「欠格条項にレッドカードを!」


本の表紙 〇本の情報・要点
題名/「欠格条項にレッドカードを!」
副題/障害者欠格条項の見直しに関する
     提言
編集人/障害者欠格条項をなくす会
版元/市民がつくる政策調査会
判型/A4版175頁
発行日/2000年3月25日
価格/1500円
取扱い /全国官報販売協同組合
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書籍番号は、ISBN4-921189-01-3
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〇出版の主旨
 「レッドカード」は、サッカーで重大な反則等をした選手への退場宣告。日本では300以上の法令に、障害や病気のレッテルで「できない」「危険」等と決めつけて排除する「欠格条項」があります。公営住宅の単身入居、自動車免許や職業資格免許取得…。差別と権利否定を法律に明記していることは、障害者の社会参加のうえで大きな壁になっています。

 アンフェアな法制度こそ「欠格」として退場させなければなりません。今、2002年度末にむけて各省庁が欠格条項見直し中です。切実な状況、問題の焦点、撤廃への提言、そして排除でなく個人のニーズにあった支援を広く知っていただくために、急ぎ出版しました。
  ・一章「障害者欠格条項の見直しに関する提言」九つの提案です。
  ・二章「ヒアリング報告」昨年十一回開催したものです。
  ・三章「当事者からのインタビュー他」
   政府文書、法令一覧、地方条例など足で調べた資料多数を掲載しています。

〇もくじ、本の内容
発刊にあたって 障害者運動が法律を変える絶好のチャンス 牧口一二 1

 欠格条項というものは、問答無用の形で障害者を門前払いにしてきましたが、それにとどまらず時代の変化を考慮しないで、障害者の可能性を奪うもの、障害者の社会参加を阻むものとして機能してきました。これこそ人権侵害以外の何者でもありません。

 いま、政府は見直しに向けて、「必要性の低いものは廃止する」としていますが、併せて「真に必要と認められるもの」を検討しています。あいかわらず個人のもつ能力のみで考えているわけです。人間は関係性の生きもので、ゆたかな人間関係をもつ人がほんとうの自立者なのです。私たち障害者は、長年の障害者市民運動によって自立生活運動を試行錯誤し、あらたな自立観を創出してきました。この知恵を携えて、欠格条項をなくす運動を盛り上げていきたいと、多くの仲間に呼びかけているところです。この報告集を読まれたあなた、ぜひ、この運動に参加されることを熱望してやみません。 (「発刊にあたって」より 抜粋)

  • 第1章 障害者欠格条項の見直しに関する提言 7
    • 1 欠格条項制度の思想的背景を明確にすることが必要です
    • 2 「できないからダメ」から「どうすればできるか」への考え方の転換が必要です
    • 3 新しい障害概念の検討の中で欠格条項を見直すことが必要です
    • 4 包括的な見直しに向けて省庁の枠をこえる指針の策定が必要です
    • 5 当事者が能力を発揮できるようにサポートする原則と方法を確立することが、急務です
    • 6 補助的な手段の導入、とりわけ支援者の適切なサポートの視点と意義を国際的な人権基準から確定していくことが必要です
    • 7 異議申し立ての手続き規定を簡略にすることが必要です
    • 8 自治体における欠格条項の実態とその背景を指摘し、撤廃に向けての課題は何かを明らかにすることが必要です
    • 9 成年後見制度の改正に伴う欠格条項の見直しは不十分です
  • 第2章 ヒアリング報告 55
     田中邦夫(国会図書館)・荒井元傳(全家連)・岩崎晋也(JD)・松友了(育成会)・長瀬修(障害コミュニケーション研)・佐藤久夫(日本社会事業大)・福島智(金沢大)・小川浩(やまびこの里)藤田保(精神科医)・後藤久美(製薬会社勤務)・里見和夫(弁護士)・原司(法務省民事局)各氏の報告。テーマ「対処方針の評価」は、障害者の人権と社会参加の問題そのもので、読みつがれるべき提起を多く含むレポートです。
  • 第3章 当事者からのインタビュー他 149
    西前一男(検察審査員候補経験者)・大澤たみ(ピープルファーストはなしあおう会)・山口弘美(全国精神障害者団体連合会)各氏のお話です。
    参考資料 157〜176
    昨年から、一部の欠格条項見直しや廃止、民法改定などの動きがありました。そのほか2002年度末の見直し期限にむけ、各省庁で検討作業が始まっています。障害者にかかわる欠格条項をもつ法令と、最近になって削除・廃止されたもの等の最新資料をまとめました。自治体の条例にも、障害者欠格規定がまだ多くあり(プールや図書館などの施設利用、議会や委員会傍聴の制限)、学生が中心となって現状を調査しました。一覧表を収録しています。


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