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【報告】「相模原障害者殺傷事件から10年  津久井やまゆり園の犠牲者を追悼し、インクルーシブ社会を目指す会」 〜犠牲者を追悼し、優生思想を許さない! 脱施設とインクルーシブ教育を進めよう!〜

2026年07月27日 イベント地域生活権利擁護インクルーシブ教育

アピール行進の様子1

7月22日(水)、猛暑の中、全国から300名の方々がご参加くださり、「相模原障害者殺傷事件から10年 津久井やまゆり園の犠牲者を追悼し、インクルーシブ社会を目指す会」を参議院会館講堂で開催いたしました。

はじめに犠牲者を追悼して黙祷を捧げ、パンジーメディアが作成したビデオ「沈黙は語る 19人のSilence Speaks」を上映しました。

19本のキャンドル

会場の様子

その後は、「知的障害者の自立生活」と題して、津久井やまゆり園事件で被害に遭われ、その後地域で自立生活をしている尾野一矢さんが登壇してくださり、支援者の大坪寧樹とともに生活の様子をお話しくださいました。また、ピープルファーストで活動している中山千秋さんが地域生活の必要性を強く訴えられました。

尾野さんと大坪さん

後半のマイクリレーでは、集会テーマ「優生思想を許さない!脱施設とインクルーシブ教育を進めよう!」に沿って10人の方々がスピーチを行い、最後に集会アピールを読み上げて、会場いっぱいの拍手を持って採択されました。

集会の後は、日比谷公園に移動し、東京駅までアピール行進を行いました。今シーズン一番の暑い日でしたが、参加者全員で「津久井やまゆり園の犠牲者を忘れないぞ!優生思想を許さないぞ!家族介護に頼らない地域づくりを進めよう!脱施設を、今すぐ進めよう!インクルーシブ教育を実現しよう!」と大きな声でコールし、道ゆく人に訴えました。

アピール行進の様子2

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。津久井やまゆり園の犠牲者に想いを馳せ、これからも力を合わせて脱施設、インクルーシブ教育の推進に取り組んで参りたいと思います。

報告:佐藤 聡(事務局長)

参加者からの感想

メインストリーム協会 事務局次長 数矢 雄

「相模原障害者殺傷事件から10年 津久井やまゆり園の犠牲者を追悼し、インクルーシブ社会を目指す会」に参加し、改めて優生思想について考える機会を得ました。

特に印象に残ったのは、尾野一矢さんの「ちゃんとやらないからダメ〜!」という言葉です。一見すると短い言葉ですが、どのような表現であっても、一矢さん自身の「ちゃんと向き合ってほしい」という強い主張であり、社会へのメッセージだと私は感じました。

また、神奈川新聞の成田記者のお話の中で、「交流学級では『また今度』になり、共に学ぶと『また明日』になる」という言葉が心に残りました。同じ学校にいても、一緒に生活する環境がなければ日常的な関係は生まれにくいことを、短い言葉で表していると感じました。私自身も支援学級で学習をしていて、振り返るとクラスメイトとあいさつを当たり前に交し合った機会が少なく、寂しかったと思っていたけど「これは自分が障害者だから仕方ない」と諦めていました。このように健常者には生活の一部ですが、私のように分けられて育った障害者にとっては奪われたことだと思います。

そして、集会後のデモに参加した時、自分自身の中にも優生思想があったのではないかと改めて考えました。私は支援学級で学び、「勉強するしかない」と思って過ごしてきました。その中で、知らず知らずのうちに、知的障害のある人に対して「怖い」「自分の思いを表現できない人」という見方をしていた部分があったのではないかと思います。加えて、こうした見方は、社会の中で刷り込まれてきたものでもあると考えます。今回のような集会で相模原事件を振り返ることは、社会にある優生思想だけでなく、自分自身の中にある偏見や思い込みと向き合うことでもあると感じました。

一矢さんの「ちゃんとやらないからダメ〜!」という言葉を胸に刻んで、これからも誰も排除されない社会作りに邁進していきたいと思います。

ヨーロッパ自立生活ネットワーク(ENIL)からメッセージをいただきましたのでご紹介します。

ヨーロッパ自立生活ネットワーク(ENIL)は、この追悼の場において、みなさんと固い絆で結ばれています。私たちは今日、やまゆり園という施設で命を奪われたすべての方々を深く追悼します。このような悲劇的な出来事を二度と繰り返さないために、決して忘れないことは極めて重要です。

同時に私たちは、「施設」そのものが障害のある人たちの命を奪っているのだという事実を、強く再認識しなければなりません。あの日、あの悲しい日に亡くなった方々だけでなく、今この瞬間も何十万人という障害のある人たちが、施設での生活を余儀なくされています。

