障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

「在外公館に勤務する外務公務員を除外職員に追加することの撤回」を求める要請書を外務大臣と厚生労働大臣へ提出しました

2019年12月06日 要望・声明雇用労働、所得保障

先月11月29日の厚生労働省の審議会で、外務省が雇わなければならない障害者の数を算出する際の全体の職員の数から海外に務める職員を除外する方針を固めました。

障害者雇用促進法では、国、地方公共団体、民間事業主などで、障害者の法定雇用率が定められていますが、一方で、障害者の雇用義務を軽減する除外率制度という制度があります。

▽除外率制度について(厚労省資料、PDF)

▽外務省が在外公館職員の「除外職員」指定を要請(2019年12月5日欠格条項をなくす会ニュースレター、PDF)

この除外率制度は、ノーマライゼーションの観点から、平成14年法改正により、平成16年4月に廃止となり、経過措置として、除外率を引き下げて縮小することとしてきました。

外務省は半数近くが海外勤務で、もし除外することになれば、雇用される障害者は半分に減ることになります。外務省は今年6月時点で、1.03%と中央省庁の中では、障害者雇用率が最も低くなっています。

私達は「在外公館に勤務する外務公務員を除外職員に追加することの撤回を求める要請書」を提出し、方針の撤回と、障害者の雇用を計画的に進めること、除外率制度の廃止を強く要望します。


2019年12月6日

外務大臣 茂木 敏充 様

認定NPO法人DPI日本会議
議長 平野みどり

在外公館に勤務する外務公務員を除外職員に追加することの撤回を求める要請書

障害者権利条約の制定と批准に向けた貴省のご尽力に厚くお礼申し上げます。

私たちは、全国95の障害当事者団体から構成され、雇用・労働分野も含めて、社会のあらゆる場面で障害の種別や程度に関わりなく障害者が差別や偏見を受けることなく、障害のある人もない人も共に生きることができるインクルーシブな社会(共生社会)の実現に向けて活動している国際組織です。

さて、国は、昨年8月に発覚した中央省庁による障害者雇用の水増し問題を改善するために昨年度中に4,000人の障害者雇用を進める方針を示しましたが、中央省庁が昨年10月以降に採用した3.131人の障害者のうち、161人が6月1日までに離職したことが明らかになりました。

こうした状況の中、貴省は、「在外勤務の特殊性」から、在外公館に勤務する外務公務員を除外職員に追加する施行令改正を検討するとしています。これは、障害者権利条約を所轄する貴省が、条約に逆行した取り組みを進めようとしており、大きな怒りを覚えます。長年にわたって続けられてきた障害者雇用水増し問題が放置されてきたこと、昨年秋以降に中央省庁で雇用された障害者が離職していることの要因には、貴省の障害者雇用に対する意識の希薄さと、障害や障害者に対する差別と偏見が満ちていると言わざるを得ません。

除外率制度については、2002年の障害者雇用促進法の改正で2004年4月に廃止し、経過措置として当分の間、業種ごとに設定するとともに、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小すること(法律附則)とされたはずです。そのような中で外務省の在外公館勤務の外務公務員を除外職員に加えることは、これまでの方針を覆すものであり、障害者権利条約にも逆行していると言わざるを得ず、断じて許すことは出来ません。

このような障害者雇用の流れを根底から否定する除外職の拡大は、貴省への信頼を大きく損なうものであり、障害者権利条約に逆行した取り組みです。
つきましては、下記のとおり今回の方針の撤回と、改善を要請します。

要請項目

1. 在外公館に勤務する外務公務員を除外職員とする方針を撤回してください。

我が国が批准している障害者権利条約では、第27条労働及び雇用で、「1(a) あらゆる形態の雇用に係る全ての事項(募集、採用及び雇用の条件、雇用の継続、昇進並びに安全かつ健康的な作業条件を含む。)に関し、障害に基づく差別を禁止すること。」としています。今回の外務省の除外規定の追加は、条約の規定に逆行しています。速やかに方針を撤回して下さい。

