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「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2025年6月号)

2025年06月02日 地域生活バリアフリー権利擁護雇用労働、所得保障障害女性国際/海外活動

今月はここに注目!

現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2025年6月号」をお届けします。

今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。

これを読めば一目瞭然!

凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て

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地域生活

◎大注目!
第2回 障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会

6月中に第2回「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」が開催予定です。第1回の検討会は5月26日(月)に開催されています。

以下のリンク先に検討会のページがありますので、過去の資料や今後の開催案内など確認する場合はこちらのページをチェックしてみてください。

▽障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会(外部リンク:厚生労働省)

バリアフリー

◎大注目!
JR西日本 段差解消機(可動スロープ) 視察に行って感想をお寄せください!

<ワンポイント解説>

JR西日本がホームの段差と隙間を解消する可動スロープを開発しました。10月までに新大阪駅と桜島駅で実証実験を行っています。ぜひ、乗りに行って、感想を送ってください。

設置されている場所は、新大阪(2番足元△7付近)、桜島(1、2番足元◯7付近)です。エキスポライナーに乗るように設置しているそうです。

▽車椅子をご利用のお客様に安心・快適にご利用いただくため、列車乗降時の段差・隙間の解消に向けた検証を行います(外部リンク:JR西日本)(PDF)

5月にバリアフリー部会で担当者から説明をしていただいたのですが、ぜひ、感想を聞かせてほしいということでしたので、特に関西地方の方、乗りに行って感想や意見をDPI佐藤まで送ってください。JR西日本の担当者に送りたいと思います。


○注目!
日程未定!移動等円滑化関東分科会

<ワンポイント解説>

改正バリアフリー法を受けて、当事者が評価する仕組みとして移動等円滑化評価会議が立ち上がりました。

全国10ブロックでは、それぞれ移動等円滑化地域分科会が年に1回程度開催されています。大体が、6月から9月に開かれています。関東分科会は6月中に開かれる見込みです。その後、各地で分科会が開かれ、地域の取り組みが報告されます。

▽移動等円滑化評価会議関東分科会(外部リンク:国交省)

権利擁護

◎大注目!
災害対策基本法の改正と登録制度の欠格要件について

<ワンポイント解説>

今国会で災害対策基本法の改正案が審議されています。改正のポイントは、「被災者援護協力団体」の登録制度の創設です。避難所の運営支援、炊き出し、被災家屋の片付け等の被災者援護に協力するNPO等を登録するというもので、登録団体は市町村から被災者等の状況提供を受けられるようになります。

しかし、この登録団体には「心身の障害により被災者援護協力業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの」という欠格条項があります。衆議院での審議ではこの問題が指摘されました。参議院での審議で、この欠格条項が削除されるのか注目です。

また、法改正に先行して5月に実施された登録被災者援護協力団体に関する内閣府令のパブリックコメントでは、「被災者援護協力業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」とされています。

東日本大震災等では、DPIや様々な障害者団体が被災障害者の支援に取り組んで成果を上げてきました。そのような実態を踏まえて、この欠格条項がどうなるか注目です。

国際協力

◎大注目!
トランプ政権で世界が混乱していますが、アメリカの障害者も混乱しています

<ワンポイント解説>

①5月22日に下院で可決された予算調整法案

下院は、富裕層のための税制優遇措置に資金を供給するために、メディケイドの大幅な削減予算を可決しました。

メディケイドの受給資格者を変更することにせよ、労働要件を通じて官僚主義を追加することにせよ、提案されたすべての変更は、最も必要とするアメリカ人の重要な医療へのアクセスを減らす結果になります。

メディケイドは単なる健康保険ではなくライフラインであり、介助者、在宅やコミュニティのサービス、および障害を持つ人々や高齢者が尊厳と選択を持って生活できるようにするその他のサポートなどの基本的サービスに支払われています。

▽Tell Congress: No Cuts to Medicaid(外部リンク:Every Action)(英語)

②3月に開始された大規模な教育省での解雇

公民権局(OCR)と教育科学研究所で始まった職員の削減は、自閉症や重度の知的障害の子どもたちを教育する効果的な方法について政府が資金提供する研究を見直す職員が少なくなることを意味します。

▽How Education Department layoffs could impact students with disabilities(外部リンク:NBC NEWS)(英語)

その中には、障害児に対する差別の苦情を調査する弁護士を担当する公民権局職員も含まれています。

歴史的に事務所の仕事の最大の割合を占めてきた障害児に関する事件の処理を、より少ないスタッフで進めることができるかどうか疑問です。

▽Education Department staff cuts may reduce support for families of children with disabilities | AP News(外部リンク:AP NEWS)(英語)

③性別違和をリハビリテーション法第504条に基づく障害として分類する新しい連邦規則に異議を唱える訴訟が、第504条全体を弱体化させる前例となる懸念

テキサス州を筆頭に、共和党が主導する17の州の訴訟では、性別違和を持つ個人にも合理的配慮の提供を義務付け、過度の財政的および行政的負担を課していると主張しています。

