全ての人が希望と尊厳をもって
暮らせる社会へ

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2026年度の活動方針

スタートのイメージ

1.障害者権利条約の完全実施

(1)国内法整備等
(2)権利条約の完全実施等

2.地域生活

(1)「地域生活のあり方検討会(仮称)」の創設について
(2)令和9年度報酬改定検討について
(3)脱施設ロードマップ案のブラッシュアップとアクションプラン
(4)相模原障害者殺傷事件から10年の追悼集会

3.交通・まちづくり

(1)小規模店舗のバリアフリー
(2)当事者参画の推進
(3)UDタクシーの乗車拒否の撲滅
(4)新幹線車いす席のWEBでの予約と障害者割引乗車券の決済
(5)地方のバリアフリー整備の推進
(6)その他の課題

4. 権利擁護

(1)障害者基本法改正に向けて
(2)精神障害者の人権と地域生活の確立
(3)障害者差別解消法の運用状況の監視と改善
(4)DPI障害者差別解消ピアサポートとの連携

5. 教育

(1)法令の改善等に向けた取り組み
(2)地域での取り組みと関係団体との連携

6. 雇用・労働・所得保障

(1)雇用・労働
(2)障害者の所得保障の確立

7. 障害女性

(1)障害女性の生活史・活動史の聞き取り調査プロジェクト
(2)全国集会や政策討論集会等での討議

8. 国際協力

(1)世界とアジア太平洋での活動
(2)JICA事業への協力
(3)SDGsなどの開発政策への提言

9. 尊厳生

10. 優生保護法と優生思想

11. 欠格条項の廃止

12. 文化芸術

13. 次世代育成

各事業、組織について

◯広報・啓発事業

◯普及・参画事業

(1)加盟団体への支援、ネットワーク強化に向けて
(2)講師派遣、点字印刷
(3)DPI 障害者政策討論集会

◯権利擁護に関する事業

(1)DPI障害者差別解消ピアサポートの体制強化
(2)各部会との連携の強化

◯組織体制整備

(1)会員および支援者の増大にむけて
(2)事務局の体制整備について
(3)財政および予算執行について

2025年度活動方針全文

Ⅰ.活動方針

1.障害者権利条約の完全実施

(1)国内法整備等

2025年に引き続き、総括所見等を踏まえて作成したDPI行動計画に基づいて、障害者基本法の改正や差別解消法の課題、インクルーシブ教育の実現のための法整備、脱施設・地域生活の確立のための障害者総合支援法(以下、総合支援法)等や成年後見制度の見直しなど障害者関連法制度全般について、権利条約に則した見直しに向けた活動を継続しておこなう。

また、優生裁判違憲判決後の旧優生保護法問題検証会議(以下、検証会議)や定期協議の場に参加し、この機会を生かして、包括的性教育やインクルーシブ教育と地域生活の実現、および障害者が直面する様々な困難、差別に対して障害者の尊厳と人権の保障を実現する国内人権機関の設置を訴えていく。
国内人権の保障の仕組みついては、上記の検証会議や定期協議以外でも、国内人権機関の設置、特に障害者権利条約選択議定書の批准など、2026年度から本格的に取り組んでいく。

内閣府障害者政策委員会(以下、政策委員会)や諸団体との協力を進め、動きが見えてきた障害者基本法の改正に全力を注ぐ。次の通常国会の改正案上程と審議、改正にむけて、議員学習会や国会ロビー活動、各種の集会などをおこなっていく。差別解消法については、常設化された「つなぐ窓口」の「使ってみよう」といった利用促進の運動をおこないながらさらなる機能強化をすすめる。

障害者虐待防止への取り組みについては、関係団体と協力しながら学校等教育の領域における虐待防止のための法整備を進めていく。精神科病院における虐待の防止については、引き続き改正精神保健及び精神障害者福祉に関する法(以下、精神保健福祉法)が機能しているかを監視し、多発している虐待の防止に全力を注ぐ。

その他の重要課題はDPI行動計画に則した形でそれぞれ取り組んでいく。2026年度は特に長年支援をいただいている公益財団法人キリン福祉財団の助成事業において、脱施設・脱病院・地域移行(以下、脱施設等)とインクルーシブ教育の2つの課題についての事業が2年目となる。
脱施設等については、脱施設ロードマップを活用した全国キャンペーンの実施に向けて活動する。これらの活動を総合支援法の改正など法制度に反映させ、脱施設等をさらに推し進める。

また、インクルーシブ教育の実現については、東京大学大学院教育学研究科との連携を引き続き強化し、自治体との連携、議員向けのガイドラインの作成、学習指導要領の見直しに関する活動など、インクルーシブ教育を進めるための法整備・仕組みづくりの協働などの事業を展開する。また、その他AIS-netの枠組みでも学習指導要領や分野横断的なインクルーシブ教育に関する法律制定運動などを積極的に展開する。さらに成年後見制度の見直しについては民法改正がおこなわれる予定であり、重要な局面を迎えていることもあり、ロビー活動等、積極的に取り組んでいく。

