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行ってきました、韓国!
~韓国の精神障害者を取り巻く状況に関する討論会~

2018年08月14日 国際協力/海外活動

8月8日~10日、八王子精神障害者ピアサポートセンターの竹沢幸一さんとDPI日本会議事務局員の鷺原由佳が、韓国のクムチョンCILとヤンチョンCILから招聘されて、韓国へ行ってきました。

主な目的は、9日に開催された討論会への出席でした。現在、韓国の精神障害者は「障害福祉法」と「精神健康福祉法」という二つの法体系のもとで、福祉のデッドゾーンに置かれているのです。強制入院・長期入院など、専門家の立場の医療システムによって精神障害者の福祉支援は「治療」と「リハビリ」に偏っており、脱院化を通した地域への転換体系はまったくない状況とのこと。これは日本にも似ているところがあると思いました。
討論会を主催したクムチョンCIL、ヤンチョンCIL、韓国障害者団体総連盟は、地域の中で精神障害者の主体的な生活と権利回復のため努力をしている団体で、地域社会内の精神障害者の自立生活を実践するため、内・外部活動を通じて意見を出しているところでもあります。

クムチョンCILの入っているビル
<クムチョンCILの入っているビル>

一日目はクムチョンCILに訪問し、お茶とお菓子をいただきながら懇談会を行いました。クムチョンCIL、ヤンチョンCILで現在取り組んでいる精神障害者への支援、エンパワメントなどについて、熱い話を聞くことができました。精神障害者のリーダーを積極的に養成するプログラムの紹介や、エンパワメントの手法としてのピアカウンセリングの活用などを聞きました。これまでなかなか地域でリーチできなかった精神障害者に対して、この現状をなんとか変えていこうという各センターの本気を知ることができ、とても心強いことだと感じました。

クムチョンCILでの集合写真。中央にいるのが所長のファン・ベンナムさん
<クムチョンCILで。中央にいるのが所長のファン・ベンナムさん>

二日目の討論会では、まず竹沢さんと私から「日本の精神障害者の権利保障のための積極的措置行動過程の事例発表」を行いました。私から日本の法制度の問題点や課題を、竹沢さんからは地域生活をする日本の精神障害者の姿を発表しました。続いて、韓国の法改定及び地域社会中心の個別支援体系方案を討論しました。精神障害者の権利保障のための方案を模索し、当事者主体性の回復を図ろうとする一貫した姿勢に、招かれた私の方が勇気をもらいました。
今回の討論会が、韓国の精神保健福祉施策の前進の一助となることを願っています。日本も歩を合わせて、一緒に歩んでいけたら嬉しいです。
発表する竹沢さん(右)と通訳のウォンさん 発表する鷺原
討論会の様子 討論会参加者で集合写真

最後に、討論会を主催してくださった皆さん、準備段階から討論会の通訳までしてくれたウォン・フェジンさん、そして初日から帰国の日まで通訳と案内をしてくれ(最終日は市場でたくさん買い物ができました!)、大切な友達となってくれた中山雅恵さんに、心から感謝申し上げます。

<おまけ>
サムギョプサル おいしいご飯

スンドゥブチゲ 雅恵さん(右)と鷺原と、カメラを構える竹沢さん

韓国の夜は美味しいもので溢れていました!マシッソヨ、カムサハムニダ!

(事務局員 鷺原由佳)

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