第504条に対する訴訟が、連邦政府の執行を弱めたり、障害の定義を狭めたりする判決につながった場合、障害を持つ個人が医療、教育、雇用、交通、および自立生活にアクセスする能力を脅かします。

障害者の権利運動は、これらの保護のために長い間戦ってきましたが、擁護者は、この訴訟が何十年にもわたる進歩を台無しにするのではないかと心配しています。

▽Ventilator-Assisted Living (Vol. 38, No. 4, September 2024)(外部リンク:ventnews)(英語)


○注目!
世界障害サミット2025に報告書「世界障害者インクルージョンレポート」が提出されました

<ワンポイント解説>

4月2日~3日にベルリンで開催された世界障害サミットで報告された「世界障害者インクルージョンレポート」は、私たちの世界を形作る大きな変化が、障害者の多様性にどのように影響し、これらの変化に対処し、生活のあらゆる側面でインクルージョンを推進するための道筋をまとめています。

今後の私たちの運動の戦略を練るうえで大いに参考になります。

■主なポイント

▽詳細:Global Disability Inclusion Report – Global Disability Summit(外部リンク:GLOBAL DISABILITY SUMMIT)(英語)


〇注目!
あらゆる分野において困難に直面している世界でのUN80イニシアチブが発表されました

<ワンポイント解説>

国連は、平和、持続可能な開発、人権を促進する上で必要不可欠な、唯一無二の集いの場ですが、資源が縮小しつつあります。より一層の緊急性と野心が必要であることを踏まえ、国連創設80周年にあたる今年、国連総長は「UN80イニシアチブ」の正式な立ち上げを発表しました。

目的は、加盟国に対し、以下の3分野について提案を示すことです。

  1. 国連の活動における効率化と改善の領域を速やかに特定すること
  2. 近年大幅に増加している、加盟国が国連に課したすべてのマンデートの履行状況を徹底的に見直すこと
  3. 国連システムに関する、より踏み込んだ、より構造的な変革とプログラムの再編成について戦略的な見直しを行うこと

国連によって障害者権利条約が各国で実践されるようになり、障害者権利委員会で各国は実施状況を報告せざるをえなくなり、総括所見に沿った政策を実施せざるを得ないと状況が生まれ、障害分野での権利の推進は飛躍的に増大しています。

その国連が、私たちの要求にさらに応えてくれるよう、国連を支援していきましょう。


○注目!
動画:「SDGsは誰のもの?」が公開されました

<ワンポイント解説>

SDGsの認知度は高いのに、なぜSDGs達成度はこんなに低いのか?

市民活動団体は、こんなに「誰一人取り残さない」活動をしているのに、SDGs達成への取り組みが表面的だと感じているのか?に、向かい合ってSDGsジャパンが作成しました。動画には障害者も含まれています。

▽動画「SDGsは誰のもの?」を公開!【NPOのSDGs全国調査プロジェクト】(外部リンク:SDGs市民社会ネットワーク)

障害女性

<ワンポイント>

DPI女性障害者ネットワーク(DWNJ)は公益財団法人ジョイセフの協力団体として「日本におけるすべての人のSRHRとジェンダー平等のためのセクター間連携事業」の委託を受けることとなりました。

SRHRとは「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖の健康・権利)のことで、自分自身の身体に関する大切な自己決定権のことです。

しかし、優生保護法によって障害者のSRHRは否定され、未だ回復していません。SRHRの回復に向け、この連携事業に取り組んでいきます。

この事業の1つとして、昨年10月に行われた女性差別撤廃条約日本審査のロビーイング報告会を7月に行いますので、ぜひご参加ください!


○注目!
わたしのカラダ、わたしの権利を国連へ!~女性差別撤廃条約ロビーイング報告会in神戸~

私たちは、国連という世界の会議で、日本のことを話してきました。特に、「障害のある女の人」が、どんなことで困っているかを伝えました。

たとえば、

こうしたことは、「性と子どもを産むことに関する権利(SRHR)」といって、世界中でとても大切にされています。これから、日本がどうすれば、みんなが生きやすくなるかを、一緒に考えていきましょう!

■日時:2025年7月27日(日)13:00〜16:00
■開催方法:対面およびオンライン
■会場:あすてっぷKOBE セミナー室1

(〒650-0016 兵庫県神戸市中央区橘通3丁目4-3 男女共同参画センター)

■参加費:無料(事前の申込みが必要です)
■申込先:お申込みフォームよりお申込みください。

※フォームでの申込みが難しい場合は、下記のお問合せ先にご連絡ください。

■情報保障

※オンライン参加の場合、グループワーク時の情報保障は、文字通訳のみの対応となります。

■発表者

伊是名 夏子氏(コラムニスト)
住田 理恵氏(兵庫ピープルファースト)
南 由美子氏 (DPI女性障害者ネットワーク)
藤原 久美子氏(DPI女性障害者ネットワーク

