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持続可能な開発目標(SDGs)公開作業グループ成果文書の障害関連記述

2014年10月07日 要望・声明国際協力/海外活動

4月30日付の記事でお伝えしましたが、世界の貧困削減等を目的にした国際的な開発枠組みであるMDSs(ミレニアム開発目標)が来年終了するため、それに続く、2015年以降の国際開発枠組みが、国連加盟国の政府代表を中心とした作業チームで議論されてきました。
そして、7月19日に、持続可能な開発目標(SDGs)に関する公開作業グループの成果文書(ゼロ・ドラフト)が発表され、正式に第64回国連総会に提案されました。国際障害同盟(IDA)や国際障害開発コンソーティウム(IDDC、主にヨーロッパの障害関連団体から成る)等、世界各国の障害者団体の働きかけによって、障害に関しても言及がなされています。今後は、11月までに国連事務局から統合報告書が出され、その後は来年9月の国連総会での採択に向けて、政府間交渉の場に入っていきます。
以下、「持続可能な開発に関する公開作業グループの成果文書」(Outcome Document – Open Working Group on Sustainable Development Goals)の一部(障害に関係する箇所)と「開発目標」の全項目をご紹介します。

持続可能な開発目標(SDGs)に関する
公開作業グループの成果文書
ゼロ・ドラフト第一次修正案

持続可能な開発に関する公開作業グループの提案の紹介
4  人々は持続可能な開発の中心に位置し、この点で、Rio+20は公正で公平な、インクルーシブな世界のために努力することを約束し、持続可能でインクルーシブな経済成長、社会開発と環境保護の推進のために共に働くこと、そしてすべての人、特に世界の子どもや、年齢、性別、障害、文化、人種、出生、移民状況、宗教、経済やその他の状況などあらゆる種類の区別なしに世界の若者や将来の世代すべての人に利することを決意した。
17 持続可能な開発目標実施のモニタリングのために、所得、ジェンダー、年齢、人種、民族、移民状況、障害、地理的位置、およびその他の持続可能な開発実施のモニタリングを支援する、国内状況にあった特徴的項目にわけたデータや統計の利用の可能性を高めることは重要である。確実に誰も取り残されないように、質と分類されたデータの範囲と利用の可能性の向上が必要である。

持続可能な開発目標
目標1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終了する。
目標2.飢餓を終了し、食糧安全保障と栄養の向上を達成し、持続可能な農業を促進する。
目標3.すべての年齢のすべての人に、健康な生活を保障し、幸福を推進する。
目標4.すべての人にインクルーシブで公正な質の教育を保障し、生涯学習の機会を推進する。
4.5 2030年までに、教育上のジェンダー間の格差を解消し、障害者、原住民および脆弱状況にある子どもを含む、脆弱者に対してあらゆるレベルの教育および職業訓練への平等なアクセスを確保する。
4.a 子ども、障害、ジェンダーに配慮した教育施設をつくり、改良するとともに、すべての人にとって安全、非暴力かつインクルーシブで効果的な学習環境を提供する。
目標5.ジェンダー平等を達成し、女性と女子全員をエンパワーする。
目標6.すべての人に、水と衛生の利用および持続可能な管理を保障する。
目標7.すべての人に、手頃で、信頼できる、持続可能な、現代的エネルギーへのアクセスを保障する。
目標8.すべての人にとって持続した、インクルーシブで持続可能な経済成長と、完全で生産的な雇用、相応の仕事を促進する。
8.5 2030年までに、若年者および障害者を含む、すべての男女に生産的な完全雇用およびディーセントワーク、ならびに同じ価値の労働についての同一報酬を達成する。
目標9.強固なインフラを構築し、インクルーシブで持続可能な工業化を促進し、技術革新を促進する。
目標10.国内および国家間の不平等を削減する。
10.2 2030年までに年齢、性、障害、人種、民族、生まれ、信仰あるいは経済的その他の地位にかかわらず、すべての人をエンパワーし、社会的、経済的、政治的インクルージョンを促進する。
10.3 均等な機会を保障し、この点で、差別的法律や政策、制度を削減し、適切な立法や政策、活動を推進することで不平等な結果を削除する
目標11.都市および居住地をインクルーシブで安全、強固、持続可能にする。
11.2 脆弱な状況にある人、女性、子ども、障害者および高齢者のニーズに、とりわけ留意して、とくに公共交通機関を拡充することにより、道路の安全を改善することで、すべての人に安全、手頃、アクセシブルで、持続可能な公共交通システムを提供する。
11.7 2030年までに、とくに女性、子ども、高齢者および障害者に安全かつインクルーシブで、アクセシブルな、緑に覆われた公共スペースへのユニバーサルなアクセスを提供する。
目標12.持続可能な消費および生産形態を保障する。
目標13.気候変動とそのインパクトと闘うために緊急の行動を起こす。
目標14.持続可能な開発のため、海浜と海岸、海洋資源を保全し、持続的に活用する。
目標15. 地球のエコシステムを保護と回復を行い、森林を持続的に管理し、砂漠化と闘い、陸地の浸食の停止と変換を行い、生物多様性の喪失を停止する。
目標16.持続可能な開発のために平和でインクルーシブな社会を促進し、すべての人に正義へのアクセスを提供し、すべてのレベルでの効果的で、説明可能な、インクルーシブな制度を構築する。
16.7 敏感で、インクルーシブで、参加型で、代表者からなるあらゆるレベルの政策決定を保障する。
目標17.実施手段を強化し、持続可能な開発のためのグローバルなパートナーシップを再活性化する。
17.18 2020年までに、後発開発途上国や小島嶼開発途上国(SIDS)を含む途上国に対して、所得、ジェンダー、年齢、人種、移民状態、障害、地理的位置およびその他の国内状況にあった特徴的項目にわけた、質の高い、タイムリーな、信頼できるデータの存在を大幅に増やすための能力構築支援を増大する。

【DPI日本会議仮訳】

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