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資料2

平成16年第一回北海道議会定例会予算特別委員会(知事総括)

[北海道議会](平成16年3月22日)

自由民主党・道民会議 柿木克弘議員の質問

内容:道単独医療費助成制度の見直しについて

  1. 関係団体からの反対意見について
  2. 見直しに伴う影響の緩和について

柿木議員

 私は、先の予算特別委員会の各部の審査におきまして、この度の医療給付事業の見直しについて質問したところでございます。

 我が会派といたしましては、少子化対策として乳幼児医療の対象年齢を就学前までに拡大することや父子家庭も対象に加えるといった知事の決断については評価するものでございます。

 しかしながら、一方で市町村民税課税世帯には1割の自己負担を求めると、先の予算委員会の中でも、その対象者の40%に当たります22万人の方が新たな負担を求められると、そういうことになっておりまして、これに伴う受給者への様々な影響と、それに対する道の対応状況や考え方をただしたところでございますが、道の答弁では「対応可能なものについてはできる限り反映をしてまいりたい」というものであり、 経済的にも弱い立場に置かれております障害者の方々などの切実な声に十分応える内容とは受け止められなかった。そんな感じがいたしております。

 例えば、合併症のある方などは、複数の診療科の受診ですとか、あるいは複数の病院をタクシーで乗り継がなければならない。そういった医療費以外の経済的、あるいは肉体的な負担も大きいものと考えます。このため私は再度この問題について知事の考え方をお伺いしたいと思います。

 医療給付事業の見直しについては、道議会に対しても障害者、あるいは患者さんの団体から反対の請願や陳情がなされていると伺っております。

 そこで先ず、今回のこの見直しと、そしてこれに対する障害者など関係団体からの反対の意見などについて、知事の認識をお伺いしたいと思います。

山口副知事

 北海道医療給付事業でありますけども、この急速な高齢化でありますとか、あるいは国の医療保険制度が改正されまして、そういうようなことがありまして、事業費負担が年々増大するわけでありますが、その一方で、少子化対策など新しいニーズへの対応が求められているところでございます。

 そういう中で、この度の見直しは、そういった社会情勢の変化に対応しながら、この事業が将来にわたって安定的に運営されていく、そのために、負担の公平性などの観点から行ったものであります。

 道といたしましては、この見直しに当たりまして、これまでも、色々な機会を捉えまして障害者団体などに対し、この事業を取り巻く現状でありますとか、あるいは道の考え方をご説明して理解を求めることもやってまいりました。また、関係の皆様方のご意見、ご要望も承ってきたところであります。

 その中で、今ご指摘がありましたように、市町村民税の課税世帯への1割負担の導入につきまして、強く反対されている団体もある訳でありますが、厳しい財政状況をはじめ社会情勢、経済情勢が大きく変化する中で、この制度を維持するためには、避けて通ることのできない見直しであると考えておるところでございまして、今後ともこうした点につきまして、関係の皆様方にご理解をいただけるよう努めていくことが大切であると考えております。

 また、障害者の方などからご要望のありました事項のうち、給付手続きの簡素化など対応可能なものにつきましては、できる限り反映できるように取り組んでまいりたいと考えているところであります。

 以上でございます。

柿木議員

 道は、この度の見直しについて、本年度10月からの実施を予定しているが、障害を抱える方々などは見直しによる影響に大きな不安や懸念を抱いている。

 例えば、在宅酸素治療を受けている方ですとか、あるいはまた、人工透析を受けている方などは、医療を欠いては生きていくことができない。

 こうした方々の中には今回の見直しによって年間の負担額というのが10万円、あるいは20万円と増大するケースも生じていると言われております。

 道は更正医療などの活用も進めていくとしておりますが、果たしてそれで十分な対応ができるのかどうか。

 見直しの実施までにはまだ半年位時間がある訳でございます。今後、道の見直し方針を受けて実施主体であります市町村での議会議論というのも予想されるんじゃないかと思います。

 道としては、今後の市町村におけるそうした議論の動向ですとか、あるいは見直しに伴う対象者への影響など、そういったものの実態の把握に努めて、何らかの対応が必要とされる事項については激変緩和などのために具体的な検討をするといった、そういった柔軟な対応というのが望まれるんではないかと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。

山口副知事

 見直しに伴います影響の緩和についてでありますが、この度の見直しでは、低所得者に最大限の配慮を行ったところでございます。そういう意味で、市町村民税非課税世帯などの自己負担につきましては現行どおり据え置くということにしたものでございます。

 また、新たに1割の自己負担を求める方々につきましても、月額の上限額を設定するといったことで、配慮を行ってまいりました。

 さらに、患者の皆さん方の負担を軽減するために、現在、更正医療の活用のための条件整備などに鋭意取り組んでいるところでございまして、今後、更正医療や育成医療など他の公費負担医療制度の適切な活用に努めてまいりたいと考えております。

 一方で道としては、ただいま委員のご指摘を踏まえまして、今後におけます市町村の動向、あるいは見直しに伴う影響など実態の把握に努めまして、何らかの対応が必要になった場合には、適切に対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

柿木議員

 先ほども、お話いいたしましたけれども、また、見直しの時期まで若干の時間がありますので、もちろん実施前、実施後も含めて、しっかりとした実態の把握をしていただきまして、きちんとした対応をしていただきますように申し上げておきまして、私の質問を終わりたいと思います。

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