施設にいるすべての人は、ただ「障害があるから」という理由だけでそこに置かれているのです。しかし彼らにも、語るべき一人ひとりの人生の物語があり、家族がいて、友人がいて、未来への願いがあり、そして地域社会で生きるという人間としての権利(人権)があります。

だからこそ、私たちは権力を持つ者たち(国や社会)に突きつけましょう。今の時代、この社会に施設が存在する場所などどこにもないのだと。そして、人々が施設から地域へと出られるように、そして二度と施設へと連れ去られ、閉じ込められることがないように、共に手を携えて行動していきましょう。

私たちの心は、やまゆり園で亡くなられた方々のご家族やご友人と共にあります。そして同時に、今もなお施設から出る日を待ち望んでいる、すべての人たちと共にあります。

私たちは、いつでもみなさんを支持し、応援しています。


「相模原障害者殺傷事件から10年」集会アピール

 2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者入所施設「津久井やまゆり園」で、19名の尊いいのちが奪われ、27名が深く傷つけられるという凄惨な事件から、まもなく10年を迎える。私たちは本日ここに集い、犠牲となられた方々に心からの哀悼の意を捧げるとともに、傷つけられた方々に深く心を寄せる。

事件を起こした元職員は、「障害者は不幸をつくりだす存在であり、社会からいなくなればいい」と主張した。この言葉は、私たち障害者の存在を根底から否定し排除する「優生思想」そのものであり、強い恐怖を突きつけた。しかし事件から10年が経った現在、社会はこの事件を「特異な人物による特異な事件」として矮小化し忘れ去ろうとしている。亡くなった19人の方々がどんな人生を歩み、どんな思いで生きていたのかという「声」は置き去りにされたままである。私たちは、この風化に大きな危機感を抱かざるを得ない。

私たちは、事件を生み出した社会のあり方に真正面から向き合わなければならない。なぜ、160人もの人たちが地域で必要な支援を受けられず、施設での集団生活を余儀なくされていたのか。その背景には、戦後の歴史の中でつくられてきた「分離社会」と、社会からの排除への無自覚さが根底にある。

同時に、これまでの障害者運動において地域移行を訴え続けてきたものの、未だに多くの人が入所施設や精神科病院などに取り残されている現状に対し、私たちの運動自体が十分に取り組めてこなかったことを課題として受け止めなければならない。

今後、どんなに重い障害があっても地域で共に生き抜いていく想いを私たち一人ひとりが持ち、行動していく。 施設や病院でなく、また家族介護を前提とせず当たり前に地域で暮らせる社会=「脱施設」への転換に向け,全力を挙げて取り組んでいく。

さらに、差別意識が生まれる土壌を根本から変える必要がある。現在の社会の大半の人が、子どもの頃から障害の有無で分ける「分離教育」で育っている。分離教育からの転換無しにはインクルーシブな社会は実現できない。障害によって分け隔てられることなく、多様な子どもたちが地域の通常学級で共に学び育つ、「インクルーシブ教育」の実現が不可欠である。

2022年、国連の障害者権利条約に関する総括所見において、日本社会に広がる優生思想や能力主義が事件を招いたとして、包括的な検証が求められた。同時に、「脱施設」と「インクルーシブ教育」の実現が緊急の課題であると強く勧告されている。私たちはこの勧告を重く受け止め、まさに事件を受けて取り組むべき「本丸」である脱施設とインクルーシブ教育の推進に向けて、協働を進め力を合わせていくことを決意する。

私たちが目指す社会は、障害を理由に分け隔てられることなく、どんな人も等しくかけがえのない存在として認められ、共に生きる社会である。いのちの価値に優劣はない。2024年に優生保護法を憲法違反とする最高裁判決が下された。しかし、戦後から長きにわたり、優生保護法によって、国は強制不妊手術など人生にわたる多大な被害を生み出し、優生思想を社会に根づかせた。私たちは、国による重大な人権侵害であった優生保護法を厳しく批判し、優生思想を蔓延させてきた歴史の深い反省に立ち、社会構造の根本的な大転換を求める。

犠牲者を追悼し、優生思想を絶対に許さず、脱施設とインクルーシブ教育を推進し、すべての人が希望と尊厳をもって暮らせるインクルーシブ社会を実現するため、私たちはこれからも声を上げ、行動し続けることをここに宣言する。

2026年7月22日 相模原障害者殺傷事件から10年
津久井やまゆり園の犠牲者を追悼し、インクルーシブ社会を目指す会  参加者一同

▽アピール文ダウンロード(ワード)


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