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「北海道重度心身障害者医療給付事業」の見直しに関する
見解について

 昭和48年から重度心身障害者への医療費助成事業として行なわれてきた「重度心身障害者医療給付事業」は、北海道の財政難を理由に昨年(平成16年)10月から、住民税課税世帯につき1割負担としました。

 重度障害者にとって医療は欠かすことが出来ません。さらに就労している重度障害者でも収入はさほど多くなく、公共交通機関を利用できないために生じる交通費や福祉サービスを受けるための利用者負担など、自らの障害のため、障害のない人が負担の必要のない出費を必要としています。

 私たちは、重度障害者の生活実態が十分に理解されないままの見直し導入には一貫して反対してきました。

 そして、全道の障害者団体などに呼びかけて署名活動や知事との面談などを行ない、北海道及び北海道議会に対して医療費見直しの撤回を求めてきました。

 当初は数団体の障害者団体だけでしたが、最終的には道内の174団体が見直しに反対を表明し、制度の継続と精神障害者への医療費助成の拡充も求めた取り組みを行なってきました。

 北海道議会では現在も私たちの陳情は継続審議中ですが、残念ながら昨年10月から医療費見直しが実施されてしまいました。

 私たちは、この重度心身障害者医療給付事業の見直しで、重度障害者の経済的な負担が増し、そのことによって受診抑制や生活が維持できなくなるのではないかと強く危惧しています。

 昨年来、私たちの活動とこうした問題は、いくつかのマスコミに取り上げられましたが、今年の3月10日にNHK札幌放送局が放送した報道内容は、道財政難で利用者負担はやむを得ないし、それらについては障害当事者団体も理解していると視聴者に誤解されかねない内容で非常に残念に感じています。NHK札幌放送局は、この間、私たちの取組みを報道することなく、この時期に来ての慌しい取材とその報道内容は、障害者の立場に立ったものではなく、むしろ道の立場を強く正当化するとともに、年度末の決算、新年度の予算作成という時期から意図的なものではないかと感じざるを得ません。この件については、NHK札幌放送局へ正式に抗議したいと考えています。

 私たちは、この間、多くの方々からの協力や応援をいただきながら、昨年10月から道の見直しを許してしまったことを遺憾に思っていますし、多くの仲間に対してお詫びしたいと思います。

 しかしながら、私どもの役割はまだ終わっていないと思っています。

 医療費見直しに伴うフォローアップ事業の創設とその内容に対して、道へ障害当事者の立場から意見反映することができました。また、今回の制度見直しにおける影響調査を道に引き続き求めるとともに、私たちが懸念する深刻な事態が発生しないよう道へ要望していきますので、引き続きご支援、ご協力をいただけますようお願いいたします。

 最後になりますが、昨年の「北海道医療費助成制度を考える連絡会」発足以来、ご支援、ご協力をいただいた障害者及び関係団体、個人の方々、また私どもの活動に励ましや応援をしてくださった多くの道民の方々に心から感謝申し上げます。

平成17年3月24日

北海道の医療費助成制度を考える連絡会(賛同団体174)
代表  小谷 晴子

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