試験に受かってもダメなの? 門前払いなぜ?
欠格条項にレッドカードを!


当事者がそれぞれの立場で語り合う!
(タイトル)試験に受かってもダメなの? 門前払いなぜ?
(サブタイトル)欠格条項にレッドカードを!

日時:2000年9月17日 (日) 1時半〜5時
会場:文京シビックセンター
丸ノ内線「後楽園」下車すぐ超高層ビル
参加費: 1,000円 (資料代込)
お申込み先着順 120名受付
手話,要約筆記,点字あり

プログラム
一部(1時30分〜3時10分)
薬剤師の欠格条項をめぐって
    佐谷圭一さん(日本薬剤師会・会長)
    後藤久美さん(製薬会社勤務)
    牧口一二 (障害者欠格条項をなくす会・共同代表)
    
二部(3時30分〜5時00分)
・意見交換 厚生関係の資格免許、運転免許など
・報告と提案
    海外アンケート結果、公的施設の利用制限に
    関する地方条例などの調査報告、提案
企画の趣旨
 欠格条項をもつ35制度について、各省庁は今年2000年度内の「見直し終了」へと動いています。多くは「見直しの方向」も示さないままです。中でも自動車の運転免許(警察庁)、医師、看護婦、薬剤師 (厚生省)などは、障害名や病名を名指しした欠格条項であり、廃止を求める切実な声があげられてきました。
 この企画では、これらの制度について、何が欠格条項廃止への壁になっているか、どうすれば壁を破れるか考えます。プログラム第一部は、佐谷さん、後藤さんをお迎えし薬剤師について、続く第二部では、ほかの医療職や自動車免許についてです。海外アンケートなどの報告も予定。ぜひご参加ください!

09/08  これは、9月17日(日)企画むけにいただいたメッセージですが、一人でも多くの方に読んでいただけるように企画をまたずに公表すること、伊藤哲寛氏のご了解も得て、ここに掲載します。
 メッセージにあるように、今秋に法案上程予定とされる「医療法」改正をひかえています。
 精神科について他科の3分の1の医師、2分の1の看護婦、2分の1の薬剤師でよいという、差別的な「精神科特例」の見直しが、現在、大きな山場となっています。
 下記メッセージ文の転載を歓迎します。転載されるときは全文転載でお願いします。

(2000年9月17日 障害者欠格条項をなくす会の集いへのメッセージ)
医療における精神障害者差別
北海道立緑が丘病院 精神科医 伊藤哲寛
(公衆衛生審議会委員)
 医療・薬事・衛生の分野では、障害や病気を理由にした欠格条項が多いことがよく知られ、その見直しが迫られている。なかでも、精神病を理由とした免許取得制限が大きな問題であり、撤廃されるべきである。しかし、精神障害者は、それに加えて、福祉や医療を利用する立場からも差別されている。このことはあまり取り上げられていないようである。精神障害者の福祉施策の貧弱さ、なかでも住居の問題は深刻である。病気が安定しているにもかかわらず、社会的入院という形で長期に精神病院に入院している人々が10万人はいると言われている。
 しかも、病院の療養環境が良ければまだ救われるが、精神科医療は医療法上、他科の医療よりも水準が低くても許されることになっているので、問題はさらに深刻である。
 精神障害者が医療を受ける場合の法律上の差別には、次のようなものがある。

1) 適正な入院医療を受ける権利の侵害
 医療法第21条では、病院に配置すべき医師、歯科医師、看護婦その他の職員について規定しているが、そのただし書きに「政令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない」との例外規定がある。そのただし書きにもとづいて、医療法施行令(昭和23年10月27日 政令第326号)第4条の7で、「主として精神病、結核その他厚生大臣が定める疾病の患者を収容する病室を有する病院は、厚生省令で定める従業者の標準によらないことができる」とし、その上で、昭和33年の厚生省事務次官通知は「特殊病院に置くべき医師その他の従業員の定数」を定めている。
 それによると、医師は概略「(入院)患者の数を精神病にあっては3をもって除した数が16又はその端数を増すごとに1」、看護婦及び准看護婦は概略「患者の数が6又はその端数を増すごとに1」でよいとされている。すなわち、他の病気で入院する病院よりも、医師については1/3、看護婦・准看護婦については2/3でよいとされている。
 これは、国連決議 (1991)「精神障害者の保護および精神保健ケアの改善のための原則」 原則8(ケアの基準)「すべての患者は、自らの健康上の適した医療的・社会的ケアを受ける権利を持ち、また、他の疾病を持つ者と同一の基準に則してケアおよび治療を受ける権利を持つ」という条項に明らかに違反している。このほかにも、精神科の病棟の看護単位は、他の入院病棟が60ベッドまでとされているのに対して、70ベッドまではよいとする通知(厚生省保健局医療課長通知、保険発第81号 平成7年5月1日付)など差別的規定が生きている。

2) 身近なところで医療を受ける権利の侵害
 医療法第30条の3には、地域医療計画に関する規定が設けられ、入院のための病床は二次医療圏単位(身近な生活圏内で医療が受けられる範囲)で計画的に設置することになっている。ところが、精神科のベッドについては、都道府県単位で病床配置計画が定めることになっており、精神科の入院ベッドが地域に公平に分散配置されていないという問題が生じている。
 これは、上記の国連原則7(地域と文化の役割)「すべての患者は、できる限り、自らの居住する地域で治療を受け、ケアされる権利を持つ」に違反するものである。

