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相模原障害者殺傷事件から一年 DPI日本会議声明

2017年08月17日 地域生活要望・声明権利擁護

昨年7月26日未明に神奈川県相模原市の津久井やまゆり園で起きた障害者殺傷事件から一年が経過しました。

改めてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、負傷された方々に心よりお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた方々のご家族にも心からお悔やみ申し上げるととともに、負傷された方々のご家族、関係者の方々にも心よりお見舞い申し上げます。

事件より一年が経過し、声明を出しましたので、ご覧下さい。


2017年8月17日
相模原障害者殺傷事件から一年 DPI日本会議 声明

特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議長 平野みどり

 わたしたちDPI(障害者インターナショナル)日本会議は、障害の種別を越えて障害者が障害のない人と共に生きることができる社会を実現するための運動を行っている団体であり、北海道から沖縄まで96の団体で構成されている障害当事者団体である。
2016年7月26日未明に神奈川県相模原市の津久井やまゆり園で起きた障害者殺傷事件から一年が経過した。改めてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、負傷された方々に心よりお見舞いを申し上げたい。また、亡くなられた方々のご家族にも心からお悔やみ申し上げるととともに、負傷された方々のご家族、関係者の方々にも心よりお見舞い申し上げる。事件より一年を経た今、DPI日本会議の考えを表明したい。
我が国が2014年に批准した障害者権利条約第19条では「(a) 障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないこと」「(b) 地域社会における生活及び地域社会への包容を支援し、並びに地域社会からの孤立及び隔離を防止するために必要な在宅サービス、居住サービスその他の地域社会支援サービス(個別の支援を含む。)を障害者が利用する機会を有すること」としている。世界的な潮流として、大規模入所施設を解体し、地域でのサービス基盤を整備し、地域移行が推し進めてられている。津久井やまゆり園も条約の理念を踏まえ、大規模入所施設を建て替えるのではなく、様々な関係団体と協力して、入所されている方々やご家族に対して、グループホームでの生活や自立生活などの地域生活への移行という選択肢を丁寧に示しつつ、入所されている方々の意向を丁寧に聞き取り、地域移行を進めるべきである。
津久井やまゆり園の再生については、2016年9月に神奈川県が「現地での全面的建て替え」の方向を示したが、その後、地域移行を求める意見が出されたことを踏まえ、2017年2月、神奈川県障害者施策審議会に津久井やまゆり園再生基本構想策定に関する部会が設置され、8月2日に検討結果報告書がまとめられた。
報告書では、基本的な考え方として「ひとり一人が大切にされ、どこで誰と住むかの選択の機会が確保されていることが重要。そして、本人の選択の結果を尊重しつつ、可能な限り身近な場所において、必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることが必要となる」とし、施設の小規模化及び地域生活移行・支援の拠点化という項目をたて、「利用者ひとり一人について意思決定支援を行う上で、「どこで暮らしたいか」という多様な意志決定に沿えるよう複数の選択肢を用意すべきである」「施設での暮らしよりもグループホームでの暮らしを希望する利用者については、円滑に地域移行を支援する」とした。
神奈川県には、この部会報告書を踏まえ、大規模入所施設の建て替えを行うことなく、サービス基盤を整備して、グループホームや自立生活などの地域移行を推し進めるよう、強く求めたい。介助サービスや医療的ケアなど地域のサービス基盤は一定程度整備され、すでに全国各地で重度障害者が地域における自立生活を実践している。見守り支援も含んだサービスである重度訪問介護や小規模で生活するグループホームなど、地域での暮らしを支えるサービス基盤整備を強力に進めるとともに、地域生活を実現する実践を推進していきたい。それこそが正に「ともに生きる社会かながわ憲章」を実現し、「事件に屈せず、共生社会の実現を目指す」ことであり、それは、わたしたちDPI日本会議も含め、この国に生きるすべての者の使命であると考える。

DPI声明(ワードファイル)

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