■問い合わせ先

DPI女性障害者ネットワーク(担当:南、島野)
メール:diamond.women.with.disabilities☆gmail.com(☆→@)
※メールが難しい場合のみ、電話又はファックスでお問い合わせください。
電話:078-641-6618(自立生活センター神戸Beすけっと:月~金 10:00~14:00)
ファックス:078-641-6632(自立生活センター神戸Beすけっと)

▽チラシ(PDF)

雇用労働・所得保障

○注目!
NAP改定へ──「ビジネスと人権」の実効性、私たちは何を見てきたのか

<ワンポイント解説>

2025年、政府が2020年に策定した『「ビジネスと人権」に関する行動計画(NAP)』が改定を迎えます。これは、企業活動と人権尊重の在り方を問う、国としての大きな節目です。

4年間にわたって実施されたNAPの成果と課題を振り返るため、7月1日(火)に「評価指標」をテーマとした公開勉強会が開催されます。人権ライブラリー(東京・港区)とオンラインのハイブリッド形式で行われ、企業、NGO、国際機関、法律家など多様なステークホルダーが登壇し、当会からは伊藤常任委員が登壇します。

注目すべきは、NAPの実効性を測る「評価指標」をどう設計するか、という議論の核心です。人権の尊重が企業活動にどれほど組み込まれているかを「可視化」するためには、曖昧な表現や自己申告的な体裁に終始するのではなく、具体的かつ比較可能な指標が求められます。

今回のイベントでは、これまでの実施内容を分析した「ステークホルダー報告書」や、国際的な人権評価フレームワークに関する報告も予定されています。また、企業・国際機関・市民社会のそれぞれが、次期NAPへの期待と提案指標への意見を表明する「リレートーク」も見逃せません。

NAPは政府の政策文書であると同時に、日本社会全体が「人権をどう守るか」の姿勢を問うものです。形式的な改定にとどまらず、「評価指標」というレンズを通して、誰もが議論に参加できる機会として活かしたいです。

優生保護法と優生思想

<ワンポイント>
被害回復に向けた第一作業部会の第一回目が、5月22日(木)に開催されました。こども家庭庁だけでなく、厚生労働省からも出席があり、補償法認定状況の確認や、個別通知、周知・広報に関して協議が持たれました。
また、人権教育・啓発の第二作業部会、偏見差別の根絶にむけた第三作業部会についても、それぞれ担当省庁が確定し、7月以降に開催することで調整に入りました。
また、昨年歴史的判決のあった7月3日に日本弁護士連合会が相談窓口を開設しますので、周知にご協力ください!


○注目!
全国一斉旧優生保護法相談会

■日時:2025年7月3日(木)10時~16時
■通話料無料、予約不要
■電話番号:0120-73-0008
■ファックス:0120-073-133

優生保護法に基づく不妊手術・人工妊娠中絶についてのご相談を弁護士が無料でお受けします!

補償金の手続きがよく分からない/手術を受けた証拠がないけれど…/家族・知人が被害者かもしれない/サポート弁護士って何だろう?など、弁護士に直接、電話・FAXで相談できます!

○ご注意事項

【個人情報の取扱について】

御提供いただいた個人情報は、日本弁護士連合会の個人情報保護方針に従い厳重に管理します。

御提供いただく情報の中には、要配慮個人情報を含みますので、あらかじめ同意の上ご相談ください。

なお、個人情報は、統計的に処理・分析し、その結果を個人が特定されないような状態で公表することがあります。

■主催:日本弁護士連合会・各弁護士会

<優生保護法の補償金の申請にあたっては、無料で弁護士のサポートが受けられます!>

サポート弁護士制度、知っていますか?ご希望があれば請求手続きを弁護士が無料でサポートします。ご利用を希望される方は、お住まいの都道府県の窓口にお問い合わせください。

こども家庭庁の相談窓口は以下のとおりです。

電話:03-3595-2575(土日祝・年末年始除く10時~17時)ファックス:03-3595-2753
メールアドレス kodomokatei.hoshokin@cfa.go.jp(こども家庭庁旧優生保護法補償金等相談窓口)

■補償金の支給

支給額:本人 1500万円
配偶者 500万円 ※事実婚を含む
対象:旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた本人でご存命の方及びその配偶者(死亡している場合はその遺族である配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、ひ孫又は甥姪)

■優生手術等一時金の支給

対象:旧優生保護法に基づく優生手術等
支給額:320万円
※上記補償金を受給した場合も支給される

対象:旧優生保護法に基づく人工妊娠中絶
支給額:200万円
※一時金を受給した場合には支給されない

伺ったお話の秘密は守ります。
おひとりで悩まず、サポート弁護士をぜひご利用ください。
都道府県の窓口に「サポート弁護士を利用したい」とお申し出ください。
サポート弁護士の費用は全て無料です。
優生手術や人工妊娠中絶の事情を弁護士が伺います。
請求に必要な書類を弁護士が調査します。

▽ルビなしチラシ(PDF)

▽ルビありチラシ(PDF)

以上


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