第2回フォーラム「重い障害のある人が自分らしく生きるために 重症心身障害を有する人の地域生活支援をいかに進めるか?」開催報告(キリン福祉財団助成事業)

2026年2月24日(火)に、フォーラム「重い障害のある人が自分らしく生きるために」を、オンラインで開催しました。当日は200人を超える方々がご視聴くださいました
このフォーラムの初回は、尾上浩二さん(DPI日本会議)・清水明彦さん(西宮市社会福祉協議会)・名里晴美さん(社会福祉法人訪問の家)・山下幸子(淑徳大学)を呼びかけ人に、2024年10月に横浜で開催され、重症心身障害を有する人々の地域生活の実践や療養介護のあり方について検討してきました。
今回の第2回フォーラムでは、テーマを「「重症心身障害」を有する人の地域生活支援をいかに進めるか?」に定め、障害当事者、支援者、行政、療養介護事業に従事する専門家などを登壇者に迎えて実施しました。

写真:当日ご挨拶いただいた木村英子参議院議員
当日の内容を紹介します。前半では、大阪在住の「チームかなこ」のみなさんと、横浜在住の神戸千恵さんと支援者による、地域生活支援の実際についてのご報告がありました。北村佳那子さんは大阪市内のグループホームで、多様な社会資源を活用し暮らしています。
チームかなこの状況を踏まえ、後にコメントくださった児玉和夫さん(堺市立重症心身障害者(児)支援センターベルデさかい 名誉センター長)からは、「制度に合わせるのではなく、本人に合わせた制度を」という旨の言葉が述べられました。

神戸千恵さんは、社会福祉法人訪問の家のグループホームで暮らしています。支援者たちは、言葉によるコミュニケーションが難しい神戸さんの意思を、本人の発声や表情からくみとります。神戸さんのご報告からは、日常に根差した意思決定支援を丁寧に行い続けること、意思決定支援を通して神戸さんの暮らしの中にある「自分らしさ」を支援者も大切にするという姿勢の重要性が確認できました。神戸さんの報告を受けて、清水明彦さんから「本人を真ん中に」という趣旨のコメントがありました。

後半は、大竹雄二さん(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長)から、重症心身障害者福祉に関する施策の状況についての説明がなされました。特に、国で進められている「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」や、「療養介護の在り方に係る調査研究」の経過報告が重要でした。

そしてフォーラム最後のプログラムとして、名里晴美さん、竹田保さん(日本筋ジストロフィー協会代表理事)、今村登さん(DPI日本会議)、口分田政夫さん(社会福祉法人びわこ学園理事長)によるシンポジウムを実施しました。

このシンポジウムでは、重症心身障害施策(調査研究事業含め)の現状共有とこれからの方向を参加者皆で確認することを目指すものでした。シンポジストの立場は多様ですが、療養介護の在り方に言及する見解や、今後の報酬改定や制度改正をふまえて重症心身障害を含むすべての障害者の地域での暮らしを進めるための検討の必要を指摘する見解が挙がりました。
一例をあげれば、前者については、口分田政夫さんが療養介護の中では施設利用者の個別性に沿った外出や日中活動の実施が困難だという課題を指摘しました。また、後者の地域生活については、今村登さんが、家族介護や入所施設・病院に頼らなくてよい地域づくりを目標に、省庁横断で予算編成等を行う必要を指摘しました。
最後に尾上浩二さんからの総括コメントにあったように、重症心身障害を有する人々の地域生活は「特別な人だからできる」実践ではなく、誰もが希望に応じて行えるものにしていく必要があります。このフォーラムは障害者福祉に関する価値観や制度の転換を求めて行われたと私は思っています。
まもなく「療養介護の在り方に係る調査研究」の結果が取りまとめられるとともに、その結果は、今後の報酬改定等の参考になっていきます。制度動向を注視するとともに、「あらゆる障害のある人が自分らしく生きる」ことを目指した各地の実践を応援したいと思います。
最後に、このフォーラムをご視聴くださった皆様、フォーラム開催にあたりご支援いただいたJIL、DPI日本会議、(公財)キリン福祉財団にお礼申し上げます。
報告:山下幸子(淑徳大学)
こんな記事も読まれています
現在位置:ホーム > 新着情報 > 第2回フォーラム「重い障害のある人が自分らしく生きるために 重症心身障害を有する人の地域生活支援をいかに進めるか?」開催報告(キリン福祉財団助成事業)