(2)権利条約の完全実施等

障害者権利条約の完全実施に向けて今年度も引き続き総括所見に基づいてバージョンアップした「DPIビジョン2030」や「DPI行動計画」を国や地域における運動の柱として、政策論も含め、全国的にさまざまな形で集会を開催する。これらの運動では国内の関係団体との連携をさらに深めていく。

近年の国際情勢の関係で、権利委員会の運営が非常に厳しいものになっている。次回の建設的対話も2037年以降で予定されており、こうした国際情勢を踏まえた運動を国内で作っていく必要がある。JDF等、他の団体や機関にはたらきかけ、台湾を参考としながら可能な範囲で権利条約の国内実施のための自主審査を実施する運動を展開する。

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2.地域生活

2026年度は、これまで積み上げてきた議論と実践をさらに前に進め、「家族介護、入所施設、長期入院に頼らなくても地域生活を継続できる社会」を実現するための取り組みを強める。

(1)「地域生活のあり方検討会(仮称)」の創設について

昨年度、第2回フォーラム「重い障害のある人が自分らしく生きるために 重症心身障害を有する人の地域生活支援をいかに進めるか?(通称:重心フォーラム)」(キリン福祉財団助成事業)でも示したように、今必要なのは、「家族に依存せず安心して地域生活が送れるようにするには何が必要か」を、制度・報酬・基盤整備を含めて具体的に検討する場である。その中心的課題として、まず「地域生活のあり方検討会」の立ち上げを求めていく。
2025年度の障害者支援施設のあり方検討会では、地域生活支援の充実が必要であること自体は確認されたが、入所施設、グループホーム、地域の住まい、訪問系サービス、相談支援、家族支援、人材確保などを含めた居住支援の全体像については、なお継続した議論が必要とされている。一方、一部マスコミでは「入所施設が足りない」と一方的なキャンペーン報道を繰り広げられるなど、総括所見に反した動きもみられる。
そこで私たちは、障害種別や年齢を超え、医療的ケア児者や強度行動障害のある人も含めて、「地域で暮らすことを前提にした制度設計」を議論する場の必要性を広く訴えていく。
特に、児童期から成人期への移行、過齢児の問題、親の高齢化、障害の重度化・高齢化、人材不足、相談支援の弱さ、地域生活支援拠点の機能の不十分さなど、これまで個々に検討されてきた課題をつなぎ合わせ、法改正も見据えた検討を行う場の創設を目指す。

(2)令和9年度報酬改定検討について

令和9年度報酬改定ヒアリングに向けた取り組みを進める。報酬改定は単なる単価の議論ではなく、どのような暮らしを国として支えるのかを示す重要な政策手段である。私たちは、重度訪問介護の基本報酬、地域生活支援拠点や拠点コーディネーターの評価、入所施設・病院・療養介護等からの地域移行を後押しする加算、中途障害者の退院時支援評価、人材確保・処遇改善など、地域生活を支える方向で報酬体系を見直す必要があると考えている。
さらに、営利企業がコンサルを入れて巧みに法制度の規制をかいくぐり、利益のみを追求する悪質なビジネスモデルが広まっている。中には100億円を超える不正請求がおこなわれていた事件も発覚した。そうした悪質なビジネスモデルの横行は障害福祉予算を圧迫することとなり、国は「臨時応急的な見直し」を進めている。障害者を食い物にする事業者は当然排除されなければならないが、やり方次第では良心的で良質の支援をおこなっている事業所が経営難に陥ったり、人材不足がさらに悪化したり、サービスが不足している地域の問題解消には繋がらない危険性もある。そこで他の当事者団体、家族団体、支援者団体などと連携し共同要望が出せるようにし、「悪貨は良貨を駆逐する」にならないようにはたらきかけていく。

(3)脱施設ロードマップ案のブラッシュアップとアクションプラン

引き続きJIL、ピープルファースト、研究者等と脱施設勉強会を継続的に開催する。2025年度に作成したロードマップ案をたたき台にしながら、報酬改定、法改正、自治体運用、地域基盤整備、本人の意思決定支援、人材確保などの論点を深め、より実効性のある内容へとブラッシュアップしていく。特に、脱施設を単なる入所施設削減に留めず、環境・接遇改善の話にすり替えることなく、「地域で暮らすために必要な支援をどう整備するか」という建設的な議論として発信していく。ロードマップには、目標時期の設定だけでなく、国の基本指針、法制度、報酬、自治体財政支援、住宅政策やバリアフリー政策との連携まで含めた総合的視点が必要であることから、向こう5年間ほどの取り組み方針となるアクションプランも取りまとめていく。それと並行して、映画「大空へはばたこう」「つばさをひろげて」などの映画上映会、勉強会の開催および好事例の掘り起こしなどを各地に呼びかけ、マスコミ対策を含め、まだまだ入所施設が必要という論調を押し返していけるような、脱施設化キャンペーンをおこなう。

(4)相模原障害者殺傷事件から10年の追悼集会

2026年は、相模原障害者殺傷事件から10年の節目にあたる。事件を風化させることなく、犠牲者を追悼するとともに、犯行の根源にある優生思想、そしてその優生思想がなくならない大きな要因としての分離教育や、入所施設を続けている社会のあり方を、どう変えていくのかを改めて問う必要がある。
これらの課題はそれぞれ別個の問題ではなく、すべて地続きにつながっている社会課題である。そのことを広く世論に問いかけて、あわせて国会議員にも強く意識してもらうことを目的として、7月22日に議員会館で開催する。

