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「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン(改定案)」に関する意見募集中(3月10日まで)

2018年02月16日 バリアフリー

現在、国会にバリアフリー法改正案が上程され、4月から審議が始まる見込みですが、一昨年からバリアフリー整備の移動等円滑化基準(義務基準)や、ガイドラインの見直し作業が進められています。

このたび、改定の案がまとまり、パブリックコメント募集が始まっています。3月10日まで下記のサイトから意見を送れます。ぜひ、みなさん、意見を沢山送ってください。

▽「公共交通機関の移動等円滑化整備ガイドライン」改訂案に関する意見の募集について(外部リンク:e-Gov)


パブリックコメントについて、ポイントをご説明します。

1.3つの基準

各項目に、下記の3つの基準が書かれています。

◎移動等円滑化にもとづく整備内容:これが義務基準です。この基準は必ず守らなければなりません。

○標準的な整備内容:これがガイドラインの基準です。義務ではないが、ここまではやってほしいというもの。最低限ここまでは入れさせたい。

◇望ましい整備内容:できればやったほうが良いという基準で、ちょっと弱い。

移動円滑化に基づく整備内容が義務基準ですので一番重要で、その下に行くほど弱くなります。ただ、義務ではないために、内容はこちらの方が良いです。良い整備基準をいかに移動等円滑化に入れさせるかが最大のポイントです。

2.各項目のポイント

■公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドラインについて(PDF)(テキスト)

1-①移動等円滑化された経路(P.1)
◯主動線が利用できない非常時も勘案し、移動等円滑化された経路を複数確保することが望ましい
◯規模の大きい、又は利用者の多い旅客施設、特に鉄道駅にあっては、主要な出入口から移動等円滑化された経路を確保する。

→こういったことが入り、規模の大きな駅は複数のバリアフリールートの整備が盛り込まれているが、ちょっと書きぶりが弱い。検討段階では、10万人以上の駅は複数化という案も出ていたが、10万人以上では対象駅が少なすぎる。

1-⑦昇降機(エレベーター)(P.13)

◎義務基準は11人乗り以上(これまでと同じ)

○望ましい内容として、「当該旅客施設の高齢者、障害者等の利用状況を考慮し、適切な輸送力を確保するよう、設置台数を検討するとともに、以下の表も参考にし、設置するエレベーターのかごの内法幅及び内法奥行きの大きさを選定する。」となった。

→表は11人乗りから24人乗りのサイズが書かれている。書き方が弱い。IPCアクセシビリティガイドや東京2020アクセシビリティガイドラインでは17人乗り以上とされている。利用者が多い駅は24人乗り以上とか、2台設置にするとか、もうちょっと具体的に複数化大型化を書くべき。

■可変式情報表示装置(P.23)

→ここは移動等円滑化基準がなく、◯と◇のガイドラインどまりだが、書かれていることは聴覚障害者にとって重要な事ばかりであり、義務基準に加える必要がある。特に、異常時の運行情報等の提供の実現。遅延に係る情報及び運休に伴う振替輸送に係る情報の提供は義務基準に盛り込むべきではないか。

■車両とプラットホー ムの段差及び隙間の解消(P.50)

→ここは移動等円滑化基準では「◎鉄軌道車両とプラットホームの段差又は隙間について、段差はできる限り平らに、隙間はできる限り小さいものとする。」と数値目標なく不十分な書き方。今までもこれだったので、結果的に段差と隙間が解消されてこなかった。その点を委員会でも発言し、最終的には2018年度に調査研究して再度検討となっている。数値目標(段差2cm以下、隙間3cm以下)を上げて、意見を送ってほしい。


■公共交通機関の車両等に関する移動等円滑化整備ガイドラインについて(PDF)(テキスト)

1-⑤車椅子スペース(P.4)

◎移動等円滑化基準では1列車に2以上。

→通勤型車両は1車両に1以上にしてほしい。

◯標準的な整備内容は、利用者が多い場合は1車両に1以上のフリースペース。

→義務基準でもこれにすべきではないか。

2-③車椅子スペースと座席(都市間車両、新幹線や特急車両はここ)(P.12)

◎1列車に2ヶ所以上。

→移乗なく利用可能な車椅子スペースを2ヶ所だけでなく、自由席、指定席、グリーン車にそれぞれ設けることが必要。さらに、移動等円滑化基準には車椅子スペースサイズが書かれていない。長い車いすも乗車できるように1,400mm 以上×750mm 以上が必要ではないか。

◯標準的な整備内容の車椅子スペースのサイズ

「車椅子スペースは 1,300mm 以上×750mm 以上を確保する。ただし、車椅子使用者が同じ向きの状態で利用する車椅子スペースを 2 列以上縦列して設ける場合にあっては、2 台目以降の車椅子スペースの長さは 1,100mm 以上とすることができる。」

→2台目以降は1.100mmとなると、電動車いすや長さのある車いすはとめられない。2台目以降も1.300mmが必要。

DPI日本会議 バリアフリー部会

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