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【報告】障害者権利条約の審査・総括所見を活用した国内法制度整備事業 2023タウンミーティングinぐんま(キリン福祉財団助成事業)

2024年02月09日 インクルーシブ教育障害者権利条約の完全実施

集合写真

私たちDPI日本会議は、公益財団法人キリン福祉財団助成事業として、「障害者権利条約の審査・総括所見を活用した国内法制度整備事業」を実施しています。

この事業は、国連障害者権利委員会から出された総括所見を実際の法制度の立案、改善に活用するために、総括所見の指摘内容について整理、分析し、取り組み課題の明確化を図り、総括所見の意義やその内容について、障害者団体をはじめとする市民社会に広く共有するための普及啓発を行う事業です。

この取り組みを通じて国や自治体レベルにおける法制度の改善に結び付けていきたいと考えています。

2023年度もタウンミーティングを全国で実施し(北海道、大阪、宮崎)、最後の都市として、2023年12月9日(土)に群馬県で実施しましたので報告いたします。

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総括所見では、施設や病院からの地域移行とインクルーシブ教育について、特に国連障害者権利委員会の関心は高く、日本政府についてその実現に向けて「強い要請」がされています。

群馬県では、インクルーシブ教育推進を山本一太知事が掲げており、タウンミーティング当日も山本知事に会場にお越しいただき、「群馬県はインクルーシブ教育に力を入れている」「モデル校を創ることも検討しており、保護者や地域の方など様々な関係者の理解や協力が必要だ」と力強いご挨拶をいただきました。

山本一太知事

また、来賓として衆議院議員で障害者権利条約推進議員連盟事務局長の笹川博義議員にもお越しいただきご挨拶をいただきました。笹川議員にはお忙しい中、前半のプログラムを最後までご参加いただきました。ありがとうございました。

笹川博義議員

松本元志議員

まず、DPI日本会議議長補佐の崔栄繁より、2023年8月にDPI日本会議と東京大学大学院教育研究科が締結した「フルインクルーシブ教育事業に関する連携協定」について報告しました。

講演する崔

この取り組みの柱の一つとして政策提言の強化、地方公共団体との連携を掲げているため、知事からいただいた挨拶のお言葉、昨年度に引き続き、群馬県との共催でタウンミーティングを実施することができたことは私たちにとって、とても嬉しいものでした。

続いて、東京大学の小国教授にご登壇いただき、「インクルーシブ教育は人権の問題で、効果がある/ないの問題ではない」「すべての子どもにとって、教員にとって安心して居ることができる学校をつくることが重要」とお話しいただきました。

講演する小国教授

会場には、約130名の方が集まりました。群馬県内外を問わず、世代も立場も様々な方に参加していただき、皆さん小国教授のお話しを食い入るように聞いていました。

後半のシンポジウムには、東京インクルーシブ教育プロジェクト代表で群馬県出身、普通学級で学んだ脳性麻痺の障害がある川端舞さん、群馬県内で障害のある子どもや家族の居場所をつくる活動をされている「笑って子育てロリポップ」代表の石川京子さん・知果さん親子、群馬県議会議員で障害に関する取り組みを積極的に行っている鈴木敦子さんにご登壇いただきました。

登壇者の皆さん

川端舞さん 石川さん親子 鈴木さん

ご自身の経験や活動についてご報告いただいたのち、会場からの質疑や、小国教授からのコメントも織り交ぜながら会場全体を巻き込んで進める活発的なシンポジウムとなりました。

また、今回のタウンミーティングは、地元団体である「インクルーシブぐんま」の設立を記念するものでもありました。

冒頭に、群馬県議会議員でインクルーシブぐんま顧問の松本基志さんからご挨拶がありました。インクルーシブぐんまの活動はインクルーシブ教育を根幹に、インクルーシブ社会の実現のために、「群馬だから出来ること」「群馬の強み」を活かし、関係する地元のみなさんと協力しながら活動、発信を進めていくとのことでした。

「障害者権利条約」や「総括所見」など漢字ばかりの名前を聞くと、難しそうだしわかりにくそうだと反射的に思ってしまいがちですが、その内容は知れば知るほど私たちの日々の生活のことだと感じます。

『地域の声を集め、国の施策に反映させ、また国の施策を地域へ届ける事』がDPI日本会議の活動の鍵です。各地でタウンミーティングを開催することで、たくさんの声をいただきました。

3月には本事業の成果報告会を予定しています。国の施策に反映できるよう努めます。皆さまのたくさんのご参加をお待ちしています。(詳細は後日発表させていただきます。)

私たちDPIやインクルーシブぐんまなどの市民団体、知事をはじめとする行政府の皆さん、そして県議会で活動する立法府の皆さんそれぞれが、各々の立場から、持てる力や知恵を出し、インクルーシブ社会の実現に一歩ずつ進んでいければと思います。

「今回のこの群馬からの発信が、大きな契機となった」と、のちのち振り返ることができたなら、こんなに嬉しいことはありません。

最後になってしまいましたが、共催いただきました群馬県の皆さま、協力いただきましたインクルーシブぐんまの皆さま、助成いただきました公益財団法人キリン福祉財団の皆さまありがとうございました。心より御礼申し上げます。

岡部夏実(事務局長補佐)


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