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【2022年9月9日】障害者権利条約~はじめての日本の建設的対話が実施され、国連障害者権利委員会から日本政府へ勧告(総括所見)が出されました~

建設的対話終了後、傍聴団一同で手を繋いで集合写真

△写真:2022年8月23日 建設的対話終了後、傍聴団一同で手を繋いで集合写真

1.障害者権利条約って何?

障害者権利条約とは、障害者の権利を実現するために国がすべきことを定めたものです。障害者権利条約は障害者の人権や基本的自由を守るための国際的な約束であり、条約を批准した国にはその約束を守ることが求められています。

条約は憲法よりは下位に位置しますが、法律よりは上位に位置するものです。そのため、条約の批准国である日本の法律は、障害者権利条約の内容に即したものであることが求められています。しかし、実際には障害者権利条約が求める水準に十分達しているとはいえない法制度が多くあり、その改善が大きな課題となっています。

2.障害者権利条約はどうやってできたの?

条約は通常、国同士の話し合いで作られますが、障害者権利条約では国のみならず障害者団体も一緒に議論に参加し、条約を作りました。2006年に国連で障害者権利条約が採択され、日本は2014年に批准しました。

3.ジュネーブに何をしにいったの?

条約には批准した国がきちんと条約の内容を守っているか定期的にチェックする仕組みがあります。

国とその国の障害者団体をはじめとする市民社会団体が提出した報告書をもとに、国連におかれた障害者権利委員会(以下、権利委員会)による条約の実施状況についての審査(建設的対話)が8月22日と23日の2日間にわたって行われました。

この建設的対話を通じて権利委員会から国に対し、法制度の改善を促す有効な勧告を出してもらうために、私たち障害者団体も審査(建設的対話)が行われるスイスのジュネーブへ渡航し、権利委員会に日本の法制度の問題点をアピールしてきました。
建設的対話の様子は、国連webTVでアーカイブが公表されておりますので、ご覧ください。

■アーカイブ
1日目:8月22日(月)15:00-18:00(日本時間22:00-25:00)
2日目:8月23日(火)10:00-13:00(日本時間17:00-20:00)

4.審査(建設的対話)ではどのようなことが話し合われたの?

2日間の審査(建設的対話)の中で、権利委員からは差別解消法における救済の仕組み、脱施設、インクルーシブ教育などをはじめとする多くの課題について厳しい質問が相次ぎましたが、それに対する政府の回答はいずれも現状の制度説明や検討会報告書の説明に留まるもので、残念ながらどう改善を図っていくかという真摯な回答はありませんでした。

最後に日本の国別担当者であるキム・ミヨン副委員長から、以下のまとめの挨拶がありました。


日本政府に対して、条約の全面的な実施をするために、検討していただかねばならない重要な課題がいくつか指摘されました。

たとえば、障害者差別解消法において、救済の手続きが確立されていないこと、社会の全てにおいて障害者の本当のインクルージョンは非常に重要ですが合理的配慮のための法的な基盤がないこと、手話が公式言語として認知されていないこと、これは難聴者、聴覚障害者には非常に重要なことです。

また、日常生活の中で、暴力、虐待、搾取等女性や女の子が直面している問題、人権侵害があったこと等も含めてパリ原則に基づいた独立した監視システムがないことです。そして、選択議定書が批准されていないこと、法的能力が制限されている問題、性と生殖に対する権利も制限がされています。

これからいますぐ対応してほしいことを日本政府に対して強く求めることが我々の優先課題となります。障害者の生活の質を向上し、人権が実施されることがこれによって可能になるでしょう。

日本政府におかれましては、障害者をもつ日本の人々、市民社会組織、家族が人生を通じて障害者の権利のために情熱的に取り組んでおられますので、こういった人たちと継続的なコミュケーションを取ってほしいと思います。

こうすることによってのみ障害を持つ人々の人権及び基本的な自由が全面的に享受され、保障されることになるでしょう。アジア太平洋の平等と人権のための第2の10年において、日本は世界のリーダーであります。

そして日本が障害者権利条約の全面的な実施をすることによって、今後もリーダー的な国になり続けて頂きたいと思います。

5.これからどうなっていくの?

2022年9月9日に、権利委員会から日本における条約の実施状況に関する評価として、日本政府へ勧告(総括所見)が出されました。

分離教育の中止、精神科への強制入院を可能にしている法律の廃止を求めるなど、日本の課題を的確に指摘したものです。第1条から 33条まで懸念と勧告がまとめられており、19条、24条は6項目もあります。合計で、懸念93項目、勧告は92項目、留意1項目、奨励1項目となっています。

▽日本への総括所見ダウンロード(英語)(ワード)

全体を通じて、多数の項目で日本政府に対し障害者団体との緊密な協議を求めています。「Nothing about us , without us(私たち抜きに私たちのことを決めないで)」という合言葉の下に策定された権利条約の根幹とも言える理念が総括所見にも反映されています。

なお、権利委員会は日本政府に対し、次回は2028年2月20日までに定期報告の提出を求めています。報告には、今回の勧告が国内でどのように実施されたかという情報も含めるように要請しています。

DPIとしては、この総括所見を分析し、加盟団体をはじめ全国のみなさんにお伝えし、国内法制度のバージョンアップに取り組んでいきたいと考えています。

私たちはこの権利委員会から出される勧告を最大限に活用して、国に対して法制度の改善に向けて取り組んでいきます。

12月3日(土)、4日(日)に、第11回DPI障害者政策討論集会「総括所見を活用し、障害者権利条約の国内実施を進めよう!」を開催します。是非ご参加ください!

【PR動画作成しました】12月3日(土)、4日(日)第11回DPI障害者政策討論集会「総括所見を活用し、障害者権利条約の国内実施を進めよう!」


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6.より詳しく知りたい人へ

この障害者権利条約の仕組みについてより詳しく知りたい方は以下のオンラインミニ講座などをご参照ください。

 

 

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