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3.交通まちづくり

(1)小規模店舗のバリアフリー

長年の課題となっている小規模店舗のバリアフリーについて義務基準の策定に取り組む。現在、店舗内のバリアフリー義務基準がないため、新規開店する店舗でもアクセシビリティが確保されていないものがほとんどである。国交省は2026年2月の建築設計標準フォローアップ会議で、現状の調査結果を報告したが、義務基準化の動きは鈍い。検討対象を特別特定建築物のテナントに限っていることも問題であり、すべての新規開店する店舗は最低限のバリアフリー整備を義務付けることを目標に取り組む。

(2)当事者参画の推進

東京2020オリンピック・パラリンピックを契機として、ビックイベント時の施設整備の基準であるアクセシビリティガイドラインには、当事者が参画して意見反映をおこなうことが標準化されてきた。2025大阪・関西万博、2026年の愛知・名古屋アジア競技大会・アジアパラ競技大会、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会(GREENエクスポ)で地元の障害当事者が参画してアクセシビリティガイドラインを策定している。この流れを継続していくとともに、各地の建築物の施設整備にDPI日本会議加盟団体が参画することを促し、サポートをしていく。
また、2025年、国交省は「建築プロジェクトの当事者参画ガイドライン」を策定し、DPI日本会議は日本福祉のまちづくり学会、日本建築士会連合会等と協力し、「TOJISHA−UD」というプラットフォームを立ち上げた。2026年度は関西地区でセミナーを開催するとともに、自治体や事業者等の相談に対応する相談窓口の開設を目指す。

(3)UDタクシーの乗車拒否の撲滅

2025年の一斉行動で、乗車拒否は22%(前年31%)と減少していたが、東京都以外の乗車拒否は減ってはいるものの30%と高く(前年44%)、地方での改善が大きな課題となっている。乗車拒否の撲滅を目指し、引き続き個別の乗車拒否への対応を実施するとともに、秋には引き続き全国のDPI日本会議加盟団体に呼びかけて一斉行動を実施し、さらなる取り組みを国交省や事業者にはたらきかける。また、大型の車いすもスムーズに乗降できる新基準策定と新型車両開発を事業者にはたらきかける。

(4)新幹線車いす席のWEBでの予約と障害者割引乗車券の決済

新幹線の車いす席のWEBでの予約は各社取り組みを始めているが、WEBでの障害者割引乗車券の決済は、JR東海ではまだ実施していない。継続的にはたらきかけを行った結果、2026年の秋には導入を開始すると発表されている。介助者席も含めて購入できるのかチェックし、問題があれば引き続きはたらきかけを継続していく。

(5)地方のバリアフリー整備の推進

鉄道駅バリアフリー料金制度がはじまり、都市部の事業者に出していた国からの補助金が地方に手厚く配分されるようになった。これを踏まえ、地方のバリアフリー整備がさらに推進されるようにはたらきかけていく。また、乗務員による携帯スロープを活用した乗降介助も徐々に増えてきたが、さらなる拡大をはたらきかける。

(6)その他の課題

駅ホーム全体の段差と隙間の解消の推進、無人駅・時間帯無人駅の対応の改善(インターフォンや券売機の改善等)、一部の電動車いすにおけるバスの車いす乗車拒否の改善、情報コミュニケーションの推進、高校・私学のバリアフリー義務化の推進、航空機利用の改善、アクセシビリティを要件とした公共調達の仕組みの導入、国立公園のバリアフリー化等に取り組んでいく。また、11月には東京で第19期バリアフリー障害当事者リーダー養成研修を対面で実施する。

4.権利擁護

(1)障害者基本法改正に向けて

DPI日本会議では2015年から障害者基本法の改正を目指し、障害者基本法DPI改正試案を作成し、総会や政策論、タウンミーティング等で議論を重ねるとともに、「障害者基本法改正で解決したい!10の課題」を策定し、関係団体とともにロビー活動もおこなってきた。

総括所見で指摘された「全ての障害者関連の国内法及び政策を本条約と調和させること」を踏まえて、複合差別の解消や地域生活の権利の明確化、インクルーシブ教育等の我が国の様々な課題の改善を進めるためには、障害者基本法の改正は不可欠である。

さらに、政府が2024年末に発表した行動計画では、優生思想に基づく障害者差別を禁止することを法律に明記することは触れられていないが、国として優生思想を推し進めてきた反省を踏まえて、障害者基本法に優生思想に基づく障害者差別の禁止を明記することが不可欠である。

なかなか法改正の動きを作れていないが、2026年度もDPI日本会議加盟団体とともにシンポジウムを開催し、改正の機運を高め、関係団体と連携して全力で法改正をはたらきかける。

(2)精神障害者の人権と地域生活の確立

総括所見では、本人の同意のない強制的な入院や強制的な治療、身体拘束や隔離、虐待的取り扱いなどが厳しく問われ、障害者に対する著しい人権侵害が追及された。しかし、この間、遅々として改善が進まず、病院での虐待事件もいまだに続々と発覚している。

