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「北海道の障害者福祉行政を考える会」の活動

 昨年8月、北海道は、「道立障害児(者)施設」(以下、道立施設)についての見直しを検討する「道立障害児(者)施設の見直しに関する懇話会」(以下、懇話会)を9月から設置し、年内に北海道の方針を出す方向で進めることが、DPI北海道に情報として入ってきた。

 DPI北海道としては、施設解体を大きな目標としていることから、その懇話会の委員に当初の段階で非公式ながら障害当事者委員を半数以上入れることを要望していた。しかし、結果として委員9名中1名のみが障害当事者委員であった。

 このことから、DPI北海道としては、当事者主体と脱施設を基本としているDPI運動の理念に基づき、当事者運動の立場から行動を起こすことを確認した。そして、DPI北海道内にプロジェクトチームとして、外部からのメンバーも加えた13名(他オブザーバー個人3名、団体2団体)で「北海道の障害者福祉行政を考える会」(略称:考える会)を設置し、道立施設の視察や会議などにより検証作業を11月から行なった。

 特に11月に実施した4ヵ所の道立施設の視察は、参加したメンバーに、あらためて北海道が進める計画案に、利用者である障害当事者の声が反映されているのか、また、この計画の情報を利用者や家族などにきちんと伝えているのか、と言った疑問や施設のあり方について考える格好の機会となった。

 考える会では、この検証内容をまとめて、12月に北海道保健福祉部障害者保健福祉課へ障害当事者の参加を求めるなどの内容を盛り込んだ要望書を提出するとともに、北海道議会の各会派にこれらの趣旨の説明を実施し、賛同と協力依頼を行なった。

 これらの活動の成果として、「懇話会」で7名の当事者(3名身体障害、3名知的障害、1名親・支援者)が意見を述べ、施設をなくすこと、また、施設の議論だけではなく、地域生活支援サービスのあり方についての議論の必要性などを意見として述べることができた。北海道では、「懇話会」のまとめとして、道立施設のあり方についての見直しの方針を4月に打ち出したが、それに先立つ2月、新たに地域生活支援のあり方について検討する「北海道障害者地域生活支援体制検討会議」(以下、検討会議)を立ち上げた。この検討会議の委員構成10名中3名が障害当事者(身体・知的・精神から各1名)となったこと、また、検討会議において地域生活支援のあり方についての議論が中心となることなどDPI北海道の活動が成果となって表われた。

 しかし、考える会が提出した要望書に対する北海道側の回答については、非常に漠然としたものであり、結果として施設解体ではなく、一部縮小と統合などの方向が示された。

 DPI北海道は、これまでの取り組みの総括として3月末に「北海道立障害児(者)施設と障害者自立生活支援を考える道民集会」を開催したが、今後も施設に入所している障害者の地域生活移行の実現や道が打ち出した道立施設の方針等に対する当事者としての運動の継続が必要である。

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