地域生活
「他の者との平等」の視点から~障害者の地域生活の充実を目指して~

地域生活部会では障害者権利条約(以下、権利条約)の視点から、この国の障害者の地域生活に関わる制度・政策の向上に向けて取り組んでいます。
とりわけ権利条約の19条「自立した生活及び地域社会への包容」は、「障害者を保護の客体から、障害のない人と平等な権利の主体」へと社会全体の価値観を変えていくための基礎となる条項と言われおり「脱施設化条項」「自立生活条項」とも言われています。
本部会では、この19条の具現化を目指し、毎年DPI全国集会や政策討論集会などで分科会を開催し、障害当事者や専門家、行政職員などを迎えて幅広く議論を行っています。
法制度としては主に障害者総合支援法に関する課題に取り組んでおり、近年の具体的成果としては、「重度訪問介護の対象拡大(利用対象者を重度の肢体不自由者のみから、知的・精神障害者まで拡大及び入院中の利用可)」があります。
他にも、「制度の谷間」にいる難病や難治性疾患が対象に含まれるよう障害者の定義の改正や自由に外出できるように外出の目的や範囲の過剰な規制を緩和するよう働きかけをしています。
DPI地域生活部会ビジョン
「脱施設及び社会的入院解消を進め、どのような障害があっても、どんなに障害が重くても、必要な支援を得て、障害のない人と平等に地域で共に暮らせるインクルーシブな社会を創る」
■2030 年までに実現したいビジョン
◎2030年までに実現したいビジョン
制度の谷間を解消し、障害の程度や種別にかかわらず、すべての障害者が地域で自立した生活を送る権利の保障と、その実現のための脱施設の制度化およびパーソナルアシスタンスを含む個別生活支援の制度を確立する。
障害種別を超えた地域生活の確立に向けて~

DPI日本会議は障害種別を超えた当事者運動を掲げて日々活動しています。
権利条約の理念に基づき、どんな障害をもっていても住み慣れた地域で暮らすことができるよう、身体、知的、精神、発達障害、難病・慢性疾患などあらゆる障害者の個別具体的な課題についても、当事者の声をもとに行政交渉や各種審議会や政党のヒアリングなどの機会を通じて政策提言を行っています。
また、緊急性の高い課題については、他団体との連携や協働も図りながら、シンポジウムや院内集会などのイベントを開催し、関係者や広く一般市民を含めて問題提起を行っています。
障害者総合支援法プロジェクトチーム結成
~より良い制度設計のために~

今後、障害者総合支援法は介護保険の動向と併せて社会保障制度改革の大きな流れの影響を受けることは必至です。
その際、制度の後退・改悪を防ぐのは権利条約に立ち返ることと当事者参加です。そこで、DPI日本会議では地域生活部会を中心に2015年度、「障害者総合支援法モデルチェンジデザインプロジェクト」を立ち上げ、総合支援法の次の見直しに備え、隔月ペースで課題のテーマ別に勉強会を開催し、今後は提言をまとめていきます。
具体的には以下の目標を掲げています。
- 1.重度訪問介護のより一層の対象拡大
- 2.重度訪問介護のシームレス化
- 3.必要なものは引き続き検討を義務づける
- 4.介護保険法との統合を前提とした議論に持ち込ませない
※また、地域生活分科会は若手メンバーも活発に部会運営・企画を行っています。
▽2019/1/19「障害者総合支援法/何をまもり・何をかえるのか?」 タウンミーティングin関西 報告
▽Withコロナ時代オンライン地域移行(日本財団助成)プロジェクト報告
関連書籍
- 合理的配慮、差別的取扱いとは何か―障害者差別解消法・雇用促進法の使い方―
- 最初の一歩だ!改正障害者基本法 地域から変えていこう
- 障害者総合福祉サービス法の展望
- 問題てんこもり!障害者自立支援法-地域の暮らし、あきらめない-
これまでの活動、関連ニュース
2025年12月26日1/21(水)JICA国際協力賞受賞者 ウェンディ・バランテス氏記念講演「ラテンアメリカにおける障害者自立生活革命の軌跡」(JICA主催イベント)
- 写真:障害者自立生活センター「モルフォ」のホームページから 本講演会は、JICA(国際協力機構)が主催するイベントです。関心がある方は是非ご参加ください。 ▽障害者自立生活センター「モルフォ」のホームページ(外部リンク)... 続きを読む
2025年12月22日【開催御礼】地域で暮らすを当たり前に―第14回政策討論集会(全体会)報告と参加者感想
- 去る11月29日、30日に戸山サンライズにてDPI日本会議 第14回政策討論集会を開催いたしました。2日間で全国各地から約200名の皆さまにご参加いただき、会場は熱気に包まれました。ご登壇いただいた皆さまをはじめ、開催に... 続きを読む
2025年12月08日11月11日(火)「地域と施設のこれから」を考える—第40回『国際障害者年』連続シンポジウム開催報告(キリン福祉財団助成事業)
- 11月11日に京都市地域多文化交流ネットワークセンターおよびオンラインにて、第40回「国際障害者年」連続シンポジウムが開催されました。 今回は日本自立生活センター、京都市居宅介護等事業所連絡協議会、DPI日本会議の3団体... 続きを読む
2025年11月13日11月29日(土)、11月30日(日)第14回DPI障害者政策討論集会 開催!いまこそ本気で進めよう!脱施設と強制入院の廃止~インクルーシブ社会の実現へ~
- 事前参加受付は終了しましたので、参加ご希望の方は当日会場までお越しください。 2019年から猛威を奮ってきた新型コロナウィルスは、いまだに完全に撲滅されてはいないものの、少しずつパンデミックス前の日常が戻ってきているよう... 続きを読む
2025年11月12日








