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参議院本会議場傍聴席のサイトライン確保について要請報告

2018年05月29日 バリアフリー

5月11日に参議院本会議でバリアフリー法改正法案の代表質問があり傍聴に行ってきました。参議院本会議場には正面向かって右後ろ最上段に車いす用席(4台くらい)があるのですが、席の前にある手すりがちょうど目の高さにあり、見にくかったのです。改善をお願いしていたところ、5月28日(月)に担当者の方々と話し合いをさせていただけることになり、DPI日本会議事務局長の佐藤とバリアフリー部会メンバーの工藤で行ってまいりました。

写真:車いすに乗った状態での視界。手すりが視界を遮っていて演壇が見えない。

車いす用席がある傍聴席は勾配がきつく、議員席や演壇を急角度で見下ろす形になりますが、車いす席の前の手すりが目の高さにあり、演壇で発言している人の姿が全く見えないという問題があります。車いす席のサイトラインについては、IPCガイドラインでも“柵や手すり等の障害物が車いす使用者の視線を遮らないようにすべきである。”と記載されており、手すりの高さは床から80cm未満が好ましいとされています。しかし本会議場の手すりは床から約100cmの高さに設置されています。設計施工担当者によると、施工した昭和53年は手動車いすが主流だったため、上部の手すりの下から見ることを想定していたということです。さらに、国会見学に訪れた子どもが誤って手すりを超えて転落しないように考慮した高さにしたとのことでした。

写真:手すりの下から見た視界。手すりから後方に離れるか、背もたれを倒さないと見えない。また、議員席がほとんど見えない。

それらの事情も踏まえつつ、現在は座高の高い電動車いすも広く普及していることや、手動車いすの高さでもなお視界が遮られている事実をお伝えし、手すりを床から80cm未満に設置してもらえるよう要望しました。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けての先進的な取り組みも紹介し、本会議場だけでなく全国各地の様々な施設でもサイトラインの考えを広めていって欲しい旨を伝えました。
話し合いの中で教えていただいたのですが、参議院本会議場は現在の傍聴席に加え新たに車いすでアクセス可能な傍聴スペースを増やす予定(2018年度中・正面向かって左横)だそうで、施工の際には今回の要望を踏まえサイトラインを考慮して頂けるとのことでした。完成したら、ぜひ国会見学ツアーを企画して、見に行きたいと思います。
本日の現地視察にあたり、ご協力くださった伊藤孝恵参議院議員、施工担当者の方々、お忙しい中誠にありがとうございました。

(DPI日本会議バリアフリー部会 工藤登志子)

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