精神医療を一般医療体系に組み込むこと、長期入院等を解消し、地域での生活を支えるための地域基盤整備、他の診療科での受診拒否の要因となっている法制度の改正等が必要である。精神障害者の人権確立をめざし、引き続き精神障害当事者の登壇によるシンポジウム等の開催をおこなう。

(3)障害者差別解消法の運用状況の監視と改善

2024年4月に改正法が施行され、どのような状況になっているのか調べるために、2026年度は差別事例を収集したい。合理的配慮の提供は的確に実施されているか、どのような問題が起きているかを調べ、事例に基づいて国にはたらきかけを行う。また、不適切な運用がされている事例も寄せられており、中央省庁の相談窓口と連携して、改善をはたらきかけていく。

(4)DPI障害者差別解消ピアサポートとの連携

DPI障害者差別解消ピアサポートと連携し、寄せられる相談、差別事例を共有し、事例の集積・分析をおこない、関係法令改正のための基礎データとして活用していく。

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5.教育

障害のある子どももない子どもも、地域の幼稚園や保育所等、小中学校の通常学級・高校、大学・専門学校等で共に学び育つインクルーシブ教育の仕組みを作り、実践を推し進めるための活動をおこなう。

(1)法令の改善等に向けた取り組み

総括所見が出された後も、文科省はそれまでの方針を全く変えることなく、「多様な学びの場」と称して特別支援教育の下で分離・選別を続けている。

このような現状においても、障害のある児童生徒・保護者が希望する就学・就級ができるようにすること、在学時に必要な合理的配慮を得られるようにすること、特別支援学級の担任配置に変わる新たな教員配置など、現制度において調整・変更の可能性があることを、追及していくことが必要である。

また現在の学校教育では、障害者の理解、とりわけ薬物・ゲーム依存・学齢期の自殺が増える中で精神障害への理解が不足していること、包括的性教育がおこなわれていないこと等、学びの内容を改善させることも急務である。

学校バリアフリーについては、2025年度末までの推進期間を5年間延長させ2030年度までとなったこと、また新たに整備計画の策定・当事者の参画が加えられたことを活かし自治体へのはたらきかけをおこなう。また文科省に対しては計画・目標の達成に向けた更なる補助等について求めていくとともに高校・私学のバリアフリー化に向けて文科省へのはたらきかけおよび自治体条例の改正をおこなう。

学習指導要領改訂について、優生保護法の被害・歴史についての学習の必修化、更にインクルーシブ教育を地域の学校で進めるため「合理的配慮」「社会モデル」の記載や、「障害の軽減克服」という文言の削減等の改善を求めていく。
これらの課題に対して、文科省への要望書の手交なども含め、初等中等教育局と粘り強く意見交換をおこなっていくこと、東京大学大学院

教育学研究科とのフルインクルーシブ事業など関係団体との協働を進めること、また世論全体にはたらきかけるために障害者自身の声を発信する等、具体的な方策をおこなっていく。

(2)地域での取り組みと関係団体との連携

各地の小・中学校における医療的ケア児の看護師配置、校外学習を含めた保護者付き添いや修学旅行等の費用負担問題、就学指導のあり方や合理的配慮の実態、差別発言等の差別的な対応、高校入学における定員内不合格問題、学校バリアフリーの整備などについて、DPI日本会議加盟団体等を通じて把握し、制度を変更する取り組みに結びつけていく。

また高校を含む小・中学校での通級指導教室について、本人・保護者が望まない通級への誘導がないかを注視し、必要に応じてはたらきかけを行う。

フルインクルーシブ事業の提携を結んだ東京大学大学院教育学研究科とは、2025年度の国際シンポジウムのようなイベント開催を共働していくことに加え、学内集中講座の継続開催、教員免許取得の実習先に自立生活センターを認めること、地域市民団体と連携した自治体へのはたらきかけ、インクルーシブ教育を進める教員配置などの法整備・仕組みづくり等について協働を進める。

また東京都立高校でおこなう、インクルーシブ体験プログラムについても、引き続き積極的に取り組んでいく。

学校バリアフリーについては、計画延長になったことを踏まえ、自治体への計画策定・当事者参画の要望等を含め、有効な方策を地域団体と一緒に取り組むよう進める。また学校バリアフリーは、日常的に利用する児童生徒等だけでなく、保護者が障害者である場合や、防災拠点施設として地域住民の利用のために必要ということ、まして居住区ではない学校への就学を進めるというインクルーシブ教育と真逆な現象を進めるものに利用されてはならないことを強く意識し、真にインクルーシブな社会を実現するための方策として周知していく。

2016年度から始めた「インクルーシブ教育推進フォーラム」は、2026年度も多くの人に参加していただけるよう開催し各地のインクルーシブ教育の拡充・啓発を進めていきたい。また若い障害者がインクルーシブ教育への理解を深め、運動の主体となるための取り組みとしての教育研修は、その持ち方・内容も含めて検討していく。いずれにせよ参加者が教育課題に継続的な関わりを持ち、深めていけるよう内容を検討していきたい。

