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DPI障害者差別解消ピアサポートから、2021年度上半期の報告です

2021年12月09日 権利擁護雇用労働、所得保障

レポート

日頃のご支援に心よりお礼申し上げます

日頃より、DPI障害者差別解消ピアサポートの活動に、ご理解、ご支援いただきありがとうございます。

2021年6月改正障害者差別解消法が公布されました。民間事業者における合理的配慮について、努力義務から義務化されるなど、一定の前進が見られました。しかし法施行は、3年を超えない範囲とされており、具体的な取り組みは、現在、内閣府障害者政策委員会で議論されています。

ピアサポートの相談員を始め、寄せられた相談について、事例分析を行うなど、解決の一助を担い、これまで以上に障害者差別の解消に向けた取り組みを加速させていきます。

所長  辻 直哉

ご相談傾向

2020年4月より、DPI障害者権利擁護センターから名称変更をし、活動内容の見直しを行ないました。旧センターでは、相談者から、「自分の代わりに交渉してほしい」「代理して権利を守ってほしい」といったご希望が多く寄せられていました。その度に「私たちは代理しません」といったんお断りし、ご自身が自分の権利を擁護しながら解決をめざすためのお手伝いをしてきました。

障害者差別解消ピアサポートでも、こちらの姿勢は同じですが、「どうすればよいか一緒に考えて、一緒に進んでいく」という対応方法に、すぐご納得いただけることが増えました。

名称を変えた影響かもしれませんが、それよりも障害者権利条約の理念が社会に浸透してきたのではないかと、前向きに考えています。今年度は特に福祉サービス関連と就労関連のご相談が多く寄せられました。

<図1>

相談種別の円グラフ

図1 相談種別 福祉S関連21.2%、財産管理6.1%、生活保護3%、就労18.2%、教育6.1%、医療3%、交通3%、所得保障6.1%、その他33.3%

福祉サービス関連は、本来なら障害者総合支援法における相談支援事業へ寄せられますが、「その窓口で障害を理解されない」「合理的配慮を提供されない」などの差別を被り、相談自体をあきらめ、苦しい状況に追い込まれる方がいます。

また、就労関連においては、本来なら、相談支援事業、ハローワーク、労働局などの相談窓口へ寄せられる相談ですが、「窓口の開設時間と就業時間が重なっていて相談できない」「相談しても第3者として介入してもらえず、職場といくら話し合っても合理的配慮を提供されない」などの理由でこちらに相談がありました。相談をすること自体に高いハードルがある現状がみえます。

相談支援事業所では民間企業に勤める方だけを対象にしているなどのルールがあり、公務員や自営業の方の相談先を見つける困難がありました。ただ、東京都や大阪府など一部の都道府県では、独自の予算をつけて民間・公務を問わずに就労の相談支援を行っているなど、地域格差があるとわかりました。

コロナ禍で在宅勤務を希望しても、同じ業務をしている正社員は認められ、有期の非正規という立場では認められないなど、雇用形態による複合差別もありました。

<図2>

公的相談窓口への相談の有無の円グラフ
図2 公的機関の相談窓口に相談をしたか はい63.6%、いいえ30.3%、非該当6.1%

最近の相談対応 雑感(相談員 I)

今期も様々なメール相談が来ていました。

私が担当した2021年度前期の相談の3分の1以上が、雇用・就労の問題でした。雇用・就労の問題は相手もいる話なので、課題や事実ははっきりとさせざるを得ません。はっきりした趣旨のメールを送ってくださる方は、そのうちご本人でも改善の手を打って一部解決ということがあります。

一方、少し分かりにくいメールの方にはまず趣旨確認をと考えて返信しているつもりなのですが、返信が戻ってこないこともあります。質問を書きすぎたかなと原因をあれこれ考えてしまいます。最近は、特に最初は質問は少なめにと考えています。

入所施設利用をされている方ご自身から処遇についてのご相談もありました。施設にいると、どこまで自分が要望していいことなのか分からなくなると書かれていました。そういうものだと思います。障害者権利条約などの考え方や、具体的ないい事例などが伝えられたらいいなと思っています。

以上


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