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DPI障害者差別解消ピアサポートから、2023年度の報告です

2024年05月20日 権利擁護

おしゃべりや相談する人たちの顔のイメージ

日頃のご支援に心よりお礼申し上げます

日頃より、DPI障害者差別解消ピアサポートの活動に、ご理解、ご支援いただきありがとうございます。

2024年4月1日から障害者差別解消法改正法の施行が行われ、障害のある人への合理的配慮の提供が民間事業者にも義務化されました。

障害者差別の解消に向けた法制度の発展による解決に向けた一助を担うべく、ピアサポートに寄せられた相談については、相談員が事例分析を行っています。以下、2023年4月から2024年3月までの相談の傾向を報告します。

ご相談傾向

〇全体数

2023年度の障害者差別解消ピアサポートへの相談件数の合計(述べ相談件数)は、1361件で、うち東京都内の相談が415件、都外946件でした。

相談者の立場(わかっている人のみ)の内訳は、本人が91%、関係団体が2%、家族・親族が6%、知人が1%でした。性別は男性が68%、女性が32%、不明が0%でした。

また障害種別による内訳は、肢体障害24%、視覚障害1%、聴覚障害1%、内部障害0%、精神障害56%、知的障害6%、難治性疾患8%、不明・その他4%でした。

障害者手帳の有無に関しては、手帳有りが76%、手帳無しが6%、不明・その他が18%でした。

〇相談内容による種別(図1)

就労に関する相談22%、福祉サービス関連の相談22%、暮らしのトラブルに関する相談20%が最も多く、続いて、医療に関する相談が11%、交通に関する相談が11%、住まいに関する相談が2%、教育に関する相談が2%、権利行使に関する相談が7%、生活保護に関する相談が3%でした。

相談内容種別の円グラフ

また差別行為等の被害にあった場所については、自宅近隣が最も多く(30件)、続いて職場(23件)、病院(14件)、その他(13件)、行政窓口(11件)、福祉施設(8件)、交通機関(8件)、学校(3件)、金融機関(3件)、アミューズメント(3件)、飲食店(1件)でした。

どのような差別行為があったかについて相談者のお話から推測できる内容として、合理的配慮の欠如が最も多く(51件)、続いて環境整備の不備(53件)、直接差別(26件)、ハラスメント(16件)、間接差別(9件)の順番でした(複数回答有り)。また欠格条項に関わる相談が3件でした。

性別による相談種別の違いについては、男性が就労(17)、暮らしのトラブル(16)、福祉サービス(12)、交通(13)、医療(10)の順に多く、女性が福祉サービス(14)、就労(9)、暮らしのトラブル(7)、医療(3)、権利行使(3)の順となりました。

他の相談窓口活用の有無については、有りが50%、無しが45%、不明が5%でした。

2023年度を終えて

改正障害者雇用促進法では障害者へ合理的配慮の提供を法的義務としていますが、退職誘導や、合理的配慮を求めても対応されないなど就労に関わるご相談が増加傾向にあります。

障害種別で最も多い精神障害のある方からの就労関係のご相談は、根強い差別や偏見はもとより、自らの障害がある立場や必要な配慮を訴えることに相当の困難が伴い、職場での合理的配慮について定期的なコミュニケーションを通じた確認が困難となる事例が見受けられます。

また、下肢障害のある方は遠隔地への異動となり拒否をすると解雇という事例も起きています。

いっぽう、苦情処理・紛争解決援助の仕組みについても機能していないことがうかがわれます。

内閣府が昨年10月に試行的に設置した「つなぐ窓口」は、障害者差別解消に向けて障害者や企業から電話やメールで相談を受け付け、関係省庁や自治体の相談窓口に円滑に取次ぎを行うことを目的としています。

実際に活用し、実効性のあるものとしていきたいところです。

相談員:五位渕真美


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