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4/20(火)から東海道新幹線で新型バリアフリー車両運行開始!~赤羽大臣、金子社長とともに車椅子席6席車両を試乗しました~

2021年04月16日 バリアフリー

新幹線の中で集合写真
4月15日(木)に車椅子席6席レイアウトの新型N700Sを試乗しました。昨年の新幹線のバリアフリー対策検討会でまとめた新基準で作られた新型車両の1号機です(J13)。

検討会のメンバー等6人の車椅子ユーザーと、赤羽国土交通大臣、金子JR東海社長等とともに試乗させていただきました。私たち障害者の声を反映していただいた素晴らしい車両でした!

新しいバリアフリー基準(2021年7月~)

新幹線の新しい基準は総席数に応じて車いす席数が決まります。総席数500席未満は4席以上、500~1000席未満は5席以上、1000席以上は0.5%以上となります。東海道新幹線は1300席ありますので、11号車に6席+多目的室で1席の合計7席となります。

この基準は今年の7月1日から適用されますので、7月以降に導入される全国の新造車両は全て新基準で整備されます。JR東海は3ヶ月前倒しして、第1号機(J13)を導入してくださいました。

4月20日から東海道新幹線で走り出します。夏の東京オリンピック・パラリンピックまでには5編成導入する計画だそうです。当日の朝にはJR東海のHPでどの時間に走るか確認できます。

▽「新幹線のバリアフリー対策検討会」の資料はこちら

新横浜駅から東京駅まで試乗

当日は臨時列車として新横浜駅から東京駅まで運行されました。はじめに新横浜の会議室で、金子社長からのご挨拶と概要のご説明がありました。金子社長からは、今後もご意見をいただき、改善に努めたいという嬉しいお話がありました。

その後ホームに移動し、いよいよ新型車両に乗車。車内には広い夢の空間が。思わず「おおー!」と言ってしまいました。

6席レイアウト 車内の様子

⚫技術担当者からの説明

車内では、最初にJR東海の技術担当者からこの車両で導入した4つの工夫について説明がありました。

技術担当者が説明している様子

1.車椅子スペースの全長の確保

車椅子スペースの全長を広く確保するために、11号車だけ1列目の席から少しずつ前後幅を狭めて設置しているそうです(気が付かないくらい)。さらに、12号車側の客室からデッキに出るドアも、デッキ側に少しずらしているそうです。

その結果、車椅子スペースは全長1300mm×3席を確保しています(南側の席はドアに面している関係で1200mm×3席)。従来のN700Aと比べると車椅子スペースの前後幅が大幅に広くなっています。

2.通路を確保するための座席の工夫

さらに、横幅も確保するように工夫しています。車いすが左右に座っても真ん中の通路幅を確保するように、南側の固定座席(2席)をより窓側に近づけたそうです。

新幹線の固定座席は上りと下りで逆方向に回転させますので、回転させるためには座席と窓の間に少しスペースが必要なんだそうです。偏心という新しい技術を導入してこの課題をクリア。結果、通路幅64cmを確保しています。車内販売のワゴン車も十分通れました。

ワゴン車が通過できている様子

3.ドアの位置を左にずらす

南側の車椅子スペースにいる人は、ドアが開いたときに通行人と目があって気まずい、という声がたくさんあったそうです。

それを改善するために、ドアの位置を北側に広げ、自動ドアを2段階開閉にしました。歩いている人が通った時は狭めに開き(写真のように20-30センチくらい開かずに残る)、車椅子の人が通ったら全開で開くのです。これ、すごい技術だなと思いました。

ドアのセンサーについて説明を受けている様子

4.自動ドアのセンサーの感知範囲を1/4に

従来は、ドアに近い車椅子スペースにいると、自動ドアのセンサーが感知して、しょっちゅうドアが開いてしまいました。新型ではセンサーが感知する範囲を従来の1/4に狭めたため、車椅子スペース内で動いてもドアは開きません。とても良くできています。これなら気兼ねなく本読んだり弁当食べたり出来ますね。

赤羽大臣、金子社長と談笑

光栄なことに私の隣に赤羽大臣と金子社長がお座りいただいたので、いろいろお話させていただきました。

この6席レイアウトの理由は、新幹線を利用している車椅子ユーザーの半数は座席に移乗しており、移乗する人は同伴者と隣り合わせで座りたいという希望があったので、南側に2席の固定座席を残した(A席B席)。車椅子でも窓に寄って風景を楽しめるように北側は座席をとってスペースをつくってもらった。全長が長い車椅子も乗車できるように縦に車椅子スペースを並べて、長いスペースを取れるようにした、といったことをご説明しました。

さらに、昨年8月に取りまとめが出た後も、JR東海は継続して話し合いを続けてくださっており、この車両をつくっている経過も教えていただいていたし、テーブルやコンセント位置などもこれから話し合って新しいものをつくっていく予定です。継続した話し合いを続けてもらえていることに感謝申し上げました。

談笑の様子1 談笑の様子2

東京駅のホームの段差と隙間の解消

到着したのは東京駅の16番線ホームです。ここの11号車の乗降口は、は昨年12月からホームと車両との段差と隙間が解消されているのです。国交省が定めた目安値(段差3cm×隙間7cm)におさめてあります。これによって多くの車椅子ユーザーは駅員さんのスロープ介助無しで乗降できるようになりました。

その様子を赤羽大臣に見ていただきました。東京駅ではゴールデンウィークまでに17番線も同じように段差と隙間を解消し、オリンピックまでには18番線と19番線も改修するということでした。これも嬉しい改善です。

東京駅で車いすユーザーが新幹線から降りている様子

まとめ~素晴らしい未来がやってきた!~

6席レイアウトの新しい新幹線は本当に素晴らしかったです。当日乗車した車椅子6人だと、これまでは3-6本の列車に分乗しないと移動できなかったのですが、これからは同じ列車に乗って、旅の途中も一緒に楽しめるようになるのです。2019年12月に検討会が始まってから僅か1年半でこのような素晴らしい車両が導入されるとは、驚異的な進展です。

さらに、継続して話し合いを続けてくださっていますので、今後もさらなる改善に努めていきます。ソフト面でも改善が始まり、5月20日乗車分から一部車椅子席のweb予約がスタートします。こちらも注目です。

新しい新幹線は、私たち車椅子ユーザーにとっては、正に夢の新幹線です。素晴らしい車両を導入してくださったJR東海に心から感謝申し上げます。

そして、私たち障害者の声を丁寧に聞いてこの大改革を実行してくださった赤羽大臣をはじめ国土交通省鉄道局技術企画課のみなさまに、厚く御礼申し上げます。素晴らしい未来がやってきました!

▽NHKニュースにも取り上げられました!こちらもご覧ください。(外部リンク:NHK)

参考:第2回オンラインミニ講座「新幹線のバリアフリー対策」


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