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旅館業法改正法案に関するDPI日本会議声明 ~障害者への差別につながらないために、慎重な審議を求める~

2023年05月28日 要望・声明権利擁護

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現在、国会で旅館業法改正案が審議されていますが、障害者への差別に繋がりかねない問題があります。それを受けて、DPIでは声明を出しましたので、ご紹介します。


2023年5月27日

旅館業法改正法案に関するDPI日本会議声明

~障害者への差別につながらないために、慎重な審議を求める~

特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議

議長 平野みどり

 

DPI(障害者インターナショナル)日本会議は全国91の障害当事者団体から構成され、障害の種別を越えて障害のある人もない人も共に生きるインクルーシブな社会(共生社会)の実現に向けて運動を行っている。

DPIでは、昨年10月11日に「旅館業法改正法案に関するDPI日本会議声明」を発表し、旅館業法改正法案が障害者の宿泊拒否につながらないように改善を求めた。現在、国会では改めて旅館業法改正法案が上程され審議されている。昨年の法案から一部修正されたが、差別禁止規定はなく、障害者への差別的取扱いを容認してしまうのではないかと危惧している。以下問題点を指摘する。

1.第五条 三  過重な負担

「宿泊しようとする者が、営業者に対し、その実施に伴う負担が過重であつて他の宿泊者に対する宿泊に関するサービスの提供を著しく阻害するおそれのある要求として厚生労働省令で定めるものを繰り返したとき。」

【懸念する理由】

ここは修正されていない。過重な負担を誰が判断するのか。事業者の一方的な判断により、障害者の宿泊拒否といった差別的取り扱いにつながるのではないか。障害者は多少の手伝いを従業員にお願いすることがあり、それが事業者に「過重な負担」と判断されたら、宿泊を拒否されてしまう。

来年4月からは改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者も合理的配慮の提供が義務化される。障害者が事業者に合理的配慮の提供を求めることをきっかけに宿泊拒否という差別的取扱いを引き起こすのではないか。さらに、障害者に「宿泊拒否されるのではないか」という怖れを生じさせ、合理的配慮の提供を求めることをためらわせてしまう。

障害者差別解消法を推進してきた立場からは見過ごすことができないものであり、「過重な負担」が障害や難病のある者の利用拒否など差別的取り扱いにつながることを大いに懸念する。

2.差別禁止規定が必要

改正法案が新たに障害や疾病を理由にした宿泊拒否につながらないようにするためには、具体的な例示を盛り込んだ差別禁止規定が不可欠である。

かつて、らい予防法や優生保護法といった国策の下で「無らい県運動」や「不幸な子どもの生まれない県民運動」などが全国で展開され、官民一体となって障害者を排除してきた歴史がある。このことの反省・教訓に立って、今一度立ち止まるべきである。

そもそも旅館業法の改正は「コロナ禍での各種対策が言われていた時に協力をしてもらえない客に対する対応が必要」というのがきっかけだったはずである。第5類になった今、拙速に改正する理由は見当たらず、ホテル側が客を恣意的に選別できるようにすることを狙っているのではないかとの疑念を持たざるを得ない。

最後に改正法案によって生じ得る3つの具体的懸念を指摘したい。

  1. 障害者は宿泊時に多少の手伝い(合理的配慮提供含む)を従業員にお願いすることがある。障害者が合理的配慮を求めることをきっかけに、宿泊拒否という差別的取り扱いを引き起こしかねないこと。
  2. 障害者に「宿泊拒否されるのではないか」との怖れを生じさせ、合理的配慮を求めることをためらわせること。
  3. 来年4月から施行される改正障害者差別解消法との整合性、その円滑な施行の妨げになりかねないこと。

以上の点をふまえて、障害者への差別につながることのないよう、国会での慎重な審議を強く求めるものである。

▽要望書ダウンロード(ワード)


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