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優生保護法裁判仙台高裁判決に関するDPI日本会議声明

2023年06月06日 要望・声明権利擁護

「旧優生保護法による強制不妊手術 国は謝罪と補償を!」と書かれた横断幕を持つ人々

6月1日(木)に出された優生保護法裁判の仙台高裁判決は、原告の敗訴でした。これを受け、DPI日本会議は声明を出しましたので掲載します。


2023年6月6日

優生保護法裁判仙台高裁判決に関するDPI日本会議声明

特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議長 平野みどり

DPI(障害者インターナショナル)日本会議は全国91の障害当事者団体から構成され、障害の種別を越えて障害のある人もない人も共に生きるインクルーシブな社会(共生社会)の実現に向けて運動を行っている。

2023年6月1日、仙台高等裁判所第1民事部(石栗正子裁判長)は控訴人である優生手術被害者に、請求棄却判決を言い渡した。全国で起こされている優生保護法裁判において、先頭を切って2018年1月に提訴した佐藤由美さん(仮名)、そして、長年被害を訴え続けてきた飯塚淳子さん(仮名)に対し、あまりにも非情な不当判決である。

判決は、飯塚さんが手術の約半年後には両親の会話をたまたま耳にして自身が受けた手術は優生手術であると認識したと指摘し、60代女性に対しては、母が義姉に不妊手術について伝えていたことを挙げ、2人とも「権利を行使することが不可能であった、機会がなかったとまでは言えない」として除斥期間を適用した点に、被害者らの置かれてきた状況を何ら理解することなく判決が下されたことがよくわかる。

今般の仙台高裁判決は、大阪高裁、東京高裁、熊本地裁他、各裁判所で相次ぎ出された除斥期間の適用に異議を唱えた判決に逆行するもので、到底容認できない。

「障害者は生きる価値がない」とされて、19人の仲間が殺害された津久井やまゆり園事件は、くしくも障害者差別解消法が施行されてから3か月後のことだった。

法律が施行されたからと言って、障害者への差別がなくなったとは言えず、まして障害者が妊娠・出産・育児することへの偏見・差別は、昨年12月に発覚した北海道・江差町の「不妊措置」問題でも明らかとなっている。優生保護法が社会に根付かせた優生思想は、人々の心に、あまりにも深く根付いているのである。

昨年10月に国連・障害者権利委員会から出された総括所見では、優生思想を広めたことに対する法的責任を確保するよう勧告(10b)されている。しかし、この判決は障害者やその家族、障害があるとされた者が、社会でどのような差別を受けているかを全く理解していない判断であり、強い違和感と憤りを覚える。

総括所見では、「司法及び裁判部門」も含めた専門家の間で「障害者権利条約で認められている権利の認識が欠如」(9c)していることが指摘されている。本判決は、障害者権利委員会の懸念を裏づけるものとなったと言わなければならない。

私たちは国に対し、「全ての被害者が明示的に謝罪され適当に補償されるよう、申請期限を制限せず、…全ての事例の特定と、支援の提供を含む各個人全てに適当な補償を確保すること」(38a)を求めた勧告を真摯に受け止め、障害者権利条約を履行し、障害者への差別・偏見のない社会に向けて取り組むことを強く求める。

以上

▽声明ダウンロード(ワード)

(写真提供:優生連)


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