教職員への障害者の採用・人事配置については、引き続き「障害のある教職員ネットワーク」と連携をとりながら運動を展開していく。またAAR(難民を助ける会)等、NGO団体との勉強会・情報交換会は、インクルーシブ教育の実現に向け、国際的視点から日本の教育を捉え直していくものとして、継続していきたい。

(1)(2)を通じて、DPI日本会議内部の部会を超えた連携に加え、これまでと同様他団体との連携を強化していくことが必要になる。公教育計画学会等の教育関係団体、JILおよびJILの教育プロジェクト(JIEP)、AIS-net、地域でインクルーシブ教育の取り組みを進める団体(親の会等)との連携・交流を引き続き進めていく。

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6.雇用・労働・所得保障

(1)雇用・労働

DPI日本会議は、障害者雇用について、権利条約に基づく平等性と労働者性を確保し、障害の有無や種別及び程度等に関わりなく共働できる職場及び雇用・労働環境を実現する。さらに総括所見で指摘された課題を改善するため、厚労省・国会対策などを関係団体と一般就労を中心として連携して取り組む。

一般就労、福祉的就労及び第三の働き方とされる社会的事業所等の課題については、「障害者の安定雇用・安心就労の促進をめざす議員連盟(インクルーシブ雇用議連)市民側」と連携して取り組む。また、「障害者雇用代行ビジネス」に反対する姿勢については共有するが、DPI日本会議としては「障害者雇用代行ビジネス」を促進することを理由に法定雇用率の引上げや除外率の引下げに反対する意見には同意しない。なお、一般就労については、日本労働組合総連合会(連合)、全日本自治団体労働組合(自治労)とも、引き続き連携して取り組む。障害者雇用の促進とそのために必要な支援制度の拡充及び雇用の質の向上を図るために取り組む。

具体的な課題としては、障害者の一般就労について、あらゆる場面において障害のない人と同等の機会、処遇を確保するとともに、障害に基づく差別の禁止と合理的配慮を確保し、働き続けることができる職場及び雇用・労働環境を整備する。そのために特に重訪の利用範囲の拡大など、必要な支援制度等の見直し、福祉と雇用施策の横断的利用、実効性ある相談体制の構築及び2019年の改正障害者雇用促進法の附帯決議の実現に取り組む。なお、除外率・除外職員制度の撤廃も引き続き取り組む。

就労継続支援A型等の福祉的就労では、営利のみを目的とした不適切事業者に対して、監査強化等を通じて、その排除を徹底する。また、一般就労への円滑な移行を軸に制度を再構築し、利用者負担の撤廃と賃金改善を実現する。さらに総括所見を踏まえ、インクルーシブ雇用の実現に向けた見直しを進める。

国際的には、国連が定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」を受けて日本政府が策定した「行動計画(NAP)」の実施と充実を求める「ビジネスと人権市民社会プラットフォーム幹事会(BHRC)」に、障害当事者で構成する唯一の幹事団体として参画する。そして、権利条約がめざすインクルーシブ社会の実現に向けて取り組む。

DPI日本会議に寄せられている労働相談や訴訟等については、それぞれの状況に応じて対応する。
なお、障害者雇用支援月間である9月には、「障害者雇用・労働フォーラム2026」の開催と厚労省との意見交換を実施する。

(2)障害者の所得保障の確立

権利条約第19条及び総括所見に基づき、障害者の地域生活を保障し、施設や病院での長期入所・入院を余儀なくされてきた障害者の地域移行を促進し、以下の取り組みを進めるために関係団体との連携を模索する。

  1. 障害基礎年金を障害者の生活維持が可能な水準に引き上げることを求める
  2. 無年金状態にあるすべての障害者の年金受給を実現するため、年金制度の改正を求める
  3. 医学モデルに基づく現在の認定を抜本的に見直し、社会モデルとしての視点に基づく認定とすることを求める。
  4. 特別障害者手当の支給要件等の見直しと「地域生活支援手当(仮称)」の創設を求める
  5. 生活保護基準引き下げ訴訟(いのちのとりで裁判)を注視する

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7.障害女性

(1)障害女性の生活史・活動史の聞き取り調査プロジェクト

2025年秋より、上記プロジェクトがスタートした。これは障害分野の女性研究者たちとDPI日本会議の障害女性部会が連携しておこなうプロジェクトである。目的は、高齢の障害女性たちがこれまで歩んできた道のりや複合差別の経験などを記録に残すことであり、様々な障害と地域を意識した人選の下に、基本的には直接対面でインタビューし、その結果をまとめるというプロジェクトである。書籍による出版も検討している。
聞き取りについては、研究者と障害女性部会メンバーとさらには各地の若手障害女性がチームを組んで担当する。助成金申請中であり、聞き取りなどの実質的活動は、2026年度からとなる。

(2)全国集会や政策討論集会等での討議

基本的には単独のイベントなどは行わないが、上記集会では障害女性部会での分科会を開催したい。2026年度の全国集会では、そもそも優生思想の影響が根強い中、障害のある人が親になり子育てをすることへの医学モデルに基づく、否定や無理解が指摘されており、「障害のある親が子どもを持ち、子育てをする権利」について、経験者や支援者からお話を聞き、今後の取り組みの課題を共有していきたい。
政策論等で、障害女性部会メンバーのそれぞれの個別の活動の中で見えてくる優生思想をなくすための取り組みや複合差別、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)、包括的性教育の課題解決等について議論していく。
この他、これまでと同じように、障害女性が直面している個々の複合的・交差的差別事案が発覚した場合は、適時的確に対応していく。

