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12月12日(土)・13日(日)「就労支援フォーラムNIPPON 2020 THE ANSWER」に岡本直樹常任委員が登壇しました

2020年12月21日 雇用労働、所得保障

オンラインから見た発言中の岡本直樹常任

12月12日(土)・13日(日)に日本財団主催による「就労支援フォーラムNIPPON 2020 THE ANSWER ~この声、思いにどう答えるのか~」が東京会場とオンラインの両方の参加により行われ、多岐にわたるプログラムの最後の1つ、パネルディスカッションEにDPI日本会議常任委員の岡本直樹(CILふちゅう)が登壇したので、報告します。

プログラム:

パネルディスカッションE(14:40〜15:50):障害者雇用支援制度再編への提案 ~雇用と福祉の垣根をこえた、新しい就労支援体系はその答えとなるか~

○趣旨「働くことを生活の中心としている障害者にとって、障害者雇用促進法と障害者総合支援法は支援の重要な法的根拠である。しかし福祉施策と労働施策の縦割り行政で、しかもその都度、必要に迫られての法改正による弊害があるように思える。大ナタを振るう時期に来ているのではないだろうか?雇用と福祉の一体的取り組みを考えたとき、特例子会社、A型、B型、就労移行、就業・生活支援センターなど、現行のままでよいのか?まずは就労支援体系の見直しについて考えてみたい。」

○登壇者(敬称略)
有村秀一 障害者雇用企業支援協会 理事
鈴木 暢 全国社会就労センター協議会 制度・政策・予算対策委員
酒井京子 NPO法人全国就業支援ネットワーク 代表理事
近藤 淳 全国精神障害者地域生活支援協議会 事務局長
岡本直樹 認定NPO法人DPI日本会議 常任委員
久保寺一男 NPO法人就労継続支援A型事業所全国協議会 理事長

〇進行:藤井克徳 きょうされん 専務理事

パネルディスカッションの報告

シンポジウムの始めに進行役の藤井さんから、過去20年間での障害者雇用に関る施策等の動きの振り返りがありました。2001年に厚生省と労働省が統合再編され厚生労働省が発足してから来年の1月で20年になること、当時、縦割り行政の弊害が幾分かでも減ることが大いに期待されたが、障害者の雇用施策と福祉施策の連携については未だ課題が残っていること、また日本の障害者の福祉的就労が労働法による保護の適用除外である点についてILO(国際労働機関)への申立が行われ、ILOより改善に向け意見書があったこと。

さらに2009年からの障害者制度改革を経てこの間大きく施策が変化してきたなか、2018年に中央省庁による障害者雇用水増し問題が発覚し、2018年02月27日に超党派の「障害者の安定雇用・安心就労促進をめざす議員連盟」(略称:インクルーシブ雇用議連)が発足したことは1つの出発点であることが述べられました。また当シンポジウムでは登壇者それぞれ団体を背負って参加しているが、本日は個人の見解も含めて意見を述べてもらいたい等の確認がありました。

また久保寺さんから、インクルーシブ雇用議連に平行して、市民側の集まりができたこと、そこでの議論を1年ほど重ねてきたなか、今回、「障害者就労支援体系図(将来施策)検討案」という形で、現行の障害者雇用(一般的雇用)と就労継続支援A・B型等の「中間的就労(仮)」、また雇用とは異なる様々な活動を行う場(デイセンター)の各事業を再検討していくことを暫定的に図として示したとの説明がありました。

岡本常任からは、自身の経験で、授産施設の利用者として週5日間働いても月5000円程度の収入であった「福祉的就労」を振り返り、また、現在の職業である事業所運営にあたり、日常生活の支援には重度訪問介護制度の介助ヘルパーを使うことができるのに、職場で使う場合には利用者の持ち出しになる現行の制度の欠陥について発言を行いました。

またDPI日本会議として職場や通勤・通学時にもヘルパーを使えるようにすることを一貫して求めていること、そのために省庁を越えた財源拠出の在り方の検討なども今後必要な課題である旨述べました。また進行役の藤井さんからもこの発言を受け、重度訪問介護等の障害福祉サービスと労働側の雇用支援制度を両方とも使えるよう、展望を含めこれからの検討会でぜひ議論すべき点であることの確認がありました。

各シンポジストが雇用と福祉サービス利用をめぐる現在の課題と将来的な施策への展望、また、雇用施策と福祉施策の垣根を越えた将来の施策の在り方をめぐって、現在厚労厚労省で開催されている「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」への期待と注文を述べ合い、短い時間でしたが充実した内容でした。

最後に進行役の藤井さんから、このシンポジウム当日と同じ12月13日に採択された障害者権利条約(2006年)に「他の者との平等」という文言が35回出てくること、障害のある人とない人との格差が最も現れ得る雇用の問題は各国の障害者施策のバロメーターとも言えるとの発言があり、今後の厚労省検討会、またインクルーシブ雇用議連、および市民側の取組みへのいっそうの関心を呼びかけました。

報告:浜島(事務局)

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