物に含めて、体育館だけでなく校舎も含めてバリアフリー義務を義務化としてください。

(3) 空港アクセスバス・長距離バス・定期観光バスのバリアフリー化

全国で約1万台空港アクセスバス・長距離バスが走っていますが、車いすで乗車できる車両は6~8台程度しかありませんロンドンではほぼ100%というように、諸外国ではすでにバリアフリー車両のが当たり前という状況であり、日本が世界から極端に遅れた分野です。この問題は地方ほど深刻です。たとえば、ほとんどの地方空港は、都市とのアクセスがタクシーかバスしかありません。そのため、バスに乗れないと、福祉タクシーを利用するしかなく、飛行機代よりもタクシー代が高い、という深刻な状況が続いています。飛行機には乗れるのに空港にいけないため、航空機を利用できない状況が続いているのです。空港アクセス・長距離バス・定期観光バスも移動円滑化基準適用除外認定自動車を廃止してバリアフリー整備を義務化し、計画的にバリアフリー車両の導入を進めてください。

(4)地域の特性を活かし、障害当事者・市民のニーズに基づく設定ができるマスタープラン制度へ改善を

バリアフリー法の2018年改正の目玉の一つがマスタープラン制度の創設でした。

「具体の事業化を待たずに基本構想の前段として、生活関連施設が集積し、その間の移動が通常徒歩で行われる地区(移動等円滑化促進地区)において、バリアフリー化の方針を示すマスタープラン制度を創設した」(ガイドラインP2)とされ、DPIとしても地域におけるバリアフリーの進展の起爆剤になるものと大いに期待しました。

しかし、実際にマスタープランを検討し始めると、「具体の事業化」のメドが立たないと、移動円滑化促進地区が設定できないという大きな問題点が明らかになってきました。

法律上、並びにガイドラインの諸規定が合わさることで、結局のところ、基本構想の重点地区と同じようなものしか移動円滑化促進地区として設定できない状況にあります。

これでは一体何のためのマスタープラン制度なのか?と大いに疑問を持たざるを得ません。

ガイドラインのP12には、例として 「地区E 具体事業の調整が困難であることから移動円滑促進地区として設定」があげられており、「具体事業の調整が困難」な場合も促進地区として設定できるような説明がなされています。マスタープラン制度本来の趣旨に立ち返って、こうした地区設定ができるように法律、並びにガイドラインの諸規定の改善を早急にお願いします。

6.防災関係

(1)被災直後の安否確認における個人情報の有効活用

避難行動要支援者名簿や障害手帳所持者名簿が、個人情報保護を理由に災害直後の安否確認等に活用されていません。また、個別計画は指針に作成するよう記述はありますが、効果的な個別計画の運用は難しい状況です。あらかじめ行政機関と障害者団体が協議を行い、平時の避難訓練や災害直後の障害のある人の安否確認において、避難行動要支援者名簿等の行政が保有する個人情報を有効に活用できるようなしくみをつくってください。

(2)合理的配慮の問題―災害時の情報保障を含む合理的配慮ガイドラインの不存在

災害の発災時、復旧時、復興時のすべての段階において、障害のある人が、必要とする情報を入手可能な形態で提供されないために、命の危険をともなう状況にありますが、障害者差別解消法上、災害時の対応指針がありません。災害対策基本法が規定する避難所における災害応急対策責任者の良好な生活環境の確保に向けた取組は努力義務でしかないので、差別解消法の対応要領・指針に災害時のものを作成することや、災対法の改正を行ってください。

(3)避難所、福祉避難所について

災害時の第一次避難所が障害のある人にとってアクセシブルではなくプライバシーが確保されていないことから、そもそも利用できない人も多く、避難所に到達したとしても車中での避難生活を送っている障害者が多いです。また、福祉避難所に関する情報が公開されないことや、福祉避難所に指定されている施設をそもそも利用していない人がほとんど利用できない状況があります。一時避難所を障害のある人にインクルーシブでアクセシブルなものにするとともに、プライバシーを確保するための実効性のある措置を講じていただきたいです。また、福祉避難所の運営の在り方の再検討をお願いします。

(4)仮設住宅について

仮設住宅を障害特性に応じてバリアフリーにするための実効性ある措置を国として講じ、これを仮設住宅の基本形とする仕組みを作ってください。

7.障害者雇用促進法の附帯決議の実施

(1)法定雇用率の対象となる障害者の範囲の拡大について

現行制度では、障害者手帳を所持している者としていますが、雇用促進法では「障害があるため長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」としており、手帳所持者のみを障害者と定義していないことから障害者基本法に基づき見直してください。

(2)障害者が働くための人的配置を含めた環境整備に関する新たな財源確保について

現行制度の財源は、雇用率未達成企業が納める納付金でまかなっていますが、これは、一定数の民間企業が法定雇用率を達成していないことを前提としたものであり、障害者雇用を促進するという理念とは相反します。納付金に頼らない持続可能な新たな財源を確保してください。

(3)障害者が働くために必要な支援制度の運用の見直しと拡充について

・駐車場助成制度等は、現場実態にそぐわない内規による運用によって利用できない場合もあることから制度と実態の検証及び実態に応じた見直しをしてください。

・障害に基づき必要とする職場介助者等は、生涯必要な支援であることから年限を撤廃してください。

(4)公務部門への財政措置について

地方自治体の財政状況や地域事情に応じて、地方自治体や地域事情に関わりなく、障害者雇用と職場定着を促進するための予算を措置してください。

以上

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