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「障害者関連法案の審議」について厚生労働大臣に要望書を提出しました

2022年09月27日 地域生活要望・声明インクルーシブ教育障害者権利条約の完全実施

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2022年8月にジュネーブで障害者権利条約批准後初の建設的対話(対日審査)が行われ、9月には障害者権利委員会による総括所見が出されました。

この総括所見の内容を踏まえ、今後法案提出が予定されている障害者関連法案の審議に関して、厚生労働大臣に以下の要望書を提出しました。


2022年9月26日

厚生労働大臣
加藤 勝信様

障害者関連法案の審議について

特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI日本会議
議長 平野みどり

DPI(障害者インターナショナル)日本会議は全国92の障害当事者団体から構成され、障害の種別を越えて障害のある人もない人も共に生きるインクルーシブな社会(共生社会)の実現に向けて運動を行っている。

私たちは障害者権利条約の完全実施を目指し、より条約に則した障害者関連法の見直しを求め、各方面への働きかけに取り組んできた。とりわけ、2022年8月にジュネーブで行われた条約批准後初の建設的対話(対日審査)に、日本から約100名もの当事者、関係者が傍聴及びロビー活動に訪れたように、この建設的対話への関心は非常に高い。

9月に日本政府に対して出された総括所見(勧告)は、下記のように大変細かく重要かつ重厚な内容となり、今後はこの総括所見に見合った法改正が求められる。しかしながら今秋の臨時国会において、4つの障害者関連法の改正法案が4法案一括で審議されると伝え聞く。

私たちは各法律について総括所見を踏まえて、それぞれ丁寧に審議を深めていく必要があると考える。そのためには一括審議のような簡易な形ではなく、それぞれの法律において十分な審議時間が確保できるような形での法案提出が望ましいと考える。特に精神保健福祉法の改正についてはより一層丁寧な議論を求める。

併せて、障害者総合支援法において、総括初見パラグラフ42(d)に則して、多様な障害者団体の参画のもと地域移行に向けた検討会を早急に立ち上げることを求める。

参考資料

■障害者権利委員会による総括所見(パラグラフ42:「要請」部分(d)のみ引用)

42. 自立した生活と地域社会への包摂に関する一般的意見第5号(2017年)および脱施設化ガイドライン(2022年)を参照し、委員会は締約国に要請する。

(d) 障害者団体と協議の上、障害者の自律と完全な社会的包摂の権利の承認を含め、障害者が施設から他の人と平等な地域社会での自立生活に効果的に移行することを目指す、期限付きの目標基準(ベンチマーク)、人的・技術的・財政的資源を伴う、法的枠組みおよび国家戦略、ならびにその実施を都道府県の義務とすることを開始すること。

■総括所見の主なポイント(朝日新聞記事より転載)

【強制入院】
・障害者の強制入院によって自由の剝奪(はくだつ)を認めるすべての法的規定の廃止

【精神科病院のありかた】
・精神科病院での残虐・非人道的・品位を傷つけるような扱いを報告する仕組みをつくり、被害者へ効果的な救済処置の確立と、加害者を起訴・処罰する

【脱施設化】
・障害児を含む障害者の施設収容の廃止。施設入所に関する予算を地域社会で他の人と対等に自立して生活するための構築・支援にあて、迅速な措置をとること

【強制不妊手術をうけた人の救済】
・旧優生保護法のもとで優生手術をうけた被害者に一時金支給という対応の仕組みを変え、すべての被害者が明示的に謝罪され、適切に救済されるようすべての事例を特定する。申請期間の限定などをしないようにすること

【インクルーシブ教育】
・分離された特別教育をやめる目的で、すべての障害のある生徒が合理的な配慮と、必要な個別の支援をうけられるようにする。国は特定の目標、十分な予算を確保し、質の高いインクルーシブ教育をうけられるよう行動計画をつくること

▽要望書(ワード版)はこちら


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