3) 身体的治療を受ける権利の侵害
 医療法施行規則第10条3号では、「精神病患者を精神病室でない病室に収容しないこと」と規定している。「臨時応急のときはこの限りではない」のただし書きがあるものの、精神障害者の身体精神疾患治療を入り口で制限するものであり、憲法25条に抵触する規定である。精神科の治療を受けている多くの患者さんは、その事実を隠して、肩身の狭い思いをして病院に入院しなければならないのである。

4) 自由な意思で医療を受ける権利の侵害
 医療法施行規則第16条6号では、「精神病室には、外部に対して危害防止のためにしや断その他必要な方法を講ずること」と規定している。医務・公衆衛生局長連名通知(昭和40年8月5日医発961号各都道府県知事宛)では「開放的な医療を行なうことが適当と認められる者のみを収容する精神病棟においては、しゃ断設備を必置のものとして取扱う必要はない」とあるが、危害防止のための遮断等が原則になっており、開放処遇が例外扱いになっている。これは精神障害者に対する偏見を助長する要因ともなっている。直ちに削除すべきである。
 医療法は昭和25年の制定以来、これまで3度の大きな改正を行い、少しずつ時代にふさわしい法律へと変わってきた。しかし、精神科医療については、法律制定以来、一度も見直されていない。現在、この秋に再上程される予定になっている医療法の改正に備えて、精神病床の人員配置基準や施設基準をどうするが検討されている。今年7月から公衆衛生審議会のもとに設置された「精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会」が検討の場である。50年ぶりの改正作業がどうなるか、関係者から大きな期待が寄せられている。専門委員の一人として、この機会に精神障害者の医療のあり方を根本的に見直すべきであるとの主張を行なっているが、大きな壁があり、現時点では見通しは厳しい。この専門委員会の委員構成を見ると分かるように、どうしても、精神医療の安定的な供給をどうするかという観点が重視され、入院する障害者の立場が軽視される傾向があるからである。
 医療における精神障害者差別は、医療を提供する病院経営者や医師の視点からのみでは、解決できない。障害者差別問題の一つとして、さまざまな立場の人々が連帯して広く取り組む必要がある。この問題は、障害者問題の恥部として21世紀後半まで持ち越される可能性もあるからである。

メッセージ〜第一部で語る三人より
後藤久美さんの経緯をお聞きして、目から鱗が落ちました。そこで、いち早く薬剤師会長として声をだしました。薬剤師を目指す子どもたちに夢を与えられるように当会も頑張ります。
…佐谷圭一(さや・けいいち)さん
−聴覚障害者にも薬剤師免許を認めるべきと見解をうちだした。

わたしは薬剤師の免許を一刻も早く獲得して、聴こえる子どもも聴こえない子どもも「薬剤師になりたい!」と思えるように、いまを精一杯生きていきたい。
…後藤久美(ごとう・くみ)さん
−薬剤師試験に合格したが免許申請を却下された。聴覚障害者。

欠格条項がなくなれば、障害者の暮らしぶりは可能性がグ〜ンとひろがります。
欠格条項が残れば、逆に生活の幅がグ〜ンとせまくなるのです。
…牧口一二(まきぐち・いちじ)
−松葉杖のデザイナー。障害者が社会進出できることを手がける。


主催  障害者欠格条項をなくす会
共催  全国自立生活センター協議会・DPI日本会議
賛同
CILくにたち援助為センター,CIL湖北障害者オンブズパーソン,NPO法人自立生活企画,NPO法人町田ヒューマンネットワーク,アジアン・ティスアビリティ・インスティテート,あしの会,岡崎自立生活センターぴあはうす,財団法人全日本ろうあ連盟,障がい者自立生活支援センター 福祉のまちづくりの会,障害者生活支援TIJ,障害者総合情報ネットワーク,障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議,障害者の自立支援センター(愛媛県松山市),自立生活センター・小平,自立生活センター・立川,自立生活センター・ユートピア若宮の会,自立センター・PAL,スタジオIL文京,全国頚髄損傷者連絡会,全国障害者解放運動連絡会議,全日本手をつなぐ育成会,地域での障害者の自立生活を支える会,特定非営利活動法人ヨットエイドジャパン,日本障害者協議会(JD),優生思想を問うネットワーク,リサイクルショップまち子ちゃんの店,わかこま自立生活情報室(五十音順・2000年8月31日現在)
主催者連絡先
〒101-0062 千代田区神田駿河台3-2-11 
DPI障害者権利擁護センター気付
TEL03-5297-4675  FAX 03-5256-0414
メール nakusu@bk.iij4u.or.jp

お申込み方法
下記の項目について
nakusu@bk.iij4u.or.jp(障害者欠格条項をなくす会)までお送り下さい。
会場スペースの都合で、120名を上限としています。
お申込み先着順で受け付けいたします。
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2000年9月17日企画  参加申込書〈メール版〉
1.お名前
2.TEL
3.FAX
4.E-mail
5.ご住所
6.ご所属
7.点字、手話、要約筆記、そのほか必要なことがあるときお知らせ下さい。
8.メッセージがあればお願いします。


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