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8.国際

ガザやウクライナ、そしてイランおよびその周辺での安全がさらに脅かされそうな今、国際開発団体は戦い終了後の障害者の増加を見据えてリハビリテーションを含む医療支援の準備を始めている。私たちはむしろ「戦争ではなく対話を」とのDPI世界評議会の呼びかけに応えて、ガザやウクライナを含め、プロジェクトの対象者のみでなく、DPIのネットワークを通して出会う世界の障害者との対話に努めたい。国際的支援基金の枯渇が障害分野に大きな影響をあたえ、そのため我々の役割は重要になる。

(1)世界とアジア太平洋での活動

アジア太平洋からサタール世界会長が選出されたことを受け、彼の活動を支援するための資金探しに協力する。また、平野みどり議長が世界DPIの半数以上の障害者を抱えるアジア太平洋ブロック副議長として組織強化に努められるように、ブロック議長のイ韓国DPI会長に会員団体として協力する。
DPIの世界会議は2027年に予定されているので、代表団の派遣に向けた準備を始める。日本から多くが参加し、世界の状況に触れる機会とする。
DPIアジア太平洋ブロックではジャカルタ宣言がなかなか浸透せず、日本国内でもその啓発に努めたい。

(2)JICA事業への協力

南アフリカ共和国での草の根技術協力事業は、現地訪問等を通じてハウテン州政府とスムーズなコミュニケーションを図りながら、残りの2年をハウテン州内のみでなく他国も視野に入れて自立生活の理念とサービスの普及に努める。
ブラジルの障害インクルーシブな保健事業の案件実施を目指すと同時に、ドミニカやパラグアイでの障害者権利条約に基づいた研修など、中南米での活動にも取り組んでいく。
課題別研修「障害者権利条約の実践のための障害者リーダー能力強化」はさらに3年契約を結び、今までのノウハウをもとに実施する。好評だったJICA北海道課題別研修「障害者就労支援コース」は、2年目も引き続きDPI北海道を中心にDPI日本会議全体で取り組んでいく。
JICA事業における障害主流化の推進ガイダンスノートの作成など、JICAの政策決定にも協力していく。

(3)SDGsなどの開発政策への提言

障害ユニットを含めたSDGsジャパンのユニット活動でSDGs達成度評価とポスト2030に向けた提案をおこなっていく。残り5年の期間での発言をとおして、SDGsジャパンで引き続き障害問題への関心を高め、政府が2030年までのロードマップにおいてどれほど障害に関心をもっているか継続して注視する。

フランスのG7やアメリカのG20、および市民社会側のそれぞれの会合での、障害の主流化に向けた動きに注視し、機会があれば発言していく。

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9.尊厳生

2026年度は、「終末期医療」および「臓器移植」ガイドライン改定を重大局面と位置づけ、社会的争点化を図る。終末期ではない者の治療中止が、意思疎通が困難な障害者・難病患者等に拡張されることに強い危機感を持ち、救命優先原則の堅持を明確に打ち出す。

記者会見や院内集会を開催し、回復した当事者や長期療養当事者の証言を通じて「生の肯定」を社会に発信する。あわせて学会動向や審議会を継続的に検証し、必要に応じて意見書を発出する。

政府はあらたに高額療養費制度における自己負担上限額の引き上げを強行し、終末期医療をめぐっては「尊厳死」を制度化しようとする議論が今後も強まることが懸念される。こうした動きに対し、団体の枠を越えた連携と結束を図りながら、「尊厳ある生」の理念に基づく法制度の実現に向けた取り組みを引き続き展開していく。

また、尊厳生部会の活性化と世代交代を見据え、関係団体へのはたらきかけを行い、部会への参加者の裾野を広げるとともに、若い世代の参画を積極的に促進する。さらに、他団体、学会、有識者との連携を一層強化し、国際的な動向を見据えて分科会や政策論、学習会などを開催しながら、議論の深化と社会的発信を進めていく。

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 10.優生保護法と優生思想

2024年の最高裁判決以降、被害者への謝罪や補償は遅々として進んでいない。障害者を不良な子孫と位置づけて、性と生殖の健康・権利を否定してきた優生保護法が約半世紀に亘り存在したため、優生思想は社会に根強く残っている。

今年は津久井やまゆり園で19名もの仲間が殺害された事件から10年となる。「障害者は不幸しか生み出さない。」とする優生思想に基づく差別・偏見を、社会からなくすことこそが、優生保護法問題の全面解決であると言える。

2021年に発覚した北海道・江差町の「不妊措置」問題のように、「障害者は子どもを育てられない」とする偏見が根強い。2025年夏には、京都府在住の障害女性が病院で出産した際に、児童相談所が、本人に通知することなく、「虐待の恐れあり」として一時保護するという事件が起きている。このことは現在もなお、障害者の妊娠・出産・育児は、特に医療や福祉現場で肯定的に捉えられず、十分な育児支援が保障されていないことを現しており、故に障害者の育児を更に困難なものとしている。

