「相模原障害者殺傷事件から10年 津久井やまゆり園の犠牲者を追悼し、インクルーシブ社会を目指す会」 〜犠牲者を追悼し、優生思想を許さない! 脱施設とインクルーシブ教育を進めよう!〜
2026年07月23日 地域生活要望・声明権利擁護インクルーシブ教育

7月22日、参議院会館講堂にて全国から300名の方が集まり追悼集会を開催しました。
集会アピールが採択されましたので、取り急ぎご報告いたします。
なお、集会の様子は後日改めてご報告いたします。
「相模原障害者殺傷事件から10年」集会アピール
2016年7月26日、神奈川県相模原市の障害者入所施設「津久井やまゆり園」で、19名の尊いいのちが奪われ、27名が深く傷つけられるという凄惨な事件から、まもなく10年を迎える。私たちは本日ここに集い、犠牲となられた方々に心からの哀悼の意を捧げるとともに、傷つけられた方々に深く心を寄せる。
事件を起こした元職員は、「障害者は不幸をつくりだす存在であり、社会からいなくなればいい」と主張した。この言葉は、私たち障害者の存在を根底から否定し排除する「優生思想」そのものであり、強い恐怖を突きつけた。しかし事件から10年が経った現在、社会はこの事件を「特異な人物による特異な事件」として矮小化し忘れ去ろうとしている。亡くなった19人の方々がどんな人生を歩み、どんな思いで生きていたのかという「声」は置き去りにされたままである。私たちは、この風化に大きな危機感を抱かざるを得ない。
私たちは、事件を生み出した社会のあり方に真正面から向き合わなければならない。なぜ、160人もの人たちが地域で必要な支援を受けられず、施設での集団生活を余儀なくされていたのか。その背景には、戦後の歴史の中でつくられてきた「分離社会」と、社会からの排除への無自覚さが根底にある。
同時に、これまでの障害者運動において地域移行を訴え続けてきたものの、未だに多くの人が入所施設や精神科病院などに取り残されている現状に対し、私たちの運動自体が十分に取り組めてこなかったことを課題として受け止めなければならない。
今後、どんなに重い障害があっても地域で共に生き抜いていく想いを私たち一人ひとりが持ち、行動していく。 施設や病院でなく、また家族介護を前提とせず当たり前に地域で暮らせる社会=「脱施設」への転換に向け,全力を挙げて取り組んでいく。
さらに、差別意識が生まれる土壌を根本から変える必要がある。現在の社会の大半の人が、子どもの頃から障害の有無で分ける「分離教育」で育っている。分離教育からの転換無しにはインクルーシブな社会は実現できない。障害によって分け隔てられることなく、多様な子どもたちが地域の通常学級で共に学び育つ、「インクルーシブ教育」の実現が不可欠である。
2022年、国連の障害者権利条約に関する総括所見において、日本社会に広がる優生思想や能力主義が事件を招いたとして、包括的な検証が求められた。同時に、「脱施設」と「インクルーシブ教育」の実現が緊急の課題であると強く勧告されている。私たちはこの勧告を重く受け止め、まさに事件を受けて取り組むべき「本丸」である脱施設とインクルーシブ教育の推進に向けて、協働を進め力を合わせていくことを決意する。
私たちが目指す社会は、障害を理由に分け隔てられることなく、どんな人も等しくかけがえのない存在として認められ、共に生きる社会である。いのちの価値に優劣はない。2024年に優生保護法を憲法違反とする最高裁判決が下された。しかし、戦後から長きにわたり、優生保護法によって、国は強制不妊手術など人生にわたる多大な被害を生み出し、優生思想を社会に根づかせた。私たちは、国による重大な人権侵害であった優生保護法を厳しく批判し、優生思想を蔓延させてきた歴史の深い反省に立ち、社会構造の根本的な大転換を求める。
犠牲者を追悼し、優生思想を絶対に許さず、脱施設とインクルーシブ教育を推進し、すべての人が希望と尊厳をもって暮らせるインクルーシブ社会を実現するため、私たちはこれからも声を上げ、行動し続けることをここに宣言する。
2026年7月22日 相模原障害者殺傷事件から10年
津久井やまゆり園の犠牲者を追悼し、インクルーシブ社会を目指す会 参加者一同
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