2. 障害者の雇用を進めるために、計画的に取り組んで下さい。

「水増し」問題で信頼は失墜したものの、本来、中央省庁は民間企業のモデルとならなければなりません。雇用率がすぐに達成できないのであれば、まずは現状を率直に認め、その理由を正直に説明し、達成に向けて計画的に取り組んでください。在外勤務は出来ないと決めつけ「除外職員」という裏口入学のような方法を取るのではなく、どのようにすればできるようになるのかを、真摯に議論し、計画的に増やしていく取り組みが必要です。
在外公館はそれぞれの国での日本の顔であり、障害を持つ職員が勤務することで日本での障害者雇用の実施、ならびに職場環境のアクセシビリティや合理的配慮の提供等のモデルを提示できます。

以上


2019年12月6日

厚生労働大臣 加藤 勝信 様

認定NPO法人DPI日本会議
議長 平野みどり

外務省の新たな除外職員追加の撤回と除外率制度の廃止を進める要請書

障害者権利条約の制定と批准に向けたご尽力に厚くお礼申し上げます。

私たちは、全国95の障害当事者団体から構成され、雇用・労働分野も含めて、社会のあらゆる場面で障害の種別や程度に関わりなく障害者が差別や偏見を受けることなく、障害のある人もない人も共に生きることができるインクルーシブな社会(共生社会)の実現に向けて活動している国際組織です。

さて、国は、昨年8月に発覚した中央省庁による障害者雇用の水増し問題を改善するために昨年度中に4,000人の障害者雇用を進める方針を示しましたが、中央省庁が昨年10月以降に採用した3.131人の障害者のうち、161人が6月1日までに離職したことが明らかになりました。

こうした状況の中、外務省では、「在外勤務の特殊性」から、在外公館に勤務する外務公務員を除外職員に追加する施行令改正を検討するとしています。これは、障害者権利条約を所轄する外務省が、条約に逆行した取り組みを進めようとしており、大きな怒りを覚えます。長年にわたって続けられてきた障害者水増し問題が放置されてきたこと、昨年秋以降に中央省庁で雇用された障害者が離職していることの要因には、障害者雇用に対する意識の希薄さと、障害や障害者に対する差別と偏見が満ちていると言わざるを得ません。

除外率制度については、2002年の障害者雇用促進法の改正で2004年4月に廃止し、経過措置として当分の間、業種ごとに設定するとともに、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小すること(法律附則)とされたはずです。そのような中で外務省の在外公館勤務の外務公務員を除外職員に加えることは、厚生労働省自らが進めてきた方針を覆すものであり、障害者権利条約にも逆行していると言わざるを得ず、断じて許すことは出来ません。

つきましては、今回の外務省の方針を撤回させるとともに、除外率制度の廃止に向けて、さらなる取組を進めていただけますよう下記要請します。

要請項目

1. 外務省が行おうとしている在外公館に勤務する外務公務員を除外職員とする方針を撤回してください。

我が国が批准している障害者権利条約では、第27条労働及び雇用で、「1(a) あらゆる形態の雇用に係る全ての事項(募集、採用及び雇用の条件、雇用の継続、昇進並びに安全かつ健康的な作業条件を含む。)に関し、障害に基づく差別を禁止すること。」としています。今回の外務省の除外規定の追加は、条約の規定に逆行しています。速やかに方針を撤回して下さい。

2. 障害者の雇用を進めるために、計画的に取り組んで下さい。

「水増し」問題で信頼は失墜したものの、本来、中央省庁は民間企業のモデルとならなければなりません。雇用率がすぐに達成できないのであれば、まずは現状を率直に認め、その理由を正直に説明し、達成に向けて計画的に取り組んでください。在外勤務は出来ないと決めつけ「除外職員」という裏口入学のような方法を取るのではなく、どのようにすればできるようになるのかを、真摯に議論し、計画的に増やしていく取り組みが必要です。

3. 除外率制度の廃止を着実に進めて下さい

除外率制度は2002年の障害者雇用促進法の改正で2004年4月に廃止し、経過措置として当分の間、業種ごとに設定するとともに、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小すること(法律附則)とされたはずです。そのような中で外務省の在外公館勤務の外務公務員を除外職員に加えることは、これまでの方針を覆すものであり、障害者権利条約の規定に逆行していると言わざるを得ません。2004年と2010年に除外率が10ポイント引き下げられましたが、その後は取り組みがありません。廃止に向けた計画的・積極的な取り組みが必要です。今後の取り組みを明らかにして下さい。

以上

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