子を持つことを願う人に対して、適切な支援が権利として保障されるべきであり、福祉サービスの充実が急がれる。一方、産むことだけではなく、産まない権利も保証されるべきで、包括的性教育の実施は、優生保護法問題解消のために必須である。

その他、生殖医療に関する法律や検討会などの審議において、障害者が排除されるような動きがないかを注視していく。

  1. 優生連に、引き続き構成団体として参画する。
  2. 定期協議や検証会議の傍聴、集会等に積極的に参加するとともに、DPIメールマガジンやホームページ上で参加を呼びかける。
  3. 補償法が全ての被害者に届くよう地域での取り組みを支援する。
  4. 「母体保護法下での強制不妊・中絶の強要」に関する全国的な調査・検証をおこなうよう、国及び地方自治体にはたらきかけ、被害者の尊厳回復に向けて取り組む。
  5. 「行動計画」へのフォローアップを求め、政策委員会等にはたらきかける。
  6. 障害者の育児支援をより充実させ、地域間格差の解消を図るため、国及び地方自治体にはたらきかける。
  7. 出生前検査や着床前検査を含めた生殖医療において、優生思想を助長する動きがあった場合には、関係団体とともに広く連携をしながら取り組みを進めていく。

以上の活動を通じて、総括所見を実現し、優生思想に基づく障害者への差別・偏見をなくすよう取り組みを進める。

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11.欠格条項の廃止

2026年2月20日に実施した『「障害者」をとりまく法制度のバリア 欠格条項、最高裁も大法廷で審理へ!』の閉会挨拶で福島智氏(共同代表)が、「私たちとしては、この判決(成年後見制度の利用を理由に警備員を失職させた旧警備業法の最高裁判決)が欠格条項の終わりの始まりである。欠格条項を全てなくす、その日を目指して、共に頑張っていこう」と述べた。

欠格条項の廃止に向けて、国会や各種委員会等の公的な政策検討の場での提言やヒアリング、パブリックコメント募集の機会における意見表明のはたらきかけなど、DPI日本会議の関連部会等やDPI日本会議加盟団体等とも協働し、活動をおこなっていく。

欠格条項は障害のある人の人生を狭め、社会の差別・偏見を助長する。例えば、国家資格取得のための実習において、介助者の同行を認められないこともあり、結果的に資格取得が出来ないこともある。

こうしたことを改善していくためにも、欠格条項の完全撤廃に向けて、現状と課題について「なくす会」のメンバーとより一層緊密に連携を取り、情報や課題を共有していく。「障害者差別解消ピアサポート」や各部会等、DPI日本会議に持ち込まれる様々な差別事例や相談の中に、欠格条項に基づく事例がある場合、関係者の了解を慎重に得た上で、「なくす会」とも共有していく。

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12.文化芸術

「障害者の文化芸術活動を推進する全国ネットワーク」に引き続き参加するとともに、DPI日本会議加盟団体の協力も得てバリアフリー映画や演劇などの実施に取り組む。

障害者文化芸術推進計画に関して、東京2020オリンピック・パラリンピックや2025大阪・関西万博といった大きなイベント終了後、取り組みが停滞することのないようにはたらきかけを続けていく。

また、改正障害者差別解消法での合理的配慮提供の義務化を受けて、東京2020オリンピック・パラリンピックや2025大阪・関西万博のレガシーを引き継ぎ「文化芸術分野における合理的配慮とそのための環境整備」が進むよう取り組みを進めていく。

これらの取り組みを通じて、文化芸術分野における合理的配慮や環境整備が当然のものとして実施されるような状況をつくりだし、インクルーシブ社会の実現につなげていく。

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13.次世代育成

2023年度まで実施していた「差別解消法プロジェクト」に参加した全国の若手メンバーへのフォローアップを継続するとともに、2026年度は次世代の育成を目指した研修会「三澤学校」を9月頃からスタートさせる。また、少人数での勉強会や意見交換、各種検討会の傍聴等にも取り組んでいく。

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Ⅱ.広報・啓発事業

引き続き、ホームページを中心に各媒体と連携させた広報・啓発活動を展開し、政策提言・権利擁護活動をはじめとするDPI日本会議の多岐にわたる取り組みを広く発信することで、支援者・賛助会員の増加を目指す。
活動案内や報告に加え、国内外の障害者関連法制や障害者問題について分かりやすく解説した記事を制作し、閲覧者にとってより有益な情報を提供できるよう努める。さらに、Google広告も適宜活用し、リーチしづらい層にも情報を届ける。
毎月初めに配信している「ここに注目!メールマガジン」については、団体の戦略に関わる各部会の情報発信機能を強化し、ほかのコンテンツも含め、より充実した内容を目指す。
また、既存コンテンツの定期的な見直しを進め、より分かりやすく見やすいホームページを実現するため、アクセシビリティの向上に取り組む。さらに、新たなバナー広告の獲得にも引き続き注力する。
紙媒体「DPI通信」は継続して発行し、ホームページの内容を凝縮するとともに、本媒体でしか読めない独自記事も掲載し、情報発信のさらなる強化を図る。

