ようやく免許がおりました


大里晃弘

 7月10日の祝う会に参加された方、また「支援する会」に入会してくださった方、ありがとうございます。最近の動きについて、報告いたします。
 去る9月20日(火)、免許交付のための審査の最終段階であるヒアリングが行なわれました。会場は厚労省2階の会議室、「障害者等の欠格事由評価委員」に専任されておられるドクター4名、他、厚労省医事課職員4ないし5名が出席されていました。私はその日、約1時間、主に委員の先生方から質問を受けました。「大学時代の臨床実習ではどんな風にしたのか?」「免許が交付されたとして、臨床研修ではどんなサポートや工夫が必要と考えるか?」「実際の診察では、患者さんの表情の変化をどうやって分かるか?」「将来の医療活動でのイメージは?」といった内容でした。一方的に質問攻め、かなり疲れました。うまく対応できなかった質問もあり、がっかりして帰宅しました。
 そしてこのニュース発行の前日である9月30日、前日に厚労省から急遽電話にて指示され、荒川区の保健所に出かけてきました。そしてたった今、我が家に戻ってきたばかりです。翌日のニュース発行のために原稿を書いています。待ちに待った免許、ようやく手に入れることができました。みなさんにこの吉報を伝えることができ、とてもうれしく思います。その興奮とともに文章を書いています。
 30日の午後4時に保健所を訪れました。すでに厚労省の職員2人が私を待っていました。医事課の職員で、1人は宮本課長補佐、もう1人は手島免許係長です。そして、「医師免許が交付されることになりました。おめでとうございます。」と言われ、「登録済み証明書」とその点字版を手渡されました。また、先日のヒアリングの後に委員から出た意見をまとめた文書を渡されました。これも点訳されています。
 その後、今後の研修のことで話がありました。「厚労省としては、ローテーションによる臨床研修を受けることを期待したいが、それの最終的なゴールをクリアすることは困難であることも承知しています。1科目だけの研修にするかどうかは、あなたの選択の問題です。」とのことでした。現時点で実現性のあるのは、J医大の臨床研修、また精神科だけならいつでもいいよと言ってくれている某大学病院です。今後、その両者と話を進めていくつもりです。1日でも早く研修に入り、医療活動を始めたいと願っています。

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この記事は、「大里晃弘さんの全盲医師への道を支援する会」発行による「支援する会ニュース」第1号(2005年10月1日)からの転載許可をいただき、掲載しています。


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