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Ⅲ.普及・参画事業

1.DPI加盟団体への支援、ネットワーク強化に向けて

2026年度も全国各地で、脱施設・地域移行とインクルーシブ教育をテーマにタウンミーティングを実施する。また、2024年度から実施している役員が加盟団体を訪問する事業を継続し、最新の情報をお伝えするとともに、地域の課題を聞かせていただき、関係強化を図る。
さらに、総括所見を活用し、障害者基本法の改正をはじめとする法制度の拡充を目指し、DPI日本会議加盟団体と連携した運動も展開する。また、各地で取り組まれている条例づくりへの支援、各分野に精通した講師のDPIオンラインセミナーや派遣も実施し、DPI日本会議加盟団体との関係をより一層強化し、さらなる運動の展開を図る。

2.講師派遣、点字印刷

権利条約、差別解消法、総合支援法、バリアフリー法などをテーマに、引き続き講師派遣を実施する。行政機関や一般事業者など、対象者に応じた資料を準備し、障害者関連施策の普及に努める。
また、DPI日本会議が主催するイベントや学習会に加え、各地の障害者団体が開催するイベントにも対応し、点字資料や点字データ、テキストデータを作成することで、視覚障害者等への情報保障を推進する。
さらに、新規顧客の獲得にも力を入れ、広報活動を積極的におこない、多くの場面でDPI日本会議の活動を周知していく。

3.DPI障害者政策討論集会

第15回DPI障害者政策討論集会は、11月28日(土)、29日(日)に、引き続き対面形式で戸山サンライズにおいて開催する。本集会は、DPI日本会議としての政策方針や活動の検証をおこなう重要な機会である。
また、今後予定されている障害者権利条約に基づく建設的対話を見据え、地域での自立生活、インクルーシブ教育、成年後見制度、精神医療のあり方に加え、国際的な障害者権利の動向やアジア太平洋地域をはじめとする各国の取り組みも踏まえながら、現状の課題を検証し、さらなる取り組みの推進を図る。

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Ⅳ.権利擁護に関する事業

障害差別に関する相談窓口がわからず、窓口にたどり着けないという問題に加え、自治体でのワンストップの相談窓口設置は進んでおらず、相談のたらい回しが多く見受けられた。これを改善するために、内閣府に障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」が2025年からは常設化された。今後は各自治体での相談窓口設置に向けたはたらきかけ、法や相談窓口のさらなる周知啓発、相談対応の質の向上が重要である。
2026年度も、DPI障害者差別解消ピアサポートは、障害者差別および虐待に関する相談および、合理的配慮に関する相談に集中して対応する。引き続き、電話相談、メール相談、面談の相談業務をおこなう。同時に、毎月一回事例検討会議を開催し、対応した相談について差別分類作業をするとともに、相談員の意見交換や情報共有の機会を増やす。
2026年度の方針として下記の諸点をあげる。

(1)DPI障害者差別解消ピアサポートの体制強化

障害者差別および虐待に関すること、及び、合理的配慮に関することに集中して対応する。相談員相互の情報共有を密に図るため、組織内研修を定期的におこなう。相談体制の安定化を図るために、総務、労務管理を可視化する。

(2)各部会との連携の強化

DPI日本会議の副議長であり、雇用労働・所得保障部会長の西村正樹氏が本ピアサポート所長も兼任していることから、従来以上にDPI日本会議常任委員会等への報告等を充実するとともに、全国各地の障害当事者が運営する各種センターや運動団体との連携を深める。

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Ⅴ.組織体制整備

1.会員および支援者の増大にむけて

多くの方にDPI日本会議の活動について興味を持っていただけるよう、各情報発信媒体(Facebook、メールマガジン等)を使って具体的にわかりやすく発信を続け、徐々に定着してきたクレジットカード決済をさらに活用し、寄付のしやすい環境になるよう整備をすすめる。
2026年度も引き続き、DPI日本会議の活動への理解と周知を得て、DPI日本会議加盟団体のない地域における正会員、賛助会員、寄付や支援を獲得できるよう努める。役員が各地のDPI日本会議加盟団体や関係団体を訪問し、地域の課題を聞き、情報提供をさせていただく機会を2024年度より設けている。2025年度は、福島県、新潟県、栃木県、神奈川県、静岡県、大阪府、広島県、山口県、熊本県に訪問した。2026年度も継続して実施し、各地のDPI日本会議加盟団体等との関係強化に努める。

2.事務局の体制整備について

コロナ禍を経てテレワークが普及したため、在宅勤務と事務所勤務を併用していく。特に、事務局員内での情報共有やコミュニケーションをこれまで以上に丁寧におこなうことが大切であると考えている。DPI日本会議の役割、ならびに求められる業務内容の複雑・多岐化に対応すべく、事務局内の体制を見直し、引き続き事務局体制および環境整備等をおこなう。

3.財政および予算執行について

DPI日本会議の運動の周知および安定的な財源確保のため、DPI日本会議加盟団体や関係団体を中心に財政支援の呼びかけ、会員の確保を積極的におこなう。また、各部会・プロジェクト内での予算執行状況の管理など、担当部会及び担当者と事務局との共有を図ることで、スムーズな